FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

俺様。

2009年12月31日(Thu) 17:39:34

背中ごし、スリップのうえにに回した掌は。
彼女の乳房を、ギュッとつかまえて。
じわりじわりと重ねた誘惑に、
女はもう、耐えかねた声を洩らし始めている。
目のまえに、縛られたままの未来の花婿がいるというのに。

堕とすのは、朝飯前。
日常茶飯事。少なくとも、俺にとっては。
女にしてみれば、
だんな以外の男は初めてだったり、
そもそもエッチじたいを、したことなかったり、
ともかく俺との情事を一生憶えているってくらい、憶えのいいやつもいるらしいけれど。
ひと晩に幾度も繰り返す行為を、こちとらはそういつまでもこだわっているつもりはない。

うーん、許せん!けしからん!
おっとと。それくらいにしておいた方が、無難だよ。
怒り過ぎは、血圧に悪いからね。
永年連れ添った奥方を俺に凌辱された初老の紳士。
ゆでダコみたいに顔赤らめて憤慨しているけれど。
先週も、そのまえも、そうだった。
俺が立ち去った後、あいつよりも一回でも多くやって忘れさせてやるんだって。
奥方を明け方まで、放さないんだという。
そいつのほうが、身体によくないのと違うかね?

血を吸って、犯す。
血を吸うのは、食事。そのあと犯すのは、愉しみ。
あんたは認めたくないだろうけど。
女のほうだって、じつはしっかり愉しんじまっているんだぜ?
未来の花嫁を、よれよれにされて。
親父とふたり、お袋の凌辱シーンまで見物する羽目になった幼馴染は。
縛(いまし)めを解いてやると、見物料代わりに、俺に痛烈なパンチをくれていった。

痛てぇ~っ。あのバカ、本気で殴りやがって。
ほうほうのていで、家を出ると、夜風が妙に冷たかった。
好き放題しているけれど。
俺はしょせん、人を傷つけているだけなんだ。
なにもかも、思い通りにしているようで。
なにもかも、いっさいが。
手の届かない彼方にまで、遠ざかる。
寂しすぎるぜ・・・
そううそぶいても。
ぜいたく者。
永年の悪友どもも、そんなそしりをしか、口にしない。

よう、やけにしょぼくれているじゃないか。
顔をあげたら、そこにいるのは隣家に住まう老紳士。
子供のころからお世話になって、
彼や彼の家族からは、どれほど血を吸い取ってきたかわからない。
いまだにひとりもくたばらないで、生きているのがふしぎなくらいだ。
またやられたな?強引過ぎるんだよ、相も変わらず。
ほかのやつらと、同じように。俺の肩は持ってはくれない。
けれどもたしなめる声色には、永年俺を知り尽くしたものだけの、いたわりがこめられている。
家内を襲わせてやろうか?お前に逢いたがっているぞ。
そういえば、彼の奥さんとはもう一か月も顔を合わせていない。

顔を合わせるということは、血を吸って犯す。ということ。
ひと月も難を免れたのは、悦ばしいことのはずじゃないか。
えっ?たまには来なさいって、口をとがらせていたって?
ふーん。そいつは、ご丁寧に。
だけど俺は、もてるからな。引く手あまたなんだよ。
うば桜に構っているひまなんか・・・
そう呟きながら、
ばちあたりな呟きがただの強がりにすぎないことを。
俺も、あいつも、奥さんまでもが、知り尽くしている。

あの男。
昔からお前に血を吸われていただけあって。
素質はありそうだね。
けれどもだれにしたって、妻や恋人が生き血を吸われたり犯されたりしたら、平気でいることなど覚束ないのだよ。
しばらくは帰りの駄賃を頂戴して、頬っぺを腫らしてご帰還だろうが。
少なくとも女のほうにはもっと優しくして、上手に垂らし込むことだな。
ちょうど、うちの家内にそうしたように。
なにもかもお見通しな老人の手は、力もなくかさかさに干からびていたけれど。
俺はだれに対するよりも従順に、彼と家路をともにしている。
前の記事
いよいよ年の暮れ。
次の記事
忘年会。

コメント

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/1955-01829b70