妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

連れ込み宿 〜法事の帰り〜

2009年01月05日(Mon) 06:11:15

―――わたしがいなくなったら。母さんを鬼藤さんに逢わせてやってくれないか?
―――きみは母さんを連れていくだけで、かまわないから。
―――大人の男女なのだから。あとのことは二人で相談して、決めるだろうから。


1.

父の法事の帰りだった。
母は美津子、五十七歳。妻は美佐江、三十三歳。私、ノボルは三十五歳。
漆黒のスーツは、よく見るとなかなか凝ったデザインで。
けれどもやっぱり、そこはこういう場の礼装らしく、色香というものをまったく遮断していて。
どこまでも禁欲的な雰囲気だった。
申し合わせたように脚に通している、黒のストッキングは。
肌の透ける薄さに、脛の白さをどきどきするほど浮き上がらせていて。
スカートのすそから下だけが。妙にアンバランスになまめかしい。
なぁによ。さっきから。
人通りのすくなくなった路のようすに目を配りながら。
妻の美佐江が、口を尖らせる。
―――さっきから人の足許ばかり、じろじろ見ちゃって。
―――黒のストッキングがそんなに珍しいの?
やらしいわよねぇ。ノボルさんったら。ねぇお義母さま。
そんな内容のあいさつをいきなり振られて、母は困ったように微笑をかえすだけ。
―――いいわね。あなた達は。相手がいるのだから。
無言でそう言っているようにみえたのが、ちょっと意外だった。
じゃあボクはここで。これから仕事が入っているんだ。夜勤になるから、夕食もいらないからね。
―――祭日なのに。オ・シ・ゴ・トなんですって。
妻はあかんべえをするような、わざと小意地のわるい態度をとって。
子供みたいに、ちょっとはしゃいだ。
それでも「祝日」といわないで、最近あまり言わなくなった「祭日」と言い換えるあたりは、さすがに彼女も大人なのだ。
別れぎわ、ついもごもごと、口にしてみる。
「いや、それって、ガーターストッキングなのかな?ってさ」
―――もー、やっぱりやらしいんだからっ。
妻はとうとうこらえ切れなくなって、言葉をあけっぴろげにはじけさせた。
お義父さまに、失礼よ。とか。こういうときに、不謹慎じゃない。とか。
さすがにそこまで、いなくなった人を思い起こさせるニュアンスは控えていたが。
ボクの背中を打つ手のひらが、甘えるようにしなだれかかる。
―――こんなとき、ガーターなんて履くわけ、ないじゃない。エッチなビデオの見過ぎでしょっ。
新婚そうそう、学生時代から観ていたビデオのコレクションを見つかって。
「喪服妻 悩乱」とか、「喪服妻 淫乱調教」とか、「あなた、ごめんなさい・・・喪服奴隷に堕ちた未亡人」とか。
そのテのやつを観た経験は、男ならだれでもいちどはあるだろうけれど。
傍らに寄り添うようにしていっしょに観てくれた妻は、たったひと言。
―――ナンセンスねぇ〜。
優雅な肢体をだらりとソファに投げるようにして、のんきなため息を、洩らしたのだった。

じゃあ、本当に仕事行くから。
道が枝分かれしたのは、人のすくない四つ角だった。
お互いが視線を自分の行く手に戻した後。
もういちどだけ、振り返って。
黒のストッキングの脚をそろって並べる妻と母の後ろ姿を、そっと見る。
べつべつの家から出かけてきたふたりの足許を包むナイロンの装いは。
とうぜんのように、べつのブランドらしく。
妻の履いているのは、かっちりとした鮮やかな発色に、かすかな光沢を滲ませていて。
なぜか年配の母の方が、この寒風のなか、肌の地色がひきたつ薄いストッキングを身に着けていた。


2.

久しぶりに、喪服なんだな。
男はそういいながら、まず美津子のほうににじり寄り、後ろ手に縛った両手首を、ソファの下敷きにするようにして。
わざと舌を這わせて、下品に首筋をなぶっていった。
やはり後ろ手に縛られていた美佐江のほうは、男が迫ってきたとき挑戦的におとがいを上向けて。
額を覆うヴェールを、かき寄せられていった。
まるで花嫁が誓いのキスを交わすときのようにして。
首筋から頬、そして額の生え際・・・と、男は舐めるように、美佐江のおもざしを侵してゆく。
化粧が落ちるわ。
殺風景な言葉が、かえって男をそそったらしい。
バランスを失った男女の身体が、義母と向かい合わせのソファになだれ込んだ。

お部屋のほうが、整いました。

無表情に干からびた声が、部屋の外から投げいれられる。
それがなければ、このあとどういうことになっていたのか、三人のだれにも想像がつかない。
あわてて身づくろいをすると。
女たちは後ろ手に縛られた両手を、入ってきた老女の目に触れないようにと、
さりげなく隠すようにして、移動をはじめた。
ほっそりとした痩せぎすの老女は、なん十歳も年下の男女のそんな様子など目に入らぬように。

ご案内いたします。

ただひと言、ぶあいそ過ぎもせず、相手をどぎまぎさせるような思い入れも込めないで。
スッと三人の前に立って、用意された部屋のほうへと、しずしずと歩みを進めていった。

通されたのは、十畳もあるような大きな部屋。
金襴の褥―――そういいたくなるような、ご立派な布団がふた組み。
俗に3Pと呼ばれる客も、しばしばここを使うらしくて。
男一人、女二人の組み合わせが、宿の敷居をまたいだときも。
老女はさして、驚くふうも浮かべずに。

お布団はふた組、ご用意いたしましょうね?

あいまいに頷く男に、そのときだけはニッと笑いかけている。

では、おくつろぎくださいませ。

老女が古風に、手をついて。
顔が見えなくなるほど深々と、一礼すると。
ぱたり。
耳障りでもないかわり、たしかに閉ざした―――と伝えるほどに。
かすかな響きを、ふすまとふすまの間に残していった。

さぁて・・・と。
どちらから先に、料理しようかな。
年配のほうの女は、美津子。五十七歳。
若めのほうの女は、美佐江。三十三歳。
嫁と姑の間柄になるふたりのあいだ、一瞬だけ冷やかな、無言の駆け引きが交わされる。
―――どちらなりとも・・・
代表するように、姑のほうが。心持ち目を伏せながら、ちいさな声で無表情に呟いた。
じゃあ、きょうは齢の順でいこうか。
嫁が犯されているあいだ、姑は伏し目がちに視線をそらして、部屋の隅を凝視し続けていた。
やがて、自分の番がまわってくると。
美佐江さん、むこう向いててね。
嫁に目で合図を送ると、はじめて羞ずかしそうに、頬をバラ色に染めている。
ほどかれたボウタイをゆっくりと結わえてゆく嫁の傍らで。
荒々しく押し倒された胸もとに、ブラウスのフリルが隠微に揺れた。

昂りの余韻が、さめやらない。
美佐江は虚脱したような無表情のまま、長い黒髪をゆっくりと、手で梳いている。
男の手によってほどかれたボウタイが、あらわになった胸のはざ間をはさんで左右に分かれたまま。ふしだらに、畳の上まで垂れている。
淡い花びらのように、ふんわりと結ばれて、胸元を凛々しく引き締めて、
漆黒のブラウスのうえ、長々と垂れて淑やかな風情を漂わせていたときの面影は、
装いにも、装いの持ち主にも、残されていない。
なん回抱いたら、気が済むのだろう?
義母とふたり。
かわるがわる、喪服のすき間から這わされた指は。
すっかり敏感になってしまった柔肌を、酷いほど揉みしだいては。
下から探りいれられる怒張した一物が、さっきもまた、どろどろと濁った粘液を、身体の奥へと吐き散らしていった。
夫よりもはるかに年上のこの男は、結婚してから夫が注ぎ込んだ以上の精液を、彼女の体内に注入してしまっている。

傍らでは姑の美津子が、まだ男にのしかかられていて。
あくまでしつような要求に、細い腰を激しい上下動にゆだねきっている。
腰までたくしあげられた黒のスカートごし。
太ももを横切るガーターが、淫靡なねじれをみせていた。


3.

嫁の美佐江と別れると。
美津子ははじめて、ちいさなため息を漏らしていた。
軽い疲労を帯びた、悩ましい重さを秘めたため息を。

どれくらいに、なるだろうか。
こんなふうな関係になってから。
鬼藤さんに、ご挨拶にいかなきゃ。
夫の死後なにかとめんどうをみてくれた人の名を、息子が口にしたとき。
美津子はなんの疑念もなく、黒一色のジャケットに腕を通したのだった。
喪服じゃ、無粋かしら。
いや・・・いいんじゃない?
息子が一瞬よぎらせた、含み笑い。
それが、足許に帯びた黒のストッキングのなまめかしい薄さに投げられたものとは、露知らなかった。
あのとき・・・もっときちんと、問い質すべきだったのだろうか?

ひとしきり。型どおりの挨拶がすむと。
息子はそそくさと、立ちあがって。
ごめん。母さん。ボクこれから仕事が入っているんだ・・・
母さんはもう少し、鬼藤さんのお相手してて。
広いお邸には、女中さんがなん人もいるようだったし。
奥さんの姿こそ、みえなかったものの。
べつだん二人きりになるわけでも、なさそうだったから。
どうです。庭でも御覧になりながら。
じぶんや夫よりも年配の鬼藤に、にこやかにすすめられるまま。
では―――。
息子に促されるまま、別れ別れになったのだった。
息子が出ていったらしく、門を施錠される音が遠くですると。
鬼藤の形相が、一変していた。
その日美津子は、夫いがいの男の体をはじめて識った。
息子の持っていたビデオの話。
よく、美佐江さんが話していたっけ。
「喪服妻 悩乱」「喪服妻 淫乱調教」「あなた、ごめんなさい・・・喪服奴隷に堕ちた未亡人」
―――どれもが、いまのわたしそのものだった。

喪服を装う日常は、その後もかわらなかったけれど。
つぎの日から、毎日装う喪服のスカートの下に装う黒のストッキングは。
夫を弔うためではなく、情人を愉しませるためにまとわれるようになっていた。


4.

鬼藤さんのところ、行かないの?
息子はきょうも、声をかけてくる。
いつもお世話になっているんだから。ないがしろにしたら、いけないでしょう?
一点の曇りもない息子の笑みに。
美津子はきょうも、装っていた。

一周忌がすんだとき。
美津子ははじめて、喪服を脱いで。
金ボタンのついた、オフホワイトのジャケットに。
おなじ色の、ひざ上丈のタイトスカート。
髪はきりりとアップに結って。
いつも餌食にされてしまう首筋を、見せびらかすようにいさぎよく、じかに外気にさらしている。
タイトスカートの下に装う、ナイロンストッキングは。
シリコンストッパーのついた、太もも丈で。
かすかなひきつれひとつない、真新しいナイロン生地が。
てかてかとつややかな光沢で、引き締まったふくらはぎの肉づきを、薄っすらとなまめかしく、包んでいた。

うん。似合うよ。母さん、素敵だ。
息子は邪気のない笑みをはじけさせて、まるで淑女をエスコートするみたいに、手を取ってくれている。


5.

鬼藤さん、まえから母さんのこと、好きだったんだってね。
だからずっと、事業に成功してからも。独身のままだったんだってね。
父さんもちゃんと、そのことをわかっていたんだね。

久しぶりに見る、懐かしい筆跡は。おどろおどろしい文章をつづっていたが。
いまの美津子には、赦免状のように救いに満ちたものだった。

わたしがいなくなったあとは、鬼藤――氏の所有になるように。
鬼藤兄はわたしが生涯もっとも信頼し尊敬する人物だから、貴女をゆだねてしまうことに屈辱を覚えない。
手紙をノボルに託するのは、ひとつには息子の協力あってこそ愉しめる、人目を忍ぶ恋路になるからということと、
さいしょの一回は、凌辱するように愉しみたい・・・そんな鬼藤兄の希望をかなえてやりたいからなのだ。

―――お写真のまえに、線香を絶やさないようにするわ。
―――いちど、ぜひうちにお招きして。
―――お父さんのまえで・・・していただくお約束、しているんだもの。
そうそう。ぜひ、そうしてあげて。そのほうが、父さん喜ぶから。
息子の邪気のない顔に、救い以外のものが込められていることに。
美津子はどこまで、気づいていただろう?


6.

美佐江さん?
こんど、体あかないかしら。
いつもわたくしがお世話になっている鬼藤さんのことなんだけど・・・
あなたに、ご執心・・・なのよ。
そんなわたしの言い草に。
嫁は意外なくらいあっさりと、頷いていた。

さいしょは、喪服がいいわ。
わたしもお揃いで、喪服着ていくから。
喪服フェチなんですか?鬼藤さんって方。
さあ・・・
わたしはあいまいに応えると、息子の家の玄関を押し開けていた。
嫁を、不道徳な禁断の淵に堕としてしまうために―――。

さいしょにお逢いしたのは、お邸だったけれど。
ここだと、周囲の目もあるから・・・って。
それからは、とある古びた宿を指定されていた。
夜は盛り場になるらしい、昼は人通りのすくない、
ひっそりと白茶けた街なみをくぐり抜けて。
一見ただの住宅街としか写らない一角に。
塗料のそげ落ちた、木目むき出しの塀をもったその家は。
周囲の風景に溶け込んで、いともひっそりと佇んでいた。
半世紀はまえから営業しているらしい、その宿を。
人は、「連れ込み宿」と、呼んでいた―――。

ああっ。うん・・・うぅうんっ。
嫁ははしたない声を洩らしながら、
まだ、隣の布団のうえ、狂うことをやめようとしない。
息子の嫁というつつましやかな体面をかなぐり捨ててしまうのが、あっけないほどすぐだった。
脱がされた黒のスカートは、部屋の隅にきちんと折りたたまれていて。
腰から下に身に着けるのは、薄々のガーターストッキング一枚だけ。
太ももを横切るガーターは、毒々しいレエス模様に囲まれていて。
淑やかな礼装の下に押し隠さしているのが、研ぎ澄まされた女体なのだと告げているようだった。

お手本ですよ。
念のため・・・と、鬼藤に縄をかけられて。
ぐるぐる巻きにされた喪服姿の嫁は、部屋の隅に引き据えられて。
夫としか経験のなかった秘めごとを、嫁のまえ見せつけるという体験に。
いざ、ブラウスに手をかけられるとき、ひどく惑乱してしまったけれど。
齢のせいか。もともと夫が淡泊だったせいか。
一回戦で、果ててしまうと。
男はすぐに、縛(いまし)めを解かないままの嫁に覆いかぶさっていって。
嫁はさすがにかぶりを振って、必死にいやいやをしながら。
それでもいちど、男の唇をまともに受け止めてしまうと。
そのまま、ヒルが吸いついたように、離れられなくなっていって。
お嬢さんのような気品を漂わせた黒のフレアスカートを、畳のうえに乱していった。

息子の嫁を、堕落させたというのに。
わたしの胸に、罪悪感はない。
だって―――
それがあの子の、希望だったのだから。

母さん。鬼藤さんと、ぐるになって。
美佐江を堕としてくれないか?
ボク、美佐江がほかの男に抱かれるの、見てみたいんだよ・・・

もっと抵抗したほうが、よかったかしら。
こんなこと。さすがに初めてだったし・・・わたしの演技、へたでしたよね?
無邪気に顔を覗き込んでくる嫁も、さすがにカンが鋭かった。
喪服を着ていくように―――
そんなわたしのリクエストで、すべてをさとってしまったらしかった。


7.

紫のジャケットに、ワインカラーのインナーを胸元から覗かせて。
ジャケットとおなじ色の、ひざ上丈のタイトスカートの下、
鮮やかな発色をした黒のストッキングが、ハイヒールの足許を、凛々しいほどに引き締めている。
そんなひきたつ服装をして。いったいどこへ行くと、いうのだろうか?
妻はわざとのように、ボクには行き先を告げようとしない。
帰り、遅くなるけど・・・あなたは夜勤、だったわよね?
強気の切り口上の語尾が、ちょっぴり震えを帯びているのを。
敏感になってしまった耳は、聞き逃したりしなかった。
ああ・・・ゆっくり愉しんでおいで。
まるで同窓会かなにかに出てゆく妻を、送り出すようにして。
浮気に出かける妻を、送り出してしまうのが。
月に二度・・・いや週に二、三回は、逢っているはず。
そのすべてを、うかがうことができなくても。
ボクの胸の奥、淫らな血をドクドクと脈打たせるには、じゅうぶんだった。

玄関を出ると。
向こうの四つ角に佇んで、妻を待ち受けているのは、母。
お気にいりの真っ白なジャケットに、金ボタン。
嫁と申し合わせたように、タイトスカートの丈はひざ上丈で。
薄墨色のストッキングだけは、喪服のスカートを着けていたときと、変わらないように見えたけど。
白の服には印象のきつ過ぎる、あざやかな発色をしたナイロンの黒糸は。
夫を弔うには不自然なほど、毒々しい光沢をよぎらせている。

母・美津子。五十七歳。妻・美佐江。三十三歳。
”アナザー・マリッジ”とでも呼びたくなる、第二の春を。
そろって愉しみはじめた嫁と姑は。
柔らかな陽射しのなか、我が身を活き活きと引き立てている。


終章

はっ、はっ、はっ、はっ・・・
ぜぇ。ぜぇ。はぁ・・・はぁ・・・
生ぐさいほど漂ってくる、ふた色の呻きは。
華やかに装ったスカートの奥深く、侵してくる肉棒に。
しんから焦がれ抜いている。
すっかりたぶらかされてしまった、妻と母。
そして、それ以上に深く惑ってしまっている、ボク。
けれども惑っているのは、ボクだけではないらしい。

「連れ込み宿」と呼ばれたその宿の。いちばん奥まった一室は。
ふしぜんなほど、きらびやかに飾り立てられていて。
その宿を知るものたちのあいだでは、「殿様部屋」と、呼ばれていた。
いちばん特徴的なのは。
庭先に、部屋からも存在がわからないような隠し部屋がしつらえられていて。
細めに開いたすき間から、なかを覗き込めるようになっていること。

ほら。やっぱりガーターストッキング穿いてりるじゃないか。
見当違いなところで口を尖らせるボクは。
なよなよ、きりりと。
ふたりの足許を淫靡に染める薄いナイロンに、視線を囚われてしまっている。
貴方の好みに、合わせただけじゃない。
妻に聞こえたらきっと、そんなふうに強弁されてしまうだろうけど。

さっきから。
ズボンの下に、隠すように身に着けている薄手のナイロンが。
優しくしなやかな締めつけ感を、ボクの太ももにギュッと伝えてくる。
ボクにはすこしサイズの小さい、パンティストッキング。
もうパンストは履かないかも。・・・っていう妻に、おねだりをして。
まだ淑女だったころに身に着けていたはずのパンストは、
淡いすね毛の浮いた男の脚にまとわれてさえ、つややかになまめかしい透明感をよぎらせている。
な?愉しいだろ?
ふと洩れてきた声に、隣を振り返ると。ほかに客はいない。
けれども明らかに耳にしみ込んでくる声は、聞き覚えのある、懐かしい声。

鬼藤さんが、美津子に目をつけている。そう感じたとき。
どういうわけか、逆らいがたく。ひどくどきどきしてしまったのだよ。
だから、鬼藤さんの望みをかなえることは。
父さんのひそかな願望も、かなえることになっていたのだよ。
きみはわたしの願いを、とても素直に聞き入れてくれて。
母さんのことを、綺麗に堕としてくれたね。
自分の母親を、エスコートして。父親以外の男の獣欲に、まみれさせてしまう―――
わたしの願いだから、引き受けてくれたことだろうけど。
あのとき・・・お前もドキドキしていただろう?
きっと。たぶん美津子だけじゃすまないだろうって、あのとき感じてしまったのだよ。
自分の妻を、犯されてしまうのは。
母親のとき以上に、昂るだろうから。
自分から、機会をもうけて。母親の情人に、妻までも征服されてしまう。
そんな境遇を、お前はきっと、ドキドキ昂りながら、受け入れてしまうに相違ない。
お前には、父さんとおなじ血が流れているのだから・・・
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コメント

こんにちわ。まいです、。

面白い小説ですね
長いのに上手に書けてるなあと思いました
喪服は私も好きですよ
喪服で妄想する人ってよくいますよね。
こういうビデオもたくさんあるみたいだし。
楽しめたのでまた来ます
by 麻衣(ムダ毛格闘中)
URL
2009-04-11 土 14:39:15
編集
> 麻衣さま
いらっしゃいませ。
愉しんでいただけて、嬉しいです。
&過去のお話に感想をお寄せいただけるのは、さらに嬉しいです。^^
「喪服」とか「未亡人」みたいなキーワードで、お見えいただけたのでしょうか?

喪服モノ、ここではあちらこちらに出ていると思います。
筆者の嗜好の関係で。(笑)
お気が向かれましたら、ぜひまたカキコをお願いいたします。
お気軽に・・・ (^^)
by 柏木
URL
2009-04-12 日 21:41:27
編集

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