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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

公然と

2005年09月01日(Thu) 08:13:05

雑木林で襲われて。
平手打ちを二三回お見舞いされて。
荒々しくワンピースをまくり上げられて。
やめてくださいっ!と訴えても。
夫がいるんです・・・と哀願しても。
荒々しい手は行為を止めない。
イヤ、イヤ、イヤ、イヤ。こんなの厭ッ!
展翅板に載せられた蝶のように、樹に抑えつけられて。
硬い樹皮がワンピースの向こうから食い込んでくるのを覚えながら。
・・・・・・沈黙・・・・・・
・・熱っぽい沈黙・・・・・・
さいごは自分のほうから、求めていた。

そのまま木に縛りつけられて。
思うさま、犯されて。
裂けた服を着けたまま、街を連れ回される。
隣を歩く彼はニヤニヤ笑っているだけで、なにも言わない。
それでだけで、効果は絶大。
今日じゅうに、町に知れ渡るだろう。

振り乱した髪の毛に葉っぱをつけたまま。
千切れた下着のストラップをはだけた胸から覗かせたまま。
ちりちりに破けたストッキングをひざ下までたるませたまま。
片方になったサンダルをつっかけて、
引き立てられるようにして歩いてゆく、見慣れた商店街。
綺麗な蝶をつかまえた悪童のように、得意満面な彼。
この女を情婦にしたぞと町の人に告げてまわるみたいに。
意気揚々と、のし歩く。

いつもの八百屋で買い物をした。
キャベツを一個。トマトをひと山。
おかみさんは何事もないように、はい何百円ねと受け答えて、
千円札と引き換えに野菜とお釣りを渡してくれる。
泥だらけのワンピースにも、ちらちらのぞくおっぱいにも、気づかないふりをして。
つぎは肉屋さん。
中年の親父は一瞬、私と彼とをまじまじと見比べ、
それでもすぐに
牛肉サービスしときますよ。毎度ありぃ。
気のせいか、ちょっとだけ声の調子がそわそわしている。
きょうの牛肉は安かった。
けれどももっと安価に、いえいえタダで取引されてしまった私の体。

やっと家へと帰ってきた。
ピンポンを押すと
「やぁ、お帰り」
と、夫の声。
いまこの瞬間は、この世でいちばん顔をあわせたくない相手。
中から回されるドアノブの回転さえもが、怖ろしい。
見ちゃダメ。見られたくない・・・
そんな希望など知るよしもなく、サンダル履きで現われる夫に、
彼ったら  しゃあしゃあと。
「おいしかったよ。ご馳走さん」
夫のほうも
―――いえいえとんだふつつかもので
えー!?(><)
のけぞるばかりに仰天。
―――お疲れさん、よくがんばったね
どーしちゃったの?あなたこそ。
通りがかった近所のおばあちゃん。
―――おめでとう。よかったねぇ
なにが?
夫の母まで
―――今夜は赤飯ね。
この街、どこかが狂ってる・・・
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