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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

なさぬ娘

2009年10月01日(Thu) 05:27:47

家族ぐるみで行き来をくり返した揚句。
妻はお隣のご主人の種をさずかっていて。
生まれた娘は母親似の、美しい娘に育っていた。
お隣の息子が、娘を見初めて。
いよいよ祝言間近となった夜。
息子の父親が、たずねてきた。
父子でおなじタイプの女が、好きになっちまったんだね。
かつての女たらしは、いまは白髪をちらほらさせていた。
人生の疲れが穏やかな澱のように積み重なって。
なにもかもが、許せるようになっていた。
だれもあの娘(ひと)を、犯せない―――
そう。
貴男は彼女の実の父。
花婿になる貴男の息子さんは、実の兄。
息子すらもが、母親が同じ兄妹だった。
このさい貴男に、頼むしかなさそうですね。
結局なさぬ仲の私が、おいしい当たりくじを引き当てていた。
娘が羞じらうように、自らの妊娠を告げたのは。
たっぷり愉しんでしまった数年後のことだった。


あとがき
久しぶりに、短時間で三つモノにしましたが。
質的にはいかがなものでしょうね。。。
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