FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

握手

2006年04月18日(Tue) 06:50:52

ゆったりとした花柄のワンピースを着た妻は、
いつもと何も変わらないような面差しで。
目のまえの男と言葉を交わしている。
いつもとすこし違うのは、
お嬢さんみたいな若々しい柄のワンピースのすそが、
くしゃくしゃになるまでたくし上げられていて。
ひざまでずり下ろされた肌色のストッキングがまる見えになっていることだった。

ふたりの腰は深く合わさって、
まるで握手をしているように結び合ったまま
おしくらまんじゅうでもしているように前へ後ろへと揺れている。
お国はどちら?
あら、まぁ、そうなんですの?
受け応えする優雅な声は、かわらない。

男はそれだけでは飽き足らず、
飢えた唇をうなじへと、近寄せてゆく。
ふつうの男女の場合とは違って、こちらのほうがはるかに致命的な意味をもっているのだが。
それでも妻は動じるふうもなく、
求められた接吻にゆったりと応えはじめている。

皮膚の下に埋め込まれる毒針に、
かすかな吐息を洩らしたけれど。
己の若さを誇るように、
妻は花柄のワンピースをひきむしるようにして、むぞうさに裂け目を入れてゆく。
踏み荒らされた花園のすき間からのぞく白い肌。
白すぎるほど透きとおった素肌から、
深紅の液体が、少しずつ。
まるで拷問を愉しむかのように、引き抜かれてゆく。

数日前この男のために血を全部ご馳走した私が人として死んでしまったように。
私だけの妻としてのこの女も、死んでゆく。
開けっぴろげな嬌声を、高らかにけたてながら。
前の記事
あの世に捧げる操
次の記事
染められて。

コメント

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/193-a7475180