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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

こぎれいな少年は、決してはずれくじではない。

2010年01月02日(Sat) 08:33:51

すまないね。
女の子の頭数が、どうにもそろわなくって。
代わりにこぎれいな、男の子を用意したんだ。
はずれくじだって、怒らないでくれるかな?
招待を受けた宴の主は、そういって。
集合場所に指定されたお宅の二階の勉強部屋を、あてがってくれた。

乾いた喉。干からびた唇。
はぜるほど飢えを訴えつづける、胃袋。
それらを充たすためなら、相手は男でも女でもよかった。
どうやらそのお宅の跡取り息子らしいその坊やは。
薄いピンクのワイシャツに、襟首にラインの入ったVネックの白のベスト。
白の半ズボンを履いた下は、やはり真っ白なハイソックスが、ひざ下を覆っている。
神経質そうな色白の頬や太ももは、さらにいっそう白かった。
女に生れなかったのが、もったいないほどに。

はじめましての挨拶も、そこそこに。
俺はさっそく、食事にとりかかろうとして。
坊やを引き寄せて、太ももに唇を這わせてゆく。
あの・・・
ためらいがちの声色に、ふとふり仰ぐゆとりが、かろうじて残されていた。
ああ、きみは血を吸われるの、初めてなんだね?

やっぱりはずれくじだって、思われちゃいますよね?
せめて女の子みたいなかっこうをしたら?って、母に言われたんですけど。
妹の制服は、どうしてもサイズが合わなくって。
母のを借りるのも、恥ずかしくって。
こんななりでは、つまらなかったかな?
日ごろは引っ込み思案らしい少年がいつになく饒舌なのは。
生きながら血を吸われることへの恐怖の裏返しなのだと。
すぐに察しがついた。

だいじょうぶ。すぐ済むから。
おじさん、喉が渇いているんだ。
俺は少年の問いには答えずに、
イスに座った姿勢のままの少年の、うなじにがぶりと食いついていた。
ひっ。
たくまずして洩らした呻きに、触発されて。
向こう側の二の腕を、ギュウッと強く抱きすくめながら。
ごくごくごくごく・・・って、勢いよく。
ひさしぶりにありついた活きの良い血潮に、むせ返っていた。
少年は身を固くして、目を瞑って。
真っ白なベストを赤黒く濡らしながら。
俺の欲求に応えてくれた。

力の抜けた身体が、俺にしなだれかかってきて。
腕のなかの重みが、にわかにずっしりとした手ごたえを伝えてくると。
ふははははははは・・・
いつもの癖になっている、冷酷な笑み声をあらわにして。
ハイソックスの脚を引っ張るようにして、
坊やを畳に寝そべらせていった。

はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・
気の毒にまだ、意識が残っているらしい。
それとも畳に頭をぶつけたときに、われにかえったのだろうか?
薄目をあけて見あげてくるのを、これ見よがしに。
吸い取ったばかりの血を、ピンクのワイシャツと白のベストのうえにほとび散らせてやった。
ど・・・どうぞ。
よほどしつけの行き届いた家らしい。
少年はわざわざ、ずり落ちかけたハイソックスを、ひざ下までぴっちりと伸ばしてくれた。

ちゅう~っ。
ちゅう~っ。
ちゅううううっ・・・
白のベストのうえから、肩先に。二の腕に。
半ズボンのお尻にも。むき出しの太ももにも。
突き立てた牙を、ふくらはぎにまで、迫らせていって。
白のハイソックスを履いたまま、ずぶりと沈み込ませていった。
佳い舌触りの靴下、履いているんだね?
不埒な訪問客のそんな褒め言葉に、悦びを覚える少年もいないだろうけれど。
うれ・・・しい・・・です。
少年は力んだ口調で、そうこたえてきた。

なかなか感心な子だ。
心にもないことを、口にするものだな。
よほど親のしつけが良かったらしい。
生命だけは、助けてやるからな。もう少し、ガマンするんだぞ。
俺は少年の頭を撫でながら、なん度めかのガブリを、少年の首筋にしみ込ませた。
いえ。そんなことないです。心から、そう思っています。
え?
組み敷かれた下、女の子みたいに長い少年の睫毛が、薄っすらとした涙を光らせていた。

さいしょに、言いましたよね?はずれくじじゃないですかって。
でもおじさんは、ボクの血を愉しんでくれていますから。
男の子用のハイソックスに、こんなに夢中になってくれるだなんて、思いもしなかったですから。
やだったんです。
両親からもらった大切な血を、ただ食欲だけでっていうのは。
母にそういったら、今日訪ねてくるお客さまは親切なかただとうかがっていますからって。
でもおじさん、よほど飢えていたんだね?
さいごに滲ませた笑みは、明らかに親しみが込められていた。

さいしょはおじさんがとげとげしかったから、
怖くて声も出なかったんです。
だんだん気遣いしてくれるのがわかったから、
しぜんに笑うことができたんだと思うんです。
家を出るとき少年は、狂った宴の坩堝になった我が家を、ちらと見た。
昏い窓ガラスの彼方、彼の母親が、妹が。淪落の渦に巻き込まれている。
けれども少年の目は、冷ややかなほど静かで。
まるでそれがとうぜんの行事かなにかのように心得はじめているようだった。
血の撥ねた服は、濃紺のブレザーに押し隠していたけれど。
半ズボンの下にょっきりと伸びた脚には、
不規則な赤黒い水玉もようを交えた白のハイソックスを、そのまま履いていた。
まるでこれ見よがしに、だれかに見せびらかしたいというように。

はずれくじじゃない証拠を、見せてあげますよ。
少年が俺を案内したのは、彼女の家だった。
ボクも、血を吸うことができるんですよね?
ほんとうは彼女の血を、最初に吸ってあげたいんだけど。
そこはおじさんに、譲らなくちゃね。
いつも学校に履いていく白のハイソックスは、
きっとボクのやつよりも、美味しいはずだから。
彼女のお母さん、未亡人しているんだけど。
黒のスカートの下に履いている黒のストッキング。
とても、おいしそうなんですよ。^^
ボク、きょうはそっちをいただいても、いいですか?
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イイ感じ ですな。^^; (さっそく拍手×2)
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振袖姿の未来の花嫁を、御挨拶に伴う時。

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