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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

鬼ごっこ かくれんぼ

2009年06月15日(Mon) 05:12:40

その村では、人間の子供と吸血鬼の子供とが、仲良く鬼ごっこやかくれんぼで遊んでいた。
はじめはみんなで、遊んでいるのに。
そのうちに、だれとだれ・・・って、だんだん決まっていくようだった。

見いつけた・・・
背後から忍び寄った声が、耳許にくすぐったく侵入してきた。
背後から忍び寄って来た男の子の手が足許に伸びて、
ねずみ色のハイソックスのふくらはぎを、軽くなぞるように触れてきた。
鬼になった子どもは、吸血鬼の子ども。
見つかった子どもは、人間の子ども。
彼らの中でも鬼がだれなのか、つかまるのがだれなのか、ちゃんと決まっているのだった。
罰ゲームだよ。たっぷり愉しむからね。
タカシはくすぐったそうに苦笑いしながら、走って逃げるときにずり落ちたハイソックスを、
ひざ下までぴっちりと引きあげた。
真新しいねずみ色のハイソックスには、太い赤のラインが、帯が巻きつくように取り巻いている。
ちょうどそのラインが走っているあたりに、吸血鬼の子が唇を吸いつけてくると。
唇の下隠された牙が、ハイソックスごしに皮膚を破ってもぐり込んでくるのを、
人間の少年は、くすぐったそうにこらえている。

また、ママに叱られちゃうよ・・・
くるぶしまでずり落ちたハイソックスを、もういちど引き伸ばすと。
赤黒いシミが毒々しく、広がっている。
言葉ほど、少年が気にかけていないのは。
晩く帰って来た少年を咎める母親のワンピースの下、肌色のストッキングが紅いシミを描いて裂けているのを、
何度となく、盗み見てきたからだった。
いま彼が血をあげた少年の父親のしわざなのだと、彼女の夫を含めたみんながよくわきまえていた。

見ぃつけたっ。
つぎの日吸血鬼の子が捕まえたのは。
白いカーディガンに真っ赤なスカートのよく似合う、おなじ年かっこうの女の子。
罰ゲームだよ。たっぷり愉しむからね。きみは、初めてだろうけど・・・
都会の学校から転校してきたその子が、かくれんぼに加わるのは、きょうがはじめてのことだった。
嫌がる少女を遊びに行かせたのは、他ならぬ彼女の母親。
夫の同僚を通して受けた洗脳行為に、すでに好意的に応えはじめていたのだった。
じゃあ、血を吸うからね・・・
怯えきっている少女は、なにもできないまま、震えながら。
稚拙だが齢不相応に好色な唇に、うなじを咥えられていった。

もう・・・それくらいにしてあげようよ。
足りないぶんは、ボクが吸わせてあげるから。
吸血鬼の背後、佇んだ少年は。
言いにくそうに、友だちに声をかけていた。
少女を押し倒し、うなじに唇を這わせて、
ひっそりと血を味わっている幼馴染みに、なぜか少しだけ、感情を波打たせながら。
少女は真っ白なハイソックスにまで、赤いシミをつけられてしまっていた。

それからなん年、経ったのだろう。
高校の制服に身を固めた、少年ふたりとひとりの少女―――
かくれんぼの夕方をともにした三人は、すっかり年頃になっていた。
ねぇ。
女の子は、黒のストッキングに包んだ脚を、一瞬立ち止まらせて。
鬼ごっこ、やらない?久しぶりに・・・
人間の少年を振り返って、ちょっとだけ笑いかけると、もう駈け出していた。
あたし運動部だから、足速いのよ。
はやく追いかけないと、おうちに帰っちゃうぞー!
叫ぶような少女の声を、吸血鬼の子も、人間の子も、後も振り返らずに追いかけていった。

わざとゆるめた足どりに、セーラー服の肩をつかまえられて。
後ろから抱きすくめられた腕の中、少女ははぁはぁと息をしていた。
初々しい昂りを、重ね合わせていきながら。
佇んで見守る少年のまえ、血に飢えた唇が少女のうなじを襲っている。
ぺたんと尻もちをついた少女の足許、まるでイタズラに耽るように。
大人びたなまめかしさを少女の脛に滲ませていた黒のストッキングを、
吸血鬼の少年はむざんに噛み剥いでいって。
人間の少年は、その有様を、なぜか胸をドキドキ昂らせて、見守っていた。

さらに数年が過ぎて―――
盛大な婚礼だった。
少女の面影を残した花嫁は、くすぐったそうに花婿の横顔を見あげている。
足りなかったら、ボクが相手をするから。
初めてのかくれんぼで、追い詰められたとき。
そういってくれた優しい人と、きょうからおなじ苗字を名乗る。
そんな晴れの日だというのに。
二人きりになるまえに、ちょっとだけ・・・
あのとき彼女の履いていたおニューの白いハイソックスをバラ色に濡らした少年が、
いつもよりちょっとだけ居心地悪そうにしながら、
まだ二人の傍らに、居残っていた。

初めての時は、白のハイソックス。
女学生のころは、通学用の黒ストッキング。
きょうあなたが、穴をあけるのは―――
婚礼のために用意された、純白のストッキング。
さきに差し出された花婿の足首も、せめて少しでも主賓の好みに応えようと。
薄っすらと地肌をにじませた薄手のナイロンに包まれていた。
罰ゲームだよ。
俺をさしおいて、ふたりで結婚しちゃったから。
きょうはたっぷり、愉しむからね・・・
初めて不平さをあらわにした吸血鬼の彼に、ふたりは照れ笑いを隠さなかった。

あはは・・・ふふふ・・・
少年と少女に戻った含み笑いは、いつまでも消えない。
ほとんど空っぽになるまで血を抜かれたかつての少年は。
花嫁がべつの少年の下、純白のドレスのすそを紅いシミで浸してゆくのを、
いとも愉しげに、見守っている。
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コメント

ふと疑問。ここの世界観では“幼馴染”は“男の吸血鬼の友人”であるパターンがほとんど。

ラブラブの幼馴染カップルに割り込んで処女を奪う吸血鬼、というのも黄金パターンだと思いますが…管理人さん的にはあまりご趣味ではない(苦笑)?
by この世界観なら
URL
2009-06-18 木 21:03:47
編集
はじめまして
コメをいただき、ありがとうございます。
&鋭いご指摘、恐れ入りました。(^^ゞ

幼馴染シリーズに限らず、ヒロインが夫や恋人以外の男性と交わるお話は数限りなく(笑)描いていますが、
吸血鬼なり間男なりが力づくで女を奪ってゆくお話はほとんどありません。
どちらかというと、夫や恋人の側に、相手が幼馴染だとか、古くからのしきたりがあるとか、血を吸われて洗脳されてしまったりとか、
なにか抗しがたい(むしろ抵抗する気も起らない)理由があって、
自分から進んで妻や許婚の生き血や貞操を譲り渡し、むしろ積極的にその状況を愉しんでしまう・・・みたいな話がほとんどです。
これはまったく管理人の特異な趣味によるものですね。^^;
寝取られものの王道、というわけにはいかないかも。
あしからずのご説明でございました。
(^_^;)
by 柏木
URL
2009-06-19 金 06:45:41
編集
いえ、“割り込んで”ってのは別に力ずくや強引に口説くことを言ってるわけではなくて、あくまでこの世界観の“古いしきたり”や“血を吸われて洗脳されて”のパターンでかまわないんです。

幼馴染にして婚約者の少女が吸血鬼に抱かれてどんどん成熟させられてゆく、にもかかわらず少年との関係も破綻しない、というのもパターンとしてあってもいいのではないかな~と思っただけです(苦笑)。

現代社会では幼馴染って関係性はどんどん少なくなってると思いますが、管理人さんの作品世界では“お互い憎からず想ってる幼馴染”が結構いそうだと感じたもので。

まあ、現在絶好調の管理人さんにネタ提供は必要なかったですね(苦笑)。

それと、以前拍手はあるのにコメントが…と嘆いてましたけど。常連のくろすさんや祥子さんが残す怪しげなコメント(笑)に管理人さんが返す怪しげな返信(笑)というのが敷居が高く感じてしまうのではないでしょうか。コメントのやりとりを見ている分には楽しいですけど、いざ自分がコメントを書くとなると“初心者お断り”みたいな雰囲気に気後れしてしまうのかもしれません。

かくいう私も怪しげなコメントは書けないわけですが(苦笑)。

長文失礼しました。
by この世界観なら
URL
2009-06-19 金 12:56:50
編集
いや~♪
> この世界観なら 様
祥子さまのコメをご覧になっていらっしゃるということは、
かなり以前からこちらに遊びに来ていただいているようですね。
柏木、とっても感激です!

たしかにうちのお話に登場する幼馴染は、「男と男」が圧倒的に多いんですね。
言われるまで、あまり意識していませんでした。
>お互い憎からず想ってる幼馴染
こういうカップルって、ご指摘のとおり、うちのワールドにはけっこう隠れていそうな気がするのですが、
いそうでいて、なかなか見つからないですね。
というか、記憶にもほとんどありません。
きっと柏木の少年時代が、そういう関係を描くにはあまりにもさびし過ぎるものだったからなのでしょう。
(;_;)

まぁ、それは置いといて。
探してみました。
やっぱりなかなか、ありません。(;_;)
幼馴染な関係であっても、男の子がすでに吸血鬼で三角関係にならないお話とかはあるんですが。
しいていえば。
すでにお目に止まっているかもですが、
お気が向かれましたらこんなのを↓読んでやってくださいませ。
「気になる少女のお邸通い」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1159.html
幼馴染で婚約者な彼女が吸血鬼のお邸に通っているのを覗いてしまう男の子のお話です。

あと、ご希望のパターンからはやや崩れますが、「男・女・男」の幼馴染のお話としては、
「村の夜まつり」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1140.html
こんなのも、ございます。
うちとしては比較的反応の多い時期に描いたものですが、不幸にしてコメをいただけませんでした。
でも、かなり気に入っているお話です。

それにしても。う~ん、まだまだ未開拓だな。この分野。
すぐにとのお約束はできませんが、こんど気が向いたら挑戦してみますね。

妖しい・・・というのは、おほめの言葉と思いますが。
妖しくても妖しくなくても、またの投稿を心からお待ち申し上げております。
(^-^)
by 柏木
URL
2009-06-20 土 00:12:12
編集
幼馴染ぽいお話
近作ですが、こんなのもありましたっけ。(^^ゞ

「いい娘さんだね。」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1713.html

「泥の撥ねたハイソックス」
http://aoi18.blog37.fc2.com/blog-entry-1695.html

どちらも、男同士の結びつきも、やや強めですが。^^;
by 柏木
URL
2009-06-20 土 10:34:30
編集

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