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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ずるいです。

2008年07月13日(Sun) 12:36:52

ずるいです。
女の鋭い声に、足許に這わせようとした唇が動きをとめた。
ここは美容院。
巻かれた白布の下から覗いたワンピースは。
ひざ小僧から下を、てかてか光る肌色のストッキングの脚をさらけ出していて。
店内に入り込んできたその男は、なまめかしい足許にふと目を留めて・・・気がついたときにはかがみ込んで、にじり寄っていた。
もういちど、おそるおそる。
唇を、近寄せてみる。
ずるいです。
足許に迫る呼気で気配を感じたものか。
声がふたたび、男の胸を鞭打った。

わたし、動けないんです。
動けないひとから、うむを言わさずものを獲るのは、ひどいと思います。
頭上から振り下ろされる、まっすぐな声に。
男は仕方なさそうに、近寄せた唇を、遠ざけた。
肌色のストッキングを、ほんの少し濡らしただけで。
お話はあとでかならず、承りますから。
女の声は、あくまで凛と響いている。

急ぎます。すぐに帰りますから。
セットしたての髪を確かめるのも、そこそこに。
女はあわただしく、席を立つ。
自分の血を目当てにしているらしい吸血鬼は、おとなしく奥の部屋に控えているらしい。
身動きできない状態の女の脚を、唇でなぞるのをあきらめて。
ばか律儀にも、待ち続けているという。
血を吸われるだなんて。
そんなこと・・・大人しく受け入れるすじあいなんか、ありませんから。
つっかけたパンプスの足許ももどかしく、女が店を出ようとすると。
ほかのだれにも見えない影が、店の玄関と女とのあいだにたちはだかった。
とうてい逃げられないな・・・
女は男をちょっと睨んで、でもそれ以上見苦しく、抵抗はしなかった。

ああ・・・いけませんわね。
こんどはわたくしのほうが、ずるかったかしら?
謝罪します。
そのしるしに・・・さぁ、好きにして頂戴。
女はもとどおり、椅子に腰かけて。
格好の良い脚線を、飢えた唇のまえ。大胆ににさらしてゆく。
ためらいながら這わされた唇は。
てかてか光る肌色のナイロンの表面を、唾液でねっとりと濡らしてしまうと。
もう、とめどもないような息遣いで、かぶりついていった。
脚の周りをゆるく束縛しているナイロンが、じょじょにほぐれてゆく感触に。
女はちょっとだけ、眉をしかめつづけていた。

若い美容師がさりげなく手渡してくれたストッキングの履き換えを、断って。
いいわ。このまま帰るわ。
だんなに見せつけてやるの。
美容院の出迎えに、こんな男を差し向けるなんて。
ついでにあなた・・・帰り道のボディーガードについてきて頂戴。
あなたの女が通りがかりのやつに笑われるの、ほっておいたりはしないでしょう?
ぶじに家に着いて、だんながいなかったら。
あたしを自由にしてもいいわよ。
あなた一流の、やり口で。
知らん顔だなんて、赦さない。
ぜったい手ひどく、見せつけてやるんだから。


あとがき
お~、怖っ!^^;
だんなさんが差し向けた吸血鬼も。
奥さんの気の強さには、たじたじだったかも。
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ママのお仕置き
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れびゅう:「狙われた女学生 ママも義姉さんも、私を狙ってる!」

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