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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

打ち明け話

2006年04月11日(Tue) 07:18:56

初めて女房を襲われたとき?
あー、もうだいぶ前になるかな。
真夜中に、スーツ泥だらけにして戻ってきてね。
吸血鬼に襲われた、って騒ぐんだよ。
うなじにべっとりと、赤黒い血のりがついていてね。
そりゃあ、ナマナマしかったよ。
でも、言ってやったんだ。おめでとう、って。
肌色のストッキングが伝線していてね。
素っ裸よりも、そそられるんだよな。ああいうの。
ふくらはぎからね、伝ってくるんだ。
白く濁った・・・あはは。皆まで言わせるなよ。

うちの場合は新婚そうそうだったんですよ。
こちらがそういう村だと知らずにお邪魔しましてね。
いや、遠縁のものがいるもので。
いまではもう、長いお付き合いをさせていただいているんですが。
家内のほうも、まんざらでもなかったらしくって。
お誘いがあると、とんでもない刻限でも出かけてゆきました。
ウキウキとおめかしをして。
デートですからね。気分もひきたつでしょうよ。
真夜中のスーツ姿って、場違いで妙に引き立つんですよね。
まぁそういう時間のほうがひと目にもたたなくて、体裁考えると都合がよかったのですが・・・。
案外先方も、そのあたり気を遣ってくれていたのでしょうね。
でもまあ、慣れないうちは、ずいぶんハラハラしたものですよ。
家内をとられちゃうんじゃないか、って。
皆さまといっしょで、まったく取り越し苦労でしたな。
おいしいところだけ頂戴したい・・・っていうものですから。
つい、OKしちゃったんですね。
もうそれからは、おおっぴらに。
私の目のまえだって見境なく、家内に迫っていくようになりました。
ふくらはぎに吸いつけられた唇の下で肌色のストッキングにぶちちっと伝線が広がってゆくようすが忘れられないですなあ。

ストッキングで思い出しましたよ。
母が父に言ったんです。まるでおねだりするみたいな調子でしたっけ。
あのひとにストッキング、破らせてあげたいの、って。
子供の耳にも、ズキッとくるような刺激がありましたね。
いつも口うるさくて、厳しい父だったのですが。
そのときばかりは照れたように口ごもっちゃって。
いいよ・・・と言っていたようです。よく聞き取れませんでしたが。
つぎの日学校から戻ってくるとね。
奥の和室のほうからすすり泣くような声がする。
開け放たれたふすまごしに、脚だけみえました。
短めのワンピースのすそからにょっきりと伸びた脚が。
いつも履いている肌色のストッキングが、ちりちりに破けていて。
母はちょっと苦しそうな、気持ち良さそうな、妙な声を洩らしていました。
今はさすがにもうトシですから。引退ですよ。
おととしもらった女房が、代役を引き受けているんです。

薄暗いロウソクの下。
男たちはかわるがわる、身うちの女性たちが吸血鬼の相手をするさまを語りつづける。
静かで、淡々とした口ぶりで。
語りを取り囲む一座のなかには、まるで怪談を愉しむような猥雑な空気が漂っている。
一座の真ん中にいる若い男が、聞き役だった。
つぎに順番がまわってきたのは、彼と同じ年恰好の若い男。
秋に祝言を挙げる予定の許婚が吸血鬼に迫られて、
スーツのすき間から牙を突き立てられていって、
それでも嬉しそうにはしゃぎながら血を吸い取られてゆく話をつづけていた。
聞き役の彼にはじいっと耳を澄まして。
一言一句聞き漏らすまいと耳を傾けていた。
ふすま一枚へだてた向こうの部屋で、
いままさに彼の許婚が組み敷かれている真っ最中だったから。
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