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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

家族ぐるみ

2008年07月05日(Sat) 15:55:59

きゅうっ。じゅるじゅるっ・・・
隣の部屋から、いやな音が聞こえてきた。
恐る恐る、そうっ・・・とふすまを細めに開けると。
深緑色のスーツを着た母さんが、台所に倒れ込んでいて。
うなじにとりついた小さな影が、ひっそりと音を洩らしながら。
母さんの生き血を吸っているところだった。
影の主は、はす向かいに越してきたマサヤくん。
ママの事が気に入った・・・って、言ってたけれど。
まさかこんなふうに、気に入っていただなんて。
そうとも知らずにボクは、マサヤくんとお父さんとを。
だれにも断りなしに、家に招き入れてしまっていた。

休日の家には、みんながいるはず。
けれども父さんの書斎も。姉さんの勉強部屋からも。
人の気配が伝わってこない。
そらぞらしいほど明るい屋外とは対照的に。
家じゅうひっそりと、無気味に薄暗い沈黙に支配されていた。

向こう側のドアが、がらりと開いて。
顔を覗かせたのは、マサヤくんのお父さん。
「なんだ。ここにいたのか」
「ウン。パパのほうは、うまくいった?」
「ああ・・・ご主人もお嬢さんも、黙らせた」
うふふふふっ。
マサヤくんはいつものように無邪気に笑って。
もういちど、母さんの首すじに牙を埋めてゆく。

待って・・・
身の危険もかえりみず、台所に一歩踏み込んでしまった。
ふたりの吸血鬼は同時に振り向いて、
不吉な目つきでこちらへとにじり寄ってくる。
ボクよりずっと年下のマサヤくんは。
素早くボクの背後に回りこんでいて。
退路を断たれたボクは、黙って立ち尽くしたまま。
ハイソックスを履いたふくらはぎに手を伸ばしてくるマサヤくんになされるがまま、
唇を吸いつけられてしまっていた。

きゅうっ・・・
身体じゅうのぬくもりを、引き抜かれるような心地がして。
めまいを起こしたボクは、ふらふらと倒れこんで。
気がつくと母さんの隣に、並べられて。
親子かわるがわるの吸血を、受けていた。
身体のあちこちに刺し込まれてくる牙は、チクチクとうっとうしかったけれど。
思ったほど痛くなかった。

悪いね。ユウ兄ちゃん。
マサヤくんは、ボクの顔を覗き込んで。
甘えるように、うなじにつけた傷口を吸って。
ボクがくらくらとなって、静かになってしまうと。
ボクの履いているライン入りのハイソックスと。
母さんの履いている肌色のストッキングと。
替わりばんこに噛み比べをしているのだった。
うふふ。どんどん破けていくね・・・
昏い愉しみに耽るマサヤくんを、やめさせることもできないで。
けんめいに身じろぎしようとしていると。
いつの間にか、母さんの手が。
ボクの手の甲を抑えるように、覆いかけてきた。
血の気のなくなった掌は、ひどく冷たかったけれど。
おっとりと手に手を重ねるしぐさは、じゅうぶんに優しい心遣いに満ちていて。
ボクはほっとしながらも、切なくなって。
じぃん・・・と、涙が滲んできた。

マサヤくんのお父さんは、ボクの首筋にかがみ込んできて。
がぶり・・・と、容赦なく食いつくと。
ごくごくごくごく・・・
思い切りつよい力で、ボクの血を飲み味わうと。
坊ちゃん、いい子だ。きみは強い子だね。
まるで小さな子をあやすように、頭を撫でてくれた。
ボクの家族の血が、気に入ったんだね?
ああ。よくわかるね。
かまわないから、もっと吸って・・・
どうしてそんなことを、言ってしまったのだろう?
けれどもマサヤくんのお父さんは、ボクの頭を抱くようにして。
聞き分けのいい子だ。きみの父さんも母さんも、もちろん姉さんも。だれも死なせない。
その代わり・・・ときどきこうやって、私たちと仲良くしてもらいたいのだよ。
ウン・・・と頷いて、ふと気がつくと。
あたりはもう、夕闇が迫っていた。

今夜の夕食は、栄養たっぷりのご馳走だった。
エプロン姿の母さんは、ボクの好物の焼肉を、てんこ盛りに振舞って。
いっぱいおあがり。今夜は大変よ。
にこやかに、ほほ笑んでくれる。
これから始まる夜の儀式のため。
父さんは箪笥の抽斗の奥から、若い頃履いていた紺色の薄いハイソックスを取り出してきて。
母さんのストッキングほど、薄くはないよね?って。
ちょっぴり照れくさそうにしながら、スラックスをたくし上げて。
ひざ小僧のすぐ下まで、キュッと引き伸ばしていった。
姉さんは、夏ものの制服の下、黒の薄々のストッキングを履いていて。
黒のストッキングなんて、入学式以来だよ。って。
やっぱり照れくさそうにして。
オトナっぽく染まったふくらはぎを、見慣れないものでも見るような目で、見おろしている。

さあて・・・と。
隣の部屋にひっそりと控えていたマサヤくんとお父さんが現れると。
母さんはエプロンを脱ごうとした手をとめられて。
そのままで襲ってあげる・・・って、マサヤくんに後ろから抱きつかれて。
紺のスカートのうえから、お尻を噛まれちゃっている。
母さんの生き血を吸い取っちゃうと。
マサヤくんは、父さんのこともソファから引きずり降ろすようにして。
可愛い犬歯を父さんの首筋につきたてて。
チュウチュウ、チュウチュウ、一人前の音を立てて吸い上げてゆく。
どっちが薄いか、噛み比べてみるね。
父さんのスラックスを引きあげて。
母さんのスカートまで、たくし上げて。
さいしょに父さんの。
それから、母さんの。
ふくらはぎに、ぴったりと唇を吸いつけていって。
薄い靴下にピリピリと裂け目を滲ませてゆく。

マサヤくんのお父さんは、さいしょに姉さんににじり寄って。
セーラー服の襟首から覗いた胸元に、かぶりつくようにして。
ちゅうちゅう、ちゅうちゅう、いやらしい音を洩らしながら。
ショジョの生き血・・・だね?って振り返るマサヤくんに、ウィンクをかえして。
姉さんは抵抗ひとつしないまま、身体を傾けていく。
「ほら、お姉さんの黒のストッキングも、おあがりよ」
マサヤくんのお父さんは、姉さんのオトナっぽい装いを気前よく譲ると。
とうとうボクのほうに、にじり寄ってきて。
姉さんのときとおなじように、うなじに唇を吸いつけてきた。
ぴったりとあてがわれた唇は、濡れていて。かすかに生温かくって。
父さんや母さん、姉さんの体温をあやしたまま、ボクのぬくもりまで抜き出そうとしている。

ああ・・・
食べちゃ、ダメ・・・
ボクは目を瞑り、いやいやをしながら。
けれども血液をむしり取られる心地よさに、じーんと痺れちゃっていた。
姉さんから借りた、緑色のハイソックスは。
ボクのひざ小僧までかかるほど丈が長かった。
マサヤくんは、ボクの脚から姉さんのハイソックスを噛み剥いでしまうと。
ね?ユウ兄さん、彼女いるんだよね?まだ、ショジョだよね?
こんど・・・ボクのパパのために、連れてきてよ。
ていのいいおねだりに、半ば陶然となりながら。
ウン、必ずそうするよ。
若くて活きのいい血は、喜んでもらえるだろうからね・・・って。
なぜかゾクゾク昂ぶりながら。
週末彼女を誘い出して、マサヤくんのお父さんに処女の生き血を吸わせる約束まで、しちゃっている。


あとがき
小さな子どもの吸血鬼が大人の血を吸って。
老獪なその父親が、子どもたちの血を吸って。
息子の彼女まで誘惑する・・・大好きなぷろっとです。^^
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コメント

吸血鬼側が1人だと家を乗っ取ったってイメージがわくけど
吸血鬼も親子だとただの家族ぐるみの付き合いに思える!
なにより
ショタ吸血鬼がいい!
by ナッシュ・ド・レー
URL
2017-06-17 土 01:52:46
編集
ナッシュ・ド・レーさん
そうそう!
描きたかったのは、家族ぐるみのおつきあいなんです。
生命を奪うような狩りだと、共存はできませんが。
死なせない⇔吸わせてあげるという関係だと、共存もありだと思うのです。

家族を狩られる行為も、狩っている側からしたらご馳走にありつく行為。
でもお互いに限度を心得ているから、それも許し合うことができるのです。

半ズボンにハイソックスの少年吸血鬼。
当然血を持っていた時代もあったはず。
その若い血を、だれかがたっぷりと吸い取って、彼らを家族ぐるみの吸血鬼にしてしまった過去のことも、
彼ら親子を受け容れている人たちは、もしかしたら察しているのかもしれません。

このテーマは、結構深く読み込むことができそうなので、時々描いているんです。

以前のお話を発掘してくれて、ありがとうございます☆
by 柏木
URL
2017-06-20 火 07:36:02
編集

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