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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

母さんを、死なさないで・・・

2010年01月28日(Thu) 08:08:59

母さんを・・・母さんを、死なせないで。
尻もちをついたボクは、失血のおかげで動けない。
動けないボクのまえ、ボクの血を吸った吸血鬼は、エプロン姿の母さんを掴まえて、
うなじを噛んで、見なれた黄緑のカーディガンを、真っ赤に染めた。
母さんは目をまわして、その場に倒れ込んで。
吸血鬼の小父さんは、それでも母さんのことを放さないで、首筋を吸いつづけた。
ボクが悲鳴をあげてお願いしたのは、そのときだった。

いい子だな、ボクは。
その代わり・・・小父さんによけいに血をくれなくっちゃいけないぜ?
吸血鬼の小父さんは、ボクの返事も待たないで。
咬まれた首筋をおさえたまま転がっているボクの足許に、もういちどにじり寄ってきて。
ねずみ色のハイソックスのうえから、脚を咬んできた。
うう・・・っ。
しゃくりあげて、泣きべそをかきながら。
吸い上げられる血が傷口を通り抜けてゆくときの、あのくすぐったい感覚が、いつかボクを夢中にさせていた。

もっと咬んでも・・・いいんだよ。
ずり落ちかけたハイソックスを、引きあげて。
どうやら長い靴下が好きらしい小父さんのために。
もう片方の脚も、ハイソックスのうえから咬ませてあげていた。
ボクの血、おいしい?
ああ。きみの母さんの血もね。
ふたりとも、死んじゃうの?
そんなことはない。美味しい血の持ち主は、長く生かしておくことにしているから。
ありがとね。それならもう少し、吸ってもいいよ。
では、ご厚意に甘えて―――
男同士のキスって、どうしてあんなに奇妙な感じなんだろう?

小父さんはもういちど、母さんにのしかかる。
こんどは首筋じゃなくって、足許だった。
こんどは「やめて」って、お願いしなかった。
すっきり伸びた母さんの足許の、肌色のストッキングがお目当てだって、
ボクにはもう、よくわかっていたから。

ふたりとも、よくしてくれたな。
こんどまた、訪ねてくるから。
そのときには母子して、わしの奴隷になるがよい。
母さんが大人しく頭を下げてOKしてくれたとき。
ボクはなぜだか、ホッとしていた。

今夜は母さんのストッキング、履いてみない?
黒一色のスーツに、薄墨色のストッキングを装って。
母さんはいつもより、濃い化粧をしている。
お姉ちゃんのセーラー服も、内緒で着せてあげるから。
その代わりタツヤも、お化粧しなくちゃね。
いつも大人しい母さんは、めずらしく小娘みたいにはしゃいでいて。
いやおうなく、ボクの顔を刷いてゆく。
粉っぽいファンデーションを、しつこいほど頬っぺたにしみ込まされて。
口紅を塗られるときだけは、ちょっとうっとりした。

こんどはお姉ちゃんも、巻き込んじゃおうね。
小父さま、処女の生き血をいちばん悦ぶだろうから。
母さんの言い草に、こくりと頷いていたボク。
そしたら姉さんも、ボクがセーラー服着るの許してくれるよね?
ひざ上まで伸びる姉さんの白いハイソックス。
こんど姉さんに見せびらかしてみたいな。って。

でもパパだけは、仲間はずれなんだよね?
自分の奥さんや娘が血を吸われるなんて、やだもんね。
母さんは薄っすらとほほ笑んで。うっとりするような声でこういった。
なに言ってるの?
タツヤもママや姉さんが襲われると、ドキドキするだろう?
それは、父さんの血なのだよ。きっと。
だってあのかたをうちに呼び入れたのは、ほかならぬ父さんなんだもの。


あとがき
もともと母さんを死なせるつもりなんて、だれにもなかったようですね。^^
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吸血鬼になった息子。
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だれもが、表情を消したまま。

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