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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ありついた処女の生き血

2009年01月19日(Mon) 19:42:48

あの・・・
え・・・?
ちょっとのあいだ、ガマンして。
互いにそう、言い交わし合って。
白のタイトスカートから伸びた足許に。
闇から迫る唇が、忍び寄る。
力いっぱい、抑えつけたボクの掌の下。
お行儀よく揃えられた、流れるような脚線美。
その上をなぞるようにして、吸いつけられた唇は。
つややかな光沢をてかてかとよぎらせる肌色のストッキングを、
見るも無慙に、噛み破って。
ちゅうちゅう。ちゅうちゅう。
不気味に機械的な、規則正しい音を洩らしながら。
ボクの婚約者の生き血を、吸い取っていった。

きゃああああっ。
きっと彼女は、そんなふうに。
華やかな悲鳴を、闇に散らしていったはず。
それなのに。
ボクの耳にただ、残っているのは。
ひざ小僧を抑えつけたボクの手を痛がった、ひそやかな囁きだけ。
痛い。
え・・・?
あなたの、手。
ひっそりと、眉をひそめて。
うつむき加減に、身を寄せてきて。
由貴子さんはそんなふうに、小声で囁いたのだった。

慕うように。
もてあそぶように。
黒マントを羽織ったけだものは。
由貴子さんのスーツ姿に襲いかかる。
首筋を噛まれ、
おくれ毛をあやした胸元を噛まれ、
長袖のブラウスごしに、二の腕を噛まれていって。
それでも慕い寄せられてくる唇を、よけることもできないで。
ポニーテールの黒髪を、振り乱して。
かきのけられた白ブラウスの襟首から、
余裕たっぷりの牙を、もういちど忍び込まされてゆく。
ぺたんと尻もちをついて。
脚をくの字に、折り曲げて。
折り曲げた脚を、ストッキングのうえから、なぶり抜かれて。
どこか遠くから聞こえる、きゃあきゃあという叫び声。
必死の悲鳴はなぜか、くすぐったげにはしゃぎきっているようにしか、耳に響かない。

身体の随所から吸い取られてゆく血の味に。
ひどく魅せられてしまったように。
吸血鬼はなおも、彼女の素肌を恋い慕う。
処女の生き血だ。久しぶりに、ありついた。
柏木家の嫁として、ふさわしいお嬢さんだ・・・
まるでうわ言のように、賞讃のことばを呟きながら。
わたしの許婚をさいなんでゆく、魔性の手。指。爪の先・・・

ブラウス越しのまさぐりに。
由貴子さんは柳眉をピリピリと逆立てて。
拒みながら。悶えながら・・・
男の欲求に屈して、ためらいながらも応えはじめてゆく。
彼女の手が、彼の手を取って。
はだけたブラウスの襟首の奥に導いたとき。
彼女の脚が、からみついてくる唇に、吸いやすいように角度を変えたとき。
電流のように走ったあの衝動は、いったいなんだったのだろう?


あとがき
婚約者の由貴子さんが初めて襲われるシーンは、初期作品に登場します。
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