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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

まわされに

2005年09月21日(Wed) 07:13:01

暗い書斎で独りPCに向かう私。
傍らにぼうっと浮かび上がる妻の白い顔は、どこか幽霊じみてさえいた。
妻はくすっと、イタズラっぽく笑う。

―――まわされに、行ってまいりますわね。

ひと言そういうと、すうっと身を翻した。音もなく。
表に車を待たせてある、と彼女はいう。
そう。
まるでシンデレラが馬車を控えさせているように。
軽やかな白のワンピースに、楚々と透きとおる黒のストッキング。
手垢にまみれたような日常生活のなかで見慣れた妻とは、まるで別人に思える人。

玄関にはすでに男たちの片割れが、妻を迎えるために控えている。
これから妻を犯そうとしている男・・・
思い描いていた卑猥な舌なめずりとは裏腹に、
さえぬ風采の持ち主は表情を消していた。
男は宮中作法のようなうやうやしさで私に深々と一礼すると、
そろそろと妻のほうへとにじり寄って。
足許に軽く接吻をした。
なよやかなストッキングの上からしっくりと這わされる、淫を帯びた唇―――
こともなげにその唇を受けながら、妻はじっとその場に立ち尽くしている。

すこし、見せつけるように。
彼の接吻は長かった。
わずかに洩れる吐息の生々しさに、
辱め、愛し抜かれる予兆を感じ取る私。
夫ならぬ唇が妻の脚に這わされるあいだ。
なぜだか、傍らに佇む己じしんが心地よく辱められているような錯覚をおぼえる。
男は立ち上がると、丁寧に私に頭を下げ、
―――ご主人様のご配慮に感謝いたします。・・・つつしんで、奥様をお預いたします。
淡々と言葉を切った。
応えを待っている。
そう察すると、
―――妻をよろしく。
できるだけ、みじかく応えてやった。
わざと、そっけない口調を作って。
妻はエレガントにほほ笑んで、心からの感謝を頬に浮かべて笑みかける。
さぁ・・・
と差し出される手を取って、
―――行ってまいりますわね。
さっきとおなじ言葉を、落ち着き払って口にする。
―――気をつけて
と、私。・・・要らざる言葉と知りながら。
玄関の扉が開かれて、ふたりを吸い込むと再び閉ざされる。
誰もいなくなった狭い空間に佇む私。
手のなかには、装いを替えるまで妻が身につけていたストッキング。
高貴な趣のする薄衣が、淫らに光沢を放っている。


あとがき
お休みします・・・とかいいながら、さっそくPCに向かっている柏木です。^^;

以下は、祥子さまの「淑やかな彩」に私が書いたコメントです。
http://spaces.msn.com/members/syouko8138/Blog/cns!1pMSulFHcenZFDzAZ4koZCIg!238.entry
輪姦、という言葉にしてしまうとちょっとクリミナルで、マガマガしい行為を連想しがちですが。
複数の男性がひとりの女性を代わる代わる愛し抜く・・・
ということは、「モテる女性」の特権なのかも。
男たちは先を争うようにして女性にかしずき、優しい言葉責めでほどよく酔わせ、
そしてさいごに淫らに堕とし、辱め抜いていくのでしょうか。

祥子さまはそれにこたえて、

>そうですね わたくしは「お姫様輪姦」なんて呼ばせていただいております

と、お答えくださいました。
お姫様輪姦。
そんなロマンチックで淫らな言葉を耳にして、このようなものを書いてみました。
祥子さま、ありがとうございます。&貴女のブログから美しいお言葉を盗み取ってしまった私をどうかお許しくださいませ。

追伸 
「お姫様輪姦」の実態を御覧になりたい方は、いちどぜひ、以下のアドレスをたどって祥子さまの「淑やかな彩」を訪れてみてください。
雅びな文章が、そんなあなたをお待ちしているはずですから・・・
http://spaces.msn.com/members/syouko8138/
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コメント

懐かしい・・・
以前にコメントさせていただいた
懐かしい作品が続きますわね。
あらためてこうして読ませていただくのも
また一興といった感じです。
再掲載することで精度が上がるのは
わたくしもブログで経験済みですが
柏木様はあまり手を加えてらっしゃらないご様子。
強い忍耐力が必要じゃありませんこと?
by 祥子
URL
2006-04-14 金 00:32:22
編集
再掲作品
なんとなく おひさになってしまいましたね。(^^ゞ
旧ブログに掲載したお話は再あっぷするときに約一日ほど冒頭に掲載して、それからもとの日付に還すことにしているのですが。
こうやって旧作に書き込みを頂戴したのはもしかすると始めてかもしれません。
とても嬉しいです。^^

>忍耐力
むぎゅうぅ・・・(><)
すみませぬ。
昨日は大急ぎしてあっぷしたので、「あまり」どころかぜんぜん手を加えずにしまったのです。^^;
かなりのものはちょっとずつ、いじっています。
ちょっぴり言葉足らずだった「じかに」(9月21日)とか、気に入りな「生娘&生娘」(11月8日)以下のお話とか、「少女とその母」(1月10日)とか。ディテールはそこそこ変えているのですよ。^^
(どの話のどこいじったのかも、手のうちではすぐわかるようにしています・・・笑)
それにしても。
手を加えての再あっぷって、大変なものですねぇ。
再あっぷと新作連載を毎日のようにやっておいでだった祥子さま。
改めて敬意を覚えます。(^^)
by 柏木
URL
2006-04-14 金 06:49:55
編集

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