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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

性格がうつる?

2008年07月23日(Wed) 05:51:52

ただいまー。
女房が家に戻ってきたのは、朝の5時。
よく眠れたー?
う~ん、不眠症・・・
あらー。困ったわねー。私が家にいたらうるさいと思ったのにー。
しばし夫婦のあいだでは、声だけのやり取りがつづく。
そのあいだ女房は、化粧を直したり服を取り替えたり。
夜通し起きていたくせに、ちゃんと勤めには出るつもりらしい。

亭主として、さすがにひと言、言っておかなければならないことがある。
朝帰りのことじゃない。
朝帰りのほうは。。。深く咎めないことにしている。
わたしはツカツカと、女房の声のするリビングに出向いていって、
わざとぶっきらぼうな声を、ドア越しに投げた。
女房の眼を見ないようにして。

きのうの夕方。
公園の駐車場で、カーセックスしてたろ?
目だつよ、あれ。

奇声がもどってきた。

あーっ!

女房のやつ、のけぞるようにして頭を抱えて、
どうして見られちゃったのよ!?って言わんばかりに、梳いたばかりの髪をくしゃくしゃにしてしまう。
しかし、テキもさるもの、あっけらかんと。
だってー。このひととの仲は、みんな知ってるんだもん。
突拍子もない返しが、とんできた。
このひと?このひと・・・って・・・
リビングに入ると女房の浮気相手が、どっかりとソファに腰を下ろして鎮座ましましていた。

夕べは、どうも・・・
さすがに先方も、決まり悪げ、言葉少なげだ。
むしろ女房よりも、まともな話が通じるのかもしれない。
ほどほどにしてくださいよー。
はぁ、すみません・・・
いえ、こいつの血ばっかり飲んでいたら、きっと性格悪くなりますからね。
いや、それは・・・
男はちょっと、口ごもると。
だいじょうぶだと思います。
あなたやあなたのお母上からいただいた血で、中和してありますから。
あー。
そうだった。
一年前の、きょうだった。
母がこいつのため、父に断って黒のストッキングを穿いたのは。
お気の毒なかたに、献血をしてまいります・・・
そういって出かけていっったのを、ついきのうのことのように、覚えている。
女房の血だけでは飽き足らなくなった彼が、母に目をつけたのだ。
法事のときに穿いていた薄い黒のストッキングに、目がくらんだらしかった。
結婚して初めて朝帰りしたという母の足許は。
いまの女房とおなじように、ストッキングをちりちりに剥かれていて。
遅かったね。父はひと言、そう囁いて。
いまでも時おり真夜中に出かけてゆく母を、そっと送り出しているらしかった。

首のつけ根のあたりが、じんじんしてくる。
久しく吸われていない傷口が、痒い。
こいつに血を吸われたのは、いちどだけ。
それも、女房を紹介させる目的で。
けれどもあのとき埋め込まれた毒は、わたしを奇妙な愉悦にとり憑かせてしまっている。
こういう儀式を受け入れることをさいごまで肯んじないで、しらふのまま母を送り出した父は、つくづく偉いと思う。

ああ、それからね。
こいつの血を吸いすぎると、淫乱になりますからね。
腹立たしげに、わたしが言うと。
男は初めて兇暴な色をまなこに浮かべて。
すでに・・・なっている。
派手なワンピースから通勤用のスーツに着替えたばかりの妻を、
力ずくで抱きすくめていた。

高々とお姫様抱っこされた女房は、
ちょっとのあいだ、脚をはでにばたつかせていたが。
悪あがきをしてもしょうがないと、さとったらしい。
すぐにやつの胸の中で大人しくなって。
そのまま、夫婦のベッドに放り込まれてゆく。
あーあ。
わたしは大仰にため息をつくと、寝室のドアを閉めあとの展開をドアの彼方へと追いやった。
朝帰りの女房は、やはり欠勤するつもりらしい。


あとがき
こういうのほほんとしたご主人ばかりだと、世の中平和なのかも。^^
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わたしのしもべになるのなら、ストッキングの脚を吸わせてあげる。

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