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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ご用はこれから? もうすんだ? 2

2008年11月03日(Mon) 09:12:25

ご用はこれから?もうすんだ?
道ばたにしゃがみこんで、地面を枯れ枝で突っつきながら。
ぼくは上目遣いに小首をかしげて、訊いている。
通りかかったふたり連れのお姉ぇさんは。
おそろいの制服姿。
白っぽい夏服を、軽やかにそよがせて。
絵に描いたような、さわやか少女。

もうっ。いけすかない。
気の強いほうのお姉ぇさんは、スカートを抑えながら、飛び退いて。
お澄まし顔のお姉ぇさんも、いっしょになって後ずさりする。
ひざ下ぴっちりの真っ白なハイソックスに包まれた二対の脚が。
それはうっとりするほどのステップを踏んでいた。
「ご用はこれから!」
気の強いほうのお姉ぇさんが、まるで鬼ごっこの「まぁだだよ」みたいに叫ぶと。
「ふたりとも、学校でお勉強をしてきます!」
お澄まし顔のお姉ぇさんは、ちょっぴりおどけて敬礼をする。
うん・・・またね。
ハイソックスのよく似合う、すらりとした脚たちを、残り惜しげに見つめると。
じゃね。
お姉ぇさんふたりは、軽くバイバイをして。
ふたり連れだって、背中を向けた。

背後に迫って襲いかかれば、なんなく引きずり倒すことも、できたのに。
真新しいハイソックスを、泥だらけにしちゃうことだって、できたのに。
ボクはおとなしく、遠ざかっていく後ろ姿が見えなくなるまで、視線を送りつづけていた。

夕がた。
連れだって歩く、ハイソックスの脚たちが。
ふたたびボクのまえに現れるころ。
もう・・・陽は、沈みかけていた。
約束どおり、帰り道を変えないで。
ここに着くまえ、曲がり角の向こう側。
お姉ぇさんたちが、顔見合わせて。
たるみかけたハイソックスをきっちり引き伸ばしたのを、ボクは知っている。

埃を立てるのは、やめにしてね。
お澄まし顔のお姉ぇさんは、ちょっぴり顔をしかめて。
白だと汚れが目だつのよって、ボクをたしなめにかかっていた。
でも、ごめ~ん。あたしのやつ、泥が撥ねちゃった。
気の強いほうのお姉ぇさんは、わざと片足立ちになって、
脛のあたりに撥ねた点々を、見せびらかしてくる。
じゃあ・・・もっと汚してもいいよね?
ボクがにんまりとすると、さっきまでのハキハキとした態度はどこへやら。
おろおろとして、あたりを見回して。
ここじゃ、目だつよ・・・って、囁いてくる。
わざわざ新しいのに、履き替えてきてあげたのよ。
お澄ましお姉ぇさんは、ひどくお姉さんぶっていて。
手にした鞄を、後ろ手に回して。
お行儀よくそろえた黒の革靴の脚を、きちんとそろえて見せてくれた。
わざと陽のあたりところを選んだ立ち姿に、ボクはうっとりと視線を這わす。
しょうがないなぁ・・・
どちらから、言い出すともなく、顔見合わせあって。
おずおずと、鞄を置きにかかった。
電信柱のかげ、ふたつ並べられた黒革の鞄には。
難しいお勉強の本がいっぱい詰まっているはず。

さぁてと、どっちが先かな?
ボクはまず、気の強いお姉ぇさんの後ろに回り込んで。
身動きできないように、両肩をがっちり、つかまえて。
かりり・・・
ショートカットの黒髪の下、うなじをゆっくりと、侵していった。
ちゅーっ。
つけた傷口からこぼれてきた血は、活発な気性を映すように、ひどく活き活きとしていた。
ダメなんだからね。
こないだスカートに、泥つけさせてあげたのは。
衣替えで、クリーニングに出すときだったんだからね。
お姉ぇさんは、脚踏ん張って。
とうとう、地面にひざを突けなかった。

さあ、つぎはお姉ぇさんの番だよ。
お澄ましお姉ぇさんは、わかりましたと言わんばかりに。
おとなしくじっと佇んだまま、ボクが後ろにまわるのを待っていた。
ちゅーっ。
吸い取った血は、しっとりと舌になじんできて。
妖しい彩りさえ、たたえていた。
ちょ・・・ちょっと!
のしかけた体重に思わずよろけたお姉ぇさんは、思わず尻もちを突いちゃって。
まんまと夏服のスカートに、泥をつけてしまっていた。

やだー・・・噛んじゃうの~?
ふたりはおどけながら、わざと小走りに逃げようとして、
つぎつぎに、脚をつかまれて。
真っ白なハイソックスのふくらはぎを、ボクのべろの餌食にされてゆく。
運動部のお姉ぇさんの筋肉質の脚からは、活発な血が。
文学少女のお姉ぇさんのゆったり流れるふくらはぎからは、淑やかな血が。
代わりばんこに、ボクの喉の奥、満ちてくる。
筋張っているだなんて、失礼だわっ。
白は汚れが、目だつんだけど・・・
口尖らせたり、眉を寄せたり。
鬼ごっこをするには、大人過ぎる齢のお姉ぇさんたちは。
狭い路地での鬼ごっこに、暗くなるまではしゃぎつづけている。
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