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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

淫らな温泉宿 ~婚約者まりあが、因習に屈する夜~

2009年10月20日(Tue) 07:17:50

ほてった素足に、ひんやりとした床の冷たさがかえって心地よかった。
ここは、すき間風のするような、ひなびた温泉宿。
露天風呂まで持っていったどてらを羽織らずにいるほどに、
湯上がりの身体はまだ熱しきっている。
窓の外は散り始めた落ち葉がいちめんに広がる、晩(おそ)い秋―――

熱いね、まりあ。
肩にしなだれかかるように腕をまわしてくるのは、
年明けに結婚を控えている彼氏のヨシオだった。
やぁだな、もう酔っぱらっているの?
そういえば彼、足取りがいつになくふらついている。
だから温泉入る前に飲むのよそうっていったのに。
いっしょに飲んだまりあはそれでもかなりイケるくちなので、一見してなんでもない。
強いな、まりあ。
冷やかすような彼の口調に、くすぐったそうにうなずいたけれど。
浴衣一枚の素肌にすっきりと、淡い酔い心地がしみ込むようにめぐりはじめているのだった。

親を紹介するよ。
ど田舎だけどね・・・まりあが気に入ったら、将来は実家に戻りたいんだ。
口ごもりながらそう告げてきたヨシオに、
まりあは少女のようにこくん、と、頷いただけだった。
都会育ちのまりあには、田舎暮らしの経験がない。
子供のころいちどだけ、遠い親戚の棲む農家に泊まった記憶がおぼろげにあるけれど。
だだっ広い古い家がなんだか不気味で、夜泣きしてしまったものだった。
そんな記憶をたどりながら彼に話すと、
ヨシオは優しく、うなずいて。
そうだね。俺には古くから棲んでいる家だけど・・・まりあには、初めてだもんな。
まりあの緊張をほぐすためにと、彼の実家にお泊りするまえの晩はちかくの温泉宿で二人きりの夜を過ごすことになったのだった。

すみません、ほんとうに気が利かなくって・・・
宿に着くそうそう、
年若な宿の主人は頭を掻き掻き、ぶきっちょにぺこぺこと頭を下げていた。
律儀で純朴な田舎ものである宿の主人には、
苗字の違う男女が一室に宿泊するという想像がわかなかったらしかった。
二人にあてがわれたのは、べつべつの。
それもすこし離れた小さな部屋だった。
まりあはそれでも、小さな湖の見えるほうの部屋を選んだ。
まだ紅い葉をまとった切れ切れな木立ちの合い間から覗く湖面もロマンチックだったけれど。
中庭を挟んで向かい側のもう一つの部屋はこんもり茂った低い山に面していて。
その山の向こうにこれから目指そうとする彼の実家があるとおもうと、
なんとなく鬱陶しかったのだった。
そんなまりあの気分を察したのか、ヨシオはちょっと気がかりそうに恋人の顔を覗きこんだのだけれど。
うん、いいよ―――
いつもの優しさで、まりあのことを包むように見つめただけだった。

遅いなぁ。ヨシオったら・・・
飲みさしの酒は、大食堂で出た地酒の残りだった。
だだっ広い古座敷の食堂をぐるりと見まわした彼は、うんざりしたような顔をして。
ここじゃ落ち着いて、飲めないや。持って帰っちゃおう。って。
持ちこんだのは、まりあの部屋のほうだった。
飲み直す。という名目で。
彼は今夜、初めてまりあの寝室に忍び込んでくるはず。
ピンクのスーツ着て、待ってろよ。
ちょっと口ごもりながらそんな要求をする彼が、なんだかかわいらしくって。
もうっ、こんなトコまで連れて来てスーツなわけっ!?
まりあはわざとふくれ面を作りながら。
それでも、初デートのときに着ていったショッキングピンクのスーツに着かえている。
ほてりのおさまった身体に、ひんやりとしたスリップが心地よかった。
うふふふふっ。奮発しちゃった。
脚に通した肌色のストッキングは、つややかな光沢がよぎるインポートもの。
いつもちらちらと、まりあの足許を窺う癖を、彼女はとっくに見抜いている。

遅いなぁ。寝ちゃったのかなあ。
案外、決心がつかなくてあの狭い部屋のなかでうろうろしているのかも。。。
オリのなかの熊さんみたい・・・
自分のした想像にプッと吹き出したものの、まりあの脳裏もまた、あらがいがたい眠気に支配されはじめていた。
かたり。
テーブルのうえに置いたおちょこが、畳に転がったのさえ。
おちょこのかたわらにうつ伏してしまっているまりあには、気がつかなかった。

ふと気がつくと。
部屋のなかが、薄暗くなっている。
やだ・・・
すっかり眠ってしまったらしい。
いま、何時なのかしら。
気だるい酔い心地のせいか、すっかりいうことをきかなくなっている身体をもぞもぞと動かそうとして。
まりあはびくっ!と、スーツ姿の身をすくめた。
部屋に誰かいるっ!
彼かしら?という想像は、すぐに恐怖に途切れていた。
気配の主は、一人ではなかったから。

頭のうえから抑えかかるように、一対の掌がまりあの肩をつかまえる。
もうひとりが、足首を。
さいごのひとりは、まりあをあお向けに転がして、ブラウスの胸にとりついてきた。
きゃ、あっ!助けて・・・
声をあげようとしたけれど、声が出ない。
身体も動かない。
酔い心地なんかでは、まったくない。
得体の知れない呪縛がまりあの動きを封じていた。
お酒のなかに、何か入っていたのだろうか?
このさいそんな詮索は無用のことだった。
無言のなかのもみ合いが、しばらくつづいた。

ヨシオさん・・・ヨシオさんっ!?どうしたの?早くまりあを助けに来てっ!
運動部出身のまりあは、決して弱虫ではなかったけれど。
三人もの村の男衆を相手にするには、都会育ちの娘の筋肉はしなやか過ぎるらしい。
たちまち攻め込まれ肉薄されて、
胸をすべる掌は、ブラウスの襟首から侵入してきたし、
肩を抑えつけてきたやつは、ヨシオにもまだ幾度も許していないキスを、強引に奪っていった。
足許のやつはどうやら、ストッキングのふくらはぎを舐めているらしい。
薄々のナイロンごし吸いついてくる唇が、ヒルのように厭わしかった。
もはや男どもの不埒な意図は、疑いようもなかった。
助けて・・・助けてっ!
彼はおろか、宿の人さえも、狭い客室のなかの異変に気づいていない。
そういえばこの温泉宿の宿泊客は、まりあたちだけだった・・・

オレガ最初ダゼ?
胸元に手を迫らせた影の主が、ほかのふたりを威圧した。
アァ・・・構ワナイサ。
肩を抑えているもうひとつの影法師が、ぞんざいに応えた。
足許のやつは応えさえ返さずに、まりあの足許を舐める舌のうごきを、さらにしつようにしただけだった。
部屋の照明は消されていたが、
侵入者が持ち込んできた特大の懐中電灯が畳のうえにいくつも転がっていて、
服の色くらいはわかるほどの薄明るさが、
羽交い絞めにされたまりあのスーツ姿を、スポットライトのように浮き上がらせていた。

ウフフフフフッ・・・悪ク思ウナ。
最初を主張した男は、意地の悪い含み笑いでまりあを嘲ると。
ブラウスのボタンをひとつひとつ、はずしていった。
慣れた手つきだった。
あなたたちこんなふうにして、女のひとをなん人も・・・
悔しいけれど、どうすることもできなかった。
幾本もの逞しい腕に、まるで展翅板のうえのチョウのように抑えつけられてしまっていたから。

すげぇ・・・
ブラジャーのストラップを断った男が、むしり取った小さな布切れを部屋の隅っこに放り投げると。
目を射られたかのように、しばし沈黙した。
どれどれ・・・
肩を抑えつけているやつも、抑えつけた手をゆるめずに、
それでもしげしげと、まる見えになったおっぱいを覗き込んでくる。
ストッキングの脚をしつように舐めつづけていたやつさえもが、
下半身からせり上がるようにして、スカートのうえのあたりまで顔を寄せてきて、
まりあの胸元を下の角度から、睨むような視線を這わせてきた。
荒い息遣いの持ち主たちは、さらけ出されたまりあのおっぱいに魅入られるように、
夢中で覗きこんでしまっている。
手に入れた獲物の素晴らしさを、改めるようにして。

だれもが、知らない顔だった。
昂りに弾んだ息遣いだけが、獣のような劣情を吹きつけるように伝えてくるだけだった。
いや、ひとりだけ。
劣情に覆われて見分けのつかないほどの目鼻が、宿の主のそれと重なりあった。
まりあの足許に魅せられた男だった。
えっ・・・
助けは来ない。
まりあは確信した。

どれ、まさぐらせろ。
ばか、俺が先だ。
懐中電灯に顔をさらした男たちは、被害者に顔を見らる恐怖を感じないらしい。
まるで競い合うように、まりあの胸にてんでに掌を這わせてきた。
豊かな丸みを帯びた乳房は、透きとおるほどの白さをたたえていて。
量感たっぷりのふたつの丘陵は、なめらかな皮膚におおわれている。
光に照らされた素肌は、うわぐすりのような微光に包まれていて。
ふんんわり。くにゅくにゅ。
まりあの身体をおもちゃみたいに撫でまわしいじくりまわしてくる掌たちに、
むぞうさにもみくちゃにされていった。

あっ、あ・・・あん・・・っ。
はしたないっ・・・っておもいながら。
皮膚を通して伝わって来るまさぐりが、淫らな疼きをもたらしてくる。
それは焦がれるほど濃く、声をあげて暴れ出したくなるほど急所を衝いていた。
未経験な素肌に、慣れた男どもの掌たちが、じっくりと迫ってきて。
彼にも許していないことを次々と、まりあの身体になじませていこうとした。
ヨシオさんっ。ヨシオさんっ・・・
知らず知らず口にした恋人の名前に、獣たちはかえって欲情をそそられたらしい。
うふふふふっ。いただくぜ。
最初を主張した男はにんまりと笑むと、笑んだ唇をそのまま迫らせてきて。
飲み込むように大胆に、まりあの乳房を唇に含んだ。
あ、あ、あっ・・・。;
はぜる唾液が、くちゅくちゅといやらしい音を洩らして。
押し戴くように隆起のふもとにまわった両の掌が、じわりじわりと、疼きを深め広めていって。
掌と。唇と。
呼応し合うようにして、まりあの乳房を責め抜いた。
ひっ、ひどい・・・っ。
非難を口にしようにも、まりあはすっかりのぼせあがってしまっている。

早く通り過ぎてほしい。
そう願うのは、かえっていけないことなのだろうか?
屈辱を逃れたい一心のまりあの心を、男どもはわざと曲げて捉えて。
早くおれたちのお○ん○んが欲しいって?
にたーりと笑みかけてきたのは、肩先を抑えた男。
もはやまりあが抵抗をあきらめたのを逆手にとって、長い髪をじりじりともてあそびはじめている。
乳房の責めはまりあの抵抗力を奪い、ついでに理性さえもむしり取っていってしまったらしい。
足許のやつは、太ももまで侵入させた掌に、いっそう力を込めてきて。
薄々のナイロンごし、しつようにまさぐられる掌の動きと、捺しつけられてくるなまの唇とが。
疼きの妖しさを、いっそう増幅させてきた。
彼のために穿いた勝負ストッキングなのに。
まりあの目じりが初めて、涙に濡れた。

挿入までは、あっという間だった。
仲間ふたりをどかせると。
かしらだった男はまりあの肩を抑えつけながら。
ひざでスカートを腰までたくし上げていって。
まりあの穿いているのがガーターストッキングなのを見届けると。
都会の女ごは、ええものを穿くのう・・・って。
まるで爺さまみたいな言葉を発すると。
唇にまみれたよだれをなすりつけるようにして。
ストッキングのうえから太ももをなぶり抜いて。
いただくぜ・・・
なぜか仲間たちとは反対側のほうを向いてそうつぶやくと。
おもむろに身体を、重ね合わせてきた。
だ・・・だめ・・・
彼のために装った衣装を、いともむぞうさにはぎ取られて。
彼のために守り抜いてきたものを、いまこんなふうに無造作に蹂躙されようとしている。
女としての危機を乗り越えるには。
もう・・・耐え抜くしかなかった。

今夜受け容れるはずだったヨシオの抱擁は、もっと優しいものであるはずなのに。
汗臭さにまみれた村の男衆の骨太な筋肉は、まりあを荒々しく掻き抱く。
パンティを裂き取られてあらわにされた秘部が、そらぞらしい外気にさらされた。
それと入れ替わりに、逆立った男の一物が迫ってきた。
か、硬いっ。
まりあがヒクッ・・・と、身をのけぞらせようとすると。
傍らから伸びてくる二対の掌が、それを妨害しようとする。
構ワネェ、ヤラシトケ・・・
まりあの上の男の声は、機械的なものに変わっていて。
二対の掌が引くと同時に、
衝きあげてきた。
ごりごりとする酷い痛みと。かすかな出血の感覚―――。
おしまいだ・・・
さいごに残された理性のかけらが、ひとたまりもなく押し流された。

あっ・・・厭ッ!・・・うう・・・んっ。
入れ代わり立ち代わり。
獣どもは、まるで獲物を分け合うように。
じゃれ合いながら、まりあの身体を分け取りにしていった。
痛みと引き換えに、すっかり覚え込まされてしまった愉悦。
相手が入れ替わるたび。
まりあはさいしょのときとまったく同じような羞じらいとためらいをあらわにして。
処女を捧げることのできなかった恋人への申し訳のように、
あらわになった胸を、両手で押し隠そうとして。
それを荒々しく、取り除けられて。
厭、厭、厭・・・っ、って。
かわいく呻きつづけながら。
もう、どうすることもできないまさぐりに、全身をゆだねきっていって。
さいごは、しつようなまさぐりに、耐えかねたみたいになって。
血を撥ねかせたままの股間を、熱く疼かせていくのだった。
むしろこの場に彼がいないのが、ありがたいくらいにまりあは感じていた。
脱ぎ棄てられたスーツは、あちらにジャケット、向こうにスカート。
ストッキングにすっかりご執心らしい宿のあるじは、
持ち主の脚から片方だけ脱がせたやつを、嬉しそうにぶら下げている。

さっきから。
気になり始めていた。
男どもが入れ代わり立ち代わり、まりあを犯そうとするときに。
いただくぜ。
ご馳走さま。
どうして、仲間とは反対側のふすまの向こうを気にするのだろう?
むたいな輪姦を受けながら。
男どもと呼吸をひとつに合わせていって。
そのうちに。
彼らがかえりみるふすまの向こうに、はっきりと。
ひとの気配を察していた。
ヨシオが息を詰めながら。
なかの様子を、窺っている―――?
まさかっ!!!
ひやりとしたものが、まりあの胸によぎった。
さいしょの男が、まりあの上にいるときだった。
分かるか?
上から見おろしてくる目が、そう語っていた。
さあ、もう少し愉しもう・・・な?
胸を隠そうとした両手を荒々しく押し広げながら。
侵入してきたとき。
えっ、あたしったら・・・
彼に覗かれながら、ほかの男に悶えちゃうっ。
閃くどす黒い衝動に、まりあは全身を貫かれていた。
入れ代わり。立ち代わり。
荒々しくまりあを犯し、蹂躙していく男衆を相手に。
まりあはなによりも、ヨシオの視線に酔っている。

さ。さ。夜が明けたぜ。お嬢さん、露天ぶろはいかが?
昼間の律儀な態度はどこにもなく、宿のあるじは一同を露天風呂に案内する。
きゃ~っ、お風呂。ですかぁ?
ふすまの向こうに、聞こえるように。
まりあは能天気な明るい声を、張り上げていた。

うわ・・・きれいだな。
山の端から覗いた暁が、湖面をよぎるように照らしていて。
寒々とした秋の夜明けの、しんしんと侵すような冷気に取り巻かれながら。
四人男女のほてった肌には、むしろ心地よいくらいだった。
ええっ~?ここで・・・ここで犯されちゃうんですかっ!?
全裸のまりあは、もはや解放された天使。
ざぶっとお湯に浸かって、汗ばんだ身体を浸し抜いて。
男どもがかわるがわる、綿あめみたいなシャボンを、豊かな素肌にこすりつけてゆく。
ゆったりとしたお湯が身体の隅々にまで、しみ込んできて。
湯気の向こうから、きっと覗いているだろうヨシオに、心のなかで手を振っていた。

―――翌日。
法事だったんだよね?
まりあはもういちど、ヨシオに問い返している。
親戚も知人も、みんな集まるし。
ちょうどよいころ合いだから、みんなにまりあをご披露したいって。
ご披露・・・か。
清楚な黒の礼服姿のまりあが、ヨシオの目にはいままでになくノーブルに映る。
放埓な一夜が、明けた後。
まりあはもはやためらいもなく、村に足を踏み入れていた。
そこに待っていた厳粛な空気は、まりあに心地よいほどの緊張感をもたらしていた。

いい嫁をもらったな。ご先祖さまも、およろこびじゃろう。
皆口々に、そういってくれた。
一同のなかには、まりあの処女を奪ったあいつも。
まりあの脚から二足目のストッキングをねだり盗った、宿のあるじも。
まりあの二人めのご主人さまになったあと、
露天風呂に浸かりながらまりあを犯し抜いたのは、ほかならぬヨシオの実の弟だった。

温泉宿の愉しみは、昼までつづいた。
昼食どき、照れくさそうに現れたヨシオは、
ゴメン、すっかり酔っ払っちゃって。
わざとらしい言い訳に、まりあは仕方なさそうに、微笑み返している。
さいごに真っ暗にされた部屋のなか。
入れ代わり立ち代わりの相手が、いつの間にかひとり増えていて。
新顔の一人のセックスがいままで以上に激しかったのを。
まりあの全身が、憶えていた。
口に出しちゃ、なんねぇぞ。それが村の掟だからな。
あいつが、亭主。俺は間男。いいな?
さいしょにまりあを奪った男が、手短かに訓えてくれたしきたりに。
まりあは深々と、うなずいている。
村では仲睦まじいどうしのあいだで、花嫁を取り換え合っていた。
まりあと出逢う、ずっとまえから。
ヨシオはその男に、祝言を挙げるまえ、未来の花嫁を彼に譲り渡すことが決まっていて。
つつがなく儀式を果たしたまりあは、いま晴れて村の女として迎えられる。
よそから来た嫁は、みんなと仲良くしなくちゃ、なんねぇぞ。
花婿に無断で、その花嫁をまた貸ししようともくろむ間男の言い草に、
まりあはまるで、彼の嫁になったみたいに。
しおらしく、頷いていた。

夕べのことは、内緒。今夜のことも、もちろんナイショ。
でも彼は、未来の夫は、なにもかも心得ていて。
まりあの悶える姿を覗き見て、みずから昂っている。
都会育ちのお嬢さんは、それまでの理性や常識を、とうにかなぐり捨ててしまっていて。
あのひと晩のうちに覚え込まされた、
彼のまえで悶える愉しみに、すっかり目ざめてしまっていた。
夜が愉しみだね。
えっ!!?
どぎまぎする未来の夫の反応を、愉しむように。
地酒とお料理が・・・ですよっ。
くすぐったく笑いながら、はぐらかす。
喪服のスカートの下、黒のストッキングが薄っすらと映えたなまめかしい足許を。
彼のまえ、見せびらかすようにさらしながら。
彼と同時に、さっきから。
こちらを盗み見ている温泉宿の若い主は、
今夜もまりあの黒のストッキングを、ねだり盗っていくのだろうか。
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