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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

夜更けの庭先

2005年09月01日(Thu) 07:05:35

夜更け。
妻が思わせぶりな態度で庭先におりてゆく。
黒と白、モノトーンのプリントワンピース。
涼しげな肌色のストッキングにサンダルをつっかけて。
いつの間にか彼女の傍らにはスリムな人影が寄り添って、恋人同士のように接吻など交わしはじめる。
ふたりしてこちらのほうをふり返ったりして、いったいなにを語っているのだろう?
私のことだろうか・・・?
ちょっと、気になるなぁ・・・^^;
アノ人、コッチ見テルワヨ・・・
イイジャナイカ。見セツケテヤロウヨ。
なんて。
やっぱり寝取られ亭主って、とても間抜けにみえるんだろうな・・・
まぁ、そうにはちがいないだろうけど・・・^^;
チラチラとこちらを窺いながらなにか囁きかけている胸元に、人影は音もなくすりよるようにして唇を吸いつけている。
「きゃあ・・・」
ちいさい叫びが、夜の静寂をわずかに乱す。
さりげないしぐさの裏で。
妻の体内から彼の喉へ。
熟れた血潮がめまぐるしく渦を巻き、瞬間移動をしていく。
ぐったり意志を喪った妻の手を取って、吸血鬼は草ぼうぼうになっている庭の奥のほうへと消えていった。

闇夜に消えた妻。
入れ替わりにがさがさと、草むらの穂先が乱れる音がする。
風もないのに。
焦りに似た嫉妬の思いがざわざわと、むず痒く胸をかきむしる。
雨戸をとおして洩れてくる、乱れたささやき。あえぎ声。
夢とうつつのはざまを彷徨いながら、ワンピースを剥ぎ取られた半裸の幻影が舞い乱れている。

茂みのざわめきは、明け方まで続いていた。
遠くから、玄関が開く音がする。
湿った泥をべっとりつけたワンピース姿がそうっと脚を忍ばせて、風呂場へと向かってゆく人影。
私の枕元に、安静な睡魔が初めて訪れる。
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