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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

屍鬼となった少年 1 ~妹~

2006年04月06日(Thu) 05:57:46

た、助けてぇ・・・
怯えて逃げ惑うセーラー服姿をつかまえて。
両肩を後ろからがっちりと、羽交い締めにして。
飢えた唇を、うなじに忍ばせてゆく。
白く透けた妹の素肌からは、なまな体温がずきずきするほど伝わってきた。
ごめん・・・
そう、念じながら。
かりり・・・
びろうどのようにしなやかな皮膚に、生え初めた牙を咬み入れていた。
ほとび出てくる暖かい血液を、ものもいわずにむさぼっていた。

ぐったりとなった妹が抵抗をやめると、
ようやくすこし、ゆとりが生まれた。
あったかい血を持っていやがる・・・
血を分けた女のせいだろうか。
口許に漂う微薫はひどく馴染み深く、少年の喉にしっくりと沁みいってきた。

もう、逃げる体力は残されていなかった。
さおりはくらくらとする眩暈に喘ぎながら、
制止することもできないままに兄に咬まれ続けていた。
しっかりと抱きすくめてくる両腕のなか、せいせいと息を弾ませながら。
お兄ちゃん、許して。もうカンベン・・・
いく度、そう呟いたかわからない。
けれども兄の発作は渇きがおさまるまで、とどまることはなさそうだった。
このまま兄の欲望に屈してしまえば、動けないのをいいことにすべての血を吸い尽くされてしまうのだろうか?
そんなことを思いながら、不思議と恐怖は去っている。

悪いな。
いいのよ・・・
兄さんがまっ白なハイソックスのうえからふくらはぎに唇を吸いつけてくと、
吸いやすいように脚をくねらせて、向きをかえてやっている。
さおりのハイソックス、前から気になっていたんだよ。
知ってるよ。よく、イタズラしてたでしょう?
ひとしきり落ち着くと、兄妹のやり取りにもどっている。
襲うもの、血を吸われるものの関係でありながら・・・
うぅ。イイ感じだ・・・
えっち。
初めて、ふたりのあいだに笑いが洩れた。

道端の草むらから、ちぃちぃと虫の鳴き声がする。
あたりはすっかり暗くなって、白い制服に撥ねた赤黒い飛沫を隠してくれていた。
このままなら、誰とも顔をあわせずに戻れそう。
ママも今夜は遅いから、帰ってくるまえに制服を着替えてしまおう。
着替えた制服は、みどりちゃんのうちのクリーニング屋に黙ってだしてしまおう。
素足に革靴。
お気に入りだったハイソックスは兄の手で抜き取られ、兄のポケットにむぞうさにねじ込まれていた。
学校帰りに、たまに寄ってくれよ。
毎日は、無理だよね・・・
それでも公園通いは続きそうだった。
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