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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

東京レンタル妻 4

2008年07月05日(Sat) 04:25:17

会社の同僚の妻の顔というのは、意外に知らないものです。

いいもの、見せてやろうか?
仕事の合い間、同期のGがそっと差し出したのは。
「御優待券 4名様かぎり」
ただそう書かれただけの、一枚の紙切れ。
それがさも貴重品であるかのように、もったいぶって見せたのは。
紙片の隅っこに印字された、
桃色企画 ○○の文字。
知る人ぞ知る人妻売春サロンの名前なのだと。
ふだんそういう場所とは縁のない私ですら、知っているほどに。
知る人ぞ知る、禁断の花園。
わたしはおそるおそる、差し出された紙片を受け取った。
まるで、魂を売り渡すような禁忌の思いをいだきながら。

就業後の会社をそれとなく抜け出して、
気心知れた仕事仲間の四人と連れだって。
たどり着いたのは、みすぼらしい一軒家。
遅い時間―――そう、三次会もひけたあとの、もちろん午前何時という刻限に。
玄関わきだけは、こうこうと灯りが点いていて。
優待券を出しだした同期のあいつは、ものなれているらしい。
無遠慮に、がらりと引き戸を開け放って。
うっそりとした声で、
四名。
とだけ、告げている。

玄関脇は、オールナイトの映画館のようにうらぶれた薄暗い電灯の下。
白髪頭の老婆がひとり、背中を丸めてうたたねしていて。
連れの声で目ざめたはずなのに、いかにもずっとまえから目を開けていたかのように。
まるっきり無色の如才なさで。
奥の三番目の部屋ね。
これまたいかにももの慣れた、ぞんざいな語調でかえしてきた。

いいか。順番だぞ。
でも真っ先は、オレできまりだな。
この女射止めるのに、えらい苦労をしたのだから。
男はくぐもった声のまま、「御優待券」と引き換えに渡された顔写真を、
さもだいじそうに、見せびらかした。
いい女だな・・・
ごくりと生唾を呑み込んだのは。
おなじ課の三つうえの先輩だった。
感度のよさそうな腰してるじゃないの。
いつもはす向かいの席で居眠りしている万年窓ぎわの年配の次長は、
やけに通ぶったことを口走る。
えへへへへ・・・
得意げに笑う同期のあいつに、さいごの一人、入社三年目の若い社員は。
たったひとこと。
いいですね。おっぱいでかそうじゃないですか。

どれもが、当たり。
それを知っているわたしは、さすがに昂ぶりを抑えきれなくなっていて。
ごめん。オレやっぱり帰るわ。
と、あっさりほかの三人に順番を譲り渡している。
ほんとにいいのか?
ライバルがひとりいなくなることに、嬉しさを隠せなくなった同期のあいつは。
じゃー、ほかの三人で、くじ引きな・・・と。
あらかじめ用意していたありあわせのマッチ棒をかざして。
一本だけ、途中で折れている。
それをひいたやつが・・・って。
やっぱり得意げに仕切っている。

のがれるように、売春宿をあとにして。
ひたひたとたどる家路のかなたには。
妻は待っていない。
見せびらかされた写真の主が妻だとは。
だれもがきっと、気づいていないはず・・・
悶々とすごす、独り寝の夜は。
もしかすると妻と過ごす夜よりも、濃い昂ぶりを伴っていたかもしれなかった。

翌朝―――
おはよう。
ああ、おはよう。
だれもかれもが、くぐもった声をして。
夕べの余韻を隠しきれないで居る。
朝いちばんの仕事のせわしさが一段落をした、
ちょっとけだるげな空気のなか。
わだかまる会話に、つい耳を傾けてしまう。
いい女だったなあ。
あの腰さばきは、最高だったね。
うわさにたがわぬ名器だな。
来週の金曜、また出番らしいぜ。
おい、優待券、ゲットしておいてくれよな。
ささくれだつほど、刺激的な言葉の切れ端が。
鼓膜をびりびりと震わせてきて。
そういえば、来週の金曜日。
妻はクラス会だといっていたっけ・・・
どうにも昂ぶってたまらない股間のようすを、周りにさとられまいとして。
懸命にしかつめらしい顔つきを、とりつくろっている。

人知れず、レンタルされている妻は。
それと走らず、わたしの会社の同僚たちと、まぐわって。
かれらと兄弟になってしまったことを、半分は後悔しながらも。
かれらの賞賛が、なぜかわがことのように。
鼓膜をくすぐったく、震わせている。
妻のいない夜―――。
それはあらぬ想像に胸くすぐられる、眠れない昂ぶりに満ちた闇。
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