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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

お当番

2006年04月11日(Tue) 07:56:36

きょうはお当番なの。帰りは遅いからお食事は外ですませてね。
出勤間際の夫たちに、そう告げる妻たち。
町内会の当番のように、さりげなく。
日常に組み込まれた密かな行事。
夫たちを送り出すと、妻たちはお出かけのスーツやワンピースに着替えて。
化粧をして。
ストッキングを履いて。
まるで客を取りに街に向かう娼婦のように身づくろいを整えてゆく。

しゃなりしゃなりと、連れだって。
目映いほどの服に彩られて。
三人も連れ立ってあるくと、道ゆく人さえも。
あの奥さんの脚、むっちりとしていて、いいなあ。
そうかね?わしゃ、真ん中のおとみさんの脚がすっきりして気に入りだが。
そんなそんな。もっと女房のことも見てやってくださいよ。
いつの間にか、ダンナの声まで加わっていたりする。

お当番の奥様がたが脚を向けるのは。
吸血鬼の住処となった、街はずれのお邸。
待ち構えた男たちは思い思いに相手を選んで、牙を突き立ててゆくのだが。
飢えた牙を刺し入れられているさいちゅうも。
人の視線から解放された妻たちは、くちぐちにお互いのイデタチを値踏みしあっている。

アラ、奥様。素敵だわ。黒のストッキング。でもその裂け目、ちょっといやらしいわね・・・
まぁ、あなただって。そんなてかてかのストッキングなんて穿いちゃって。ご主人にいいつけちゃいますよ。
ねぇ、見て見て。もうこんなにされちゃった。
男のひとってどうしてハイソックスなんかに昂奮するのかしら。

声を合わせて、笑い声をはじけさせて。
それらが静まる頃。
身を横たえた女たちはほんとうの娼婦に堕ちている。
窓辺に差し込む昼下がりの陽射しだけが、痴態をずっと見つめ続けていた。
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