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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

屍鬼となった少年 2 ~母親~

2006年04月06日(Thu) 06:19:13

足しげく公園通いをするようになった妹。
兄にせがまれるままに。
ハイソックスを履いた脚をきちんとそろえて、ふくらはぎを咬ませてやっている。
ふだんは、紺色。ママの帰りの遅いときは白。
ほんとうは白がいいんでしょう?でもママに見つかるとやばいから、ふだんは紺にするね。
そのほうが、血が目だたないから・・・
そういいながら。履いてくる色は白のときが多くなっていた。

ママの帰り、今夜も遅いの?
ハイソックスの向こう側に弾む、ぴちぴちとしたふくらはぎの肉を唇に感じながら。
兄は妹を見あげている。
最近ね、ママに恋人ができたらしいの。
ーーーえ・・・・・・。
スカートの下をまさぐる兄の手が止まっていた。
こんど、連れてきてあげようか?
兄の渇いた視線から逃れるように、さおりはぎこちなく身づくろいをすませると、
そそくさとベンチから立ち上がっていた。

そのつぎの日の夕暮れ時。
いつものベンチに座っていたのは、さおりよりも上背のある、年配の女。
見慣れた柄のプリントワンピースに、少年はズキズキと本能を疼かせる。
ママだ。
ひたと見つめる視線がまともにぶつかって、絡み合う。
逆光になってよくわからなかったけれど。
その女(ひと)はあきらかに、ほほ笑んでいた。
  きょうはさおりは来れないわ。体の具合が悪いんだって。
たしかにここのとこ、ほとんど毎日になっていた。
死んだはずの息子が公園で娘と逢ってなにをしているのか、おおよそ察しはついているはずなのに。
ママはあくまでもおだやかだった。
  生き返ることができたのね。よかった。
しっとり落ち着いた優しい声色のなかに熟れた女の匂いをかぎつけてしまうのは、忌むべき新たな本能のせいだろうか?
  どうしてもっと早く言ってくれなかったの?二人して隠し事なんかしちゃって。
ママだって、してるんでしょ?隠しごと・・・
そういい募りたくても言葉にならなくて。
彼はいつの間にかママのほうへとにじり寄っていた。

耳たぶに、切迫した呼気がせまってくる。
貴美香はそれに応えるように、うなじをちょっと仰のけてやった。
かりり・・・
首のつけ根のあたりに、鈍い痛みが滲んだ。
ちゅ、ちゅう・・・っ
忍びやかな音をたてて。
血を吸い取られるたびに、スッと頭のなかが透明になってゆく。
  もっと、もっと。わたしを注ぎかけてあげたい。
抱きついてくる息子の腕に、いっそう力が込められてきた。

淑やかに組まれた脚が、薄手の黒のストッキングに透けている。
父がいなくなってから、毎日のように母の脚を染めていた清楚な衣裳。
どきどきしながら、唇をあてがっていった。
妹のハイソックスよりもずっとなよなよとたよりない感じがした。
頼りなさ、心もとなさを帯びながら、
すべすべとした感触はまさぐる手の指を、すりつけてゆく唇を、
痺れさせるばかりに迷わせてゆく。
  おいしい?
見透かしたように、ゆったりとおりてくるママの声。
いっぱい、責めようと思ったのに。
もう、とても勝負にならないような気がしていた。
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