ホホホ・・・ホホ・・・
女ふたりは、互いの夫を取り替えあって。
情夫の腕のなか、くすぐったそうな笑み声をくぐもらせている。
わたしの腕には、彼の妻。
彼の腕には、わたしの妻。
いつから、こんな関係に堕ちたのだろう?
かつてその男は、勤め先の同僚だった。
彼の家の息子が、ことの発端だった。
いつの間にか、我が家に通ってきて。
妻の、娘の、息子の婚約者の首筋に。
順ぐりに、唇を吸いつけて。
理性もろとも、血を抜き取っていくのだった。
わたしの知らないうちに。
いや、じつは知ってしまったあとに。
さえぎるもののいなくなった我が家は、吸血鬼の草刈り場。
血の奴隷に堕ちた女たちは。
その身をめぐる血潮で、今宵も情夫たちを慰めていく。
娘の部屋には、ふたり。
息子の部屋には、四人。
血に飢えたものたちが、影を重ね合っていって。
ひっそりとした音を洩らしながら、啜りつづけている。
廊下まで洩れてくる物音に、わたしは苦笑しながら。
べつの訪問客たちを、導きいれて。
夫婦の寝室を、開け放っていた。
相手の奥さんのほうが、若かった。
三歳若いという、彼の奥さんは。
とうの昔に、狂わされていて。
夫の前、挑発するように素肌をさらして。
わたしの唇に、含ませていった。
経験の少ないわたしの妻は、さすがにちょっとためらって。
ためらいつつも、素肌を剥かれて。
男の唇に、吸われていった。
さあ・・・ほかのものたちにも。
背後に寄り添う黒影に、促されて。
わたしはその場をべつのものに譲って。
妻の情夫も、自分の場をべつの影と入れ替わっている。
輪姦されるように。
重ね合わされる、いくつもの唇―――。
今夜も、長い夜になりそうだ・・・。