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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

気ままの構図

2009年01月30日(Fri) 19:39:11

さいきんあの女、不満を抱えていないか?
ひっそりと、告げ口でもするように。
あの黒い影はわたしに寄り添って、囁いてくる。
このごろすっかり、ご無沙汰だったのに。
急に切々たる恋文・・・だ。
投げてよこした何枚もの便箋には、見慣れた筆跡。
「あの女」。
ぞんざいに投げられた言葉がさすものは、ほかならぬわたしの妻のことだった。

どうやらサイクルが、あるみたいだな。あんたの女房は。
三か月も、ほうっておくと。
かならずこんなふうにして、届くのだよ。
それまで見向きもしなかったことなんか、忘れきったようにして・・・な。
浮気相手の気ままさを、愚痴られたとて。
寝取られている側からして、なにを返せば良いのだろう?

女は、勝手な生き物だからな。
じぶんのほうで必要なときにだけ、すり寄ってくるのだよ。
向こうが必要としていないときに、こちら側から近づいていくと。
猛烈な肘鉄砲を、喰らうことになるからな。
え?どうすればいいんだ・・・って?
ゆうゆうと、待っておればいいのだよ。
待てば海路の・・・というではないか。

さも得意げに、よどみなく得々と語る黒影の頬を、
ちょっとねじってやりたくなった。

え?オレ様のほうが、待てるのか・・・?だと?
いい質問だな。
たしかにオレ様も、飢えているからな。
そうそう気長に、待ってはいられない。
だからこそ。
あてにできる餌を複数、いつも用意しているのさ。
おまえの従兄の奥さんも。幼馴染みのフィアンセも・・・
はっははは・・・
みぃんなあんたの女房の、つなぎに過ぎないのさ。
・・・と、まぁ。そういうことにしておいてくれないかな?

よそでもおなじ嘘、吐いているんだろう?
わたしの指摘を図星・・・と言いたげに。
男はくすぐったそうに、ウィンクを寄越してくる。

夕刻。
なにも言わずに、いそいそと。
着飾った妻は、行き先も告げずに出かけてゆく。
果たして今夜、やつのベッドに侍る身は。
本命なのか、たんなる性欲のはけ口なのか・・・
それはだれにも、わかりはしない。
ただ・・・どちらにしても。
やつがせつじつに求めている獲物である・・・という事実だけは、崩れることがないのだが・・・
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~抜粋~

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