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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

少女とその母

2006年01月10日(Tue) 13:52:15

痛いほどきつく抱きすくめられた腕の中、
少女は夢見心地になりながらも、懸命にいやいやをくり返していた。
あいては自分より、ずっと年上の女のひと。
しゃがみこんだ深いスリットから、セクシーに装うガーターストッキングの脚をのぞかせながら。
優雅にきらめくネックレスをしゃらしゃらとかすかにふるわせながら。
女は思い入れたっぷりな目線を、少女の肌に這わせている。
きらきらとした瞳。長いまつ毛。魅惑的にゆるめられた紅い唇。
そのひとはとても優しそうな顔をしていたけれど、
いまは本性もあらわに少女に迫り、その身をめぐる生き血を啖らい尽くそうとしている。

―――あなたの若さが妬ましいの。とても妬ましいの。
女はそうくり返しながら。
少女のうなじに唇をつけ、吸い、また吸った。
柔らかな素肌に、ほんのりと滲んだ咬み痕がふたつ。
あやされた血潮はほんの少しであったけれど、そこからどれほどの血を吸い取られたのか、
少女の悪い顔色がよく証明していた。
―――お気の毒ね。でもダメよ。赦せないわ・・・
女はそうくり返しながら。
少女の脚を辱めるように、吸い、また吸った。
たあいなくチリチリに破れてゆく、黒のストッキング。
女に逢うまでは、初々しいふくらはぎをとても濃やかに大人びた彩りで染めあげていた。
―――ごめんなさい。ごめんなさい。
少女はもうなにに対して謝っているのかもわからなくなりながら、
ひたすら、うわ言のように、女の慈悲を願っている。
けれども女の唇は、少女の肌を撫でるようにして。
じんじん疼く傷口をくり返し、吸い、また吸った。
あぁ、もうダメ・・・
突き上げてくる妖しい快感に酔い痴れてゆく自分をどうすることもできなくなりながら、
少女はなおも己の生を希った。

―――アラ、その子の血がそれほど、お気に召して?
女が振り返ると、そこにいたのは少女の母だった。
ふたりの女は親しげに笑みを交し合う。
―――まぁ、すっかりご馳走になっちゃって。
―――よろしいのよ、たんと召し上がっていってくださいね。
お互い、まるで共犯者のように。
ニッとゆるめる、美しい口許。
―――よかったわね、あなた。こんなきれいなおばさまに愛でていただけるなんて・・・
―――あなたもおばさまにうんと、可愛がっていただくといいわ。
少女の母はワンピースのすそを引きあげて、肌色のストッキングに彩った脚をさらけ出す。
少女が息を呑んで見守るなか。
女はまるで接吻を寄せる恋人のように、母の足許に唇を吸いつけていった。
くちゅくちゅといやらしい音をあげながら、
女はストッキングを履いた母親の脚をためらいもなくいたぶり続けた。
―――ブランドものね?いい舌触りよ。
女がいうと、
―――よくお分かりね。あなたのためにちょっと気張ってみたの。
自慢げに、母親が頷く。
あてがわれた唇の下、ぱりりっ・・・とかすかな音をたてて、ナイロンの皮膜に裂け目が走る。
母親の足許に卑猥にすりつく唇ににわかに力がこもると、
ぶちっ。ぶちぶちっ・・・
素肌にぴっちりと密着していたナイロンは、ふくらはぎの周りからだらしなく浮き上がり、
少女の脚もとでそうされたように、他愛なく剥がれ落ちてゆく。
それを面白そうに見守る母親の目線が、ひどく悩ましく揺れていた。
じゅうたんの上。ヘラヘラと笑いこけながら戯れる母親を組み敷いて、女はちらちらと少女に目線を這わせる。
―――きょうのところは勘弁してあげる。また、あなたを殺めそこなったわね。
暗黙の裡にそう告げてくる瞳。
狂った理性に悩ましく揺れる少女の瞳は、べつのこたえを返しはじめていた。
―――あたしの若さが妬ましいとおっしゃるのなら、あたしの若さをあなたにあげる。
うら若い血をぞんぶんに味わわれる愉しみが、いつか少女の肌に滲みこむようにいきわたってゆく。

おなじじゅうたんの上、少女もいつか、ふたたびわが身をまろばせていた。
にこやかに見守る母親の前。
ヘビのように絡みついてきた女の腕に巻かれていって、ウットリと夢みるように笑んでいる。
すすんでゆだねた首すじに、チクチクと心地よく踊る飢えた切っ先。
ブラウスを濡らし、髪をしどけなく乱しながら。
―――どうぞ、あたしの若さを愉しんで。気の済むまで味わって。
誇らかにそう胸をそらせながら、若い女の血をせがむどん欲な女のために惜しげもなく素肌をさらけ出してゆく。
大人の女のみが漂わせる香気が、むせ返るように迫ってきた。
目のまえにあるのは、熟した女のなまめかしい皮膚。
とろりとした乳色の肌に透けている静脈に、あたしの若い血がめぐってゆく・・・
ああ、うれしいわ、おばさま。わたくしの若さがおばさまの一部になってゆく。
わたくしの血を気に入ってくださるのね?
それがおばさまの綺麗なお肌をうるおして、若さを沁みとおらせてゆくというのね?
ゾクゾクとする昂ぶりに胸を震わせて、少女はいつか夢中になって、女のために生娘の血を捧げつづけていった。

あとがき
少しだけ、同性愛ぽい香りを含ませてみましたが。
まだまだ修行が足りませんね・・・^^;
少女の若さが妬ましい・・・と訴える女吸血鬼。
自分と同年輩の母親とは打ち解けた間柄のように見えますが。
少女を殺めようとするまでの妬心は、はたしてどこまで本気なのでしょうか・・・

いつもは直接キーを叩いてあっぷしているのですが、きょうは珍しく下書きをしてからあっぷしました。
こんな短時間でなん作も書き上げるほど、柏木も速くありません。(笑)
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