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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

東京レンタル妻 6 ジーンズを脱ぎ捨てて

2008年07月18日(Fri) 06:53:30

おまえの奥さん、脚きれいだろ。
悪友に小突かれたわき腹が、妙にくすぐったかった。
こいつが妻の脚を、見たことがあるわけがない。
だって妻はいつも、カジュアルなジーンズ姿。
けれどもヤツは逢うたびに。
妻の脚はきれいだと言い張るのだ。
実際、目にしたことはないらしい。
気になって問い詰めたら、かえって得意そうに言われたものだ。
ジーンズだろうがスラックスだろうが。
おれは透視できるのさ・・・と。
たしかに。
ケンヤの奥さんも。ノリオのところの娘も。
いつもパンツスタイルなのでわからなかったけれども。
じっさい、脚はきれいだった。
どうして知っているのかって?
悪友はオレに、おこぼれをよこしてくれたのだから。

なんにもお返し、できないぜ?
いいんだいいんだ。貸し借りだけじゃないだろう?
ケンヤの新妻を裸に剥いたときも。
ノリオの娘をつかまえてきて、珍しく穿いてきたスカートをめくりあげてやったときも。
ヤツはおうように構えていた。
それにしても・・・奥さんの脚はぜったい、きれいだろうな。
女どもがいなくなってから、そう囁くのを、決して忘れなかった。

子どもが大きくなってから、すっかり女っ気をなくしてしまった妻。
顔はいつもすっぴんで、長いだけの髪の毛は、くしけずってさえいないかのように、ちりちりで。
いつもぶつぶつ小言を言いながら、そのくせ家事だけはてきぱきとこなしている。
女なんだってこと、忘れちまったんじゃないかな・・・
淋しそうにオレがぼやくと(そもそもこういう道に深入りしてしまったのは、妻がつれないせいなのだ)、
やつはおうように、相槌を打って。
奥さんが若いころみたいに、ばりっとしたスーツ着込んで、てかてか光るストッキング穿いて。
そういうの、もういちど見てみたいだろう?
毒液のような囁きを、オレの耳の奥にしみ込ませてきたのは。
ちょうどオレの単身赴任が決まる頃だった。

見たい。見たい!ぜったい、見たい!
オレはばかみたいに、言い募って。
思わず口を、すべらせちまった。
いや、きっと。無意識のうち、わざとそうしたんだろう。
あいつをもういちど、ストッキングを穿くおしゃれな女に変えてくれ。
変えてくれたらご褒美に、夜あいつをお前の家に行かせてやるから。
恐ろしい取引は、瞬時にまとまっていた。

ただいまぁ。
お帰りなさーい!
今夜もオレの帰宅を迎える妻の声は、若々しく響いた。
肩先を流れる長い黒髪はツヤツヤと輝いていて、ゆったりと優雅にウェーブしている。
母さんこのごろ、若返ったよね?
けげんそうな息子が首かしげるのを完全に無視して。
はいお土産・・・と、妻好みの名物を手渡したりなんかしている。
あらー!素敵♪
スリッパを穿いた妻の脚は、なまめかしい黒のストッキングに薄っすらと染まっていて。
これだけは以前と変わらないボーイッシュな身のこなしに、
スカートのすそを荒っぽく、ひざの周りにゆらゆらさせている。
―――あの子が二階に引き取ったら・・・愉しみましょ♪
いけない囁きを洩らしながら浮かべる笑み顔は、あのころのようにイタズラっぽい。
今夜の激しい営みの果て、戯れに破らせてくれる黒のストッキングは。
どんなになまめかしく、あの白い下肢を縁取るのだろう?

けれどももちろん。
オレは約束を、護っていた。
むしろ嬉々として、加担していた。
妻がオレのために穿いてくれたのとおなじ、黒のストッキングを。
オレの留守中、妻はヤツのために脚に通していて。
息子が寝たあと、近所に住むヤツの住処に、ひっそりと出かけて行って。
明け方近くには、ちがう色のストッキングを穿いているという。
それをオレに教えてくれたべつの悪友も。
単身赴任のときには、美人で評判の奥さんを、やつのためにわざわざ東京に残していったという。
きれいに堕としたら、抱かせてやる。
たしかにそういう順序のはずだったのに。
やつは最初っから、おいしい獲物にありついたらしい。
堕とせなかったらお前に悪いよな・・・って、ちょっと焦ったんだぜ。
なにしろ堅い奥さんだったからな。
やつがこっそり洩らしてきたのは、いまの関係になってからだいぶ経ってからのことだった。

今夜の週末、どうするう?
いつもヤツから来るメールに。
破っちゃって。
たったひと言、返信する夜。
妻はいまごろ、ひっそりと。
口許に笑み滲ませながら、黒のストッキングに脚を通しているはずだ。
オレはあらぬ妄想に惑いながら。
独り寝の床の上、ひそかに熱く、昂ぶっている。


あとがき
仲の良い悪友に、妻を堕とさせる―――。
面白すぎる賭け・・・ですよね?^^;
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