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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

インモラル・バー

2008年07月05日(Sat) 12:58:37

薄暗いダンススペースに流れるのは、淫靡なブルース。
男女はぴったりと、寄り添いあって。
甘美な調べに、身を任せている。
妻は見知らぬ男性と。
身体をぴったりと、くっつけ合って。
それは、危険なほどの接近、接触。
時おり交わされるキスは、儀礼の度を過ぎたものだったけれども。
ふたりのあいだに流れるものをせき止めるべき立場の私。
嫁の不貞を責めるべき母。
そのどちらもが。
状況をわくわくしながら、見守っている。

相手の男性は。
妻によほどの、ご執心らしい。
真っ赤なドレス姿をかき寄せて。
むき出しの肩に、両手を添わせて。
息もつけぬくらいに、密着している。
その息苦しさに、応えるように。
女は大胆なスリットからむき出した、黒のストッキングの太ももを。
挑発的にちらちらと、覗かせながら。
妻もまた・・・男の求めに応じてゆく。
まさぐられる背中、肩、そして胸。
淫靡なリズムに乗りながら。
ふたりはそこかしこへと、位置を移して。
わたしたち母子から、つかず、はなれず。
やがていつの間にか、視界からはずれるほど隔たって。
すいっ・・・と、奥の個室へとすべり込んでいく。

ドア一枚向こう側。
妻はただのむき出しの牝に戻っていて。
男に乗っかられるまま、ドレスを剥ぎ取られて。
あのなめらかな皮膚に包まれた伸びやかな肢体を、あらわにしているはず。
母はわたしに寄り添って。
齢ばなれした若々しさを保ったしなやかな腕を、ぬるりとわきの下にすべり込ませてくる。
いいの・・・?
いいのよ。
ふふ・・・っ、と笑んだ口許に。
わたしは引き込まれるように、唇を吸いつけて。
ふと父のほうを盗み見ると。
ブランデーグラス片手に、カウンターの隅っこに腰かけた父は。
こちらを視るともなく、窺っている。
ちょうど今しがた。
わたしが嫁の姿を追いかけていたのと、おなじまなざしが。
ひどくくすぐったく、全身を痺れさせている。

お父様も、よろしいって許してくださったわ。
さあ・・・わたくしたちも。あちらの扉にまいりましょう。
母とわたしは、恋人同士のように腕を組んで。
楚々とした青のロングドレスの歩みに、寄り添ってゆく。
時おり見え隠れする足許は。
濃い紫のストッキングに包まれていて。
ツヤツヤとしたナイロンの向こう側。
青白い静脈の浮いた脛が、どきりとするほどの色香を秘めている。

ドアの中といわず。
ここで・・・どう?
わたしが指差したのは、ダンススペースの片隅の。
だれにでも視られる、ただの床のうえ。
ふふふ。
母は相変わらず奥ゆかしい微笑みを絶やさずに。
じゃあ・・・お父様のまえで、乱れて御覧にいれましょうね。
かしげた小首に、唇の奥に秘めた牙が疼きだす。
しっかりとした噛み応えに、かすかな身じろぎ。
母の生き血は暖かくて、どんよりと妖しい澱みを秘めていた。
その澱みに込められた熱情に。
思わず昂ぶってしまって。
青いロングドレスの貴婦人は。
床に抑えつけられたまま、その場で息子の凌辱を受ける。

カラカラカラン・・・
父の転がすブランデーグラスには。
いったいなにが、入っていたのだろう?
嫉妬を冷ます氷?昂ぶりを助長するリキュール?
あのひと。もう齢だからって。
じぶんで姦る愉しみではなくて、視るほうに専念するんですって。
身体の奥にまで粗相をしたわたしの額を軽く小突いて。
母は薄っすらと笑みながら。
ことさらにつくろった露骨な痴態に、ふたたび舞い戻ってゆく。
妻が娼婦となった夜。
その姑も、娼婦に堕ちていた。

たがいに相手を取り替えあって。
母と息子。父と娘。兄と妹。
禁じられたはずの関係を、血潮の濃さが呼び合うように、影を重ね合っていって。
ゆるやかな調べに合わせて、重ねられる舞踏。
視る愉しみ。犯す愉しみ。
どちらもが、深い歓びを紡ぎだして。
濃すぎる血潮の渦巻く夜。
宴はまだ、始まったばかり・・・
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