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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

それぞれの訪問先

2010年03月23日(Tue) 07:52:52

午前二時。
村はずれの墓地は、にわかに妖しい気配を漂わせる。
塗りつぶされたような闇のかなた。
人の声などするはずのないあたりから、ひそひそ・・・ざわざわと。
人の声がする。
すでにこの世のものと見なされていない者たちの、声が。

声どもは言葉にならない呻きを交えながら。
人里をめざして、歩みを進める。
仏になったばかりの男は、経帷子のまま。
なんども帰宅して自分の服を手に入れた女は、生前そのままも黒の礼服で。
ひたひたと、自宅や知人、家族の棲む処へと、脚を向けてゆく。

やあ、いらっしゃい。
家のあるじの和やかな声が、蒼い顔の幼馴染を出迎えていた。
奥の和室に控えた妻は、昼間のように着飾っていて。
肌色のストッキングの足首に、夫の幼馴染が飢えた唇を這わせてくるのを、
息を詰めながら、見守っていた。
う、うぅ・・・ん。
足許からあがる吸血の音に、怯えるように。
妻が姿勢を崩し、気を失うと。
閉じた瞼をいとおしげに撫でながら。
じゃあ、わたしは行くよ。今夜は好きなだけ、愉しむといい。
倒れた妻に悪友がのしかかってゆくのを、残り惜しげに振り返りながら、部屋から出ていった。

黒のフレアスカートをなびかせて。
女が佇んだ門前には。
まだ、灯りが点されている。
母さん、お帰り・・・
声忍ばせて歩み寄る娘は、濃紺の制服姿。
背後に控える父も、妻の弔いのときのままの礼服を着込んでいた。
あら・・・あなたまでそんな改まった。
娘の嫁入りだからね。
言葉少なに応えると。
夫は妻の帰宅をエスコートしてきた連れを、窺っていた。

わたしの血を吸ったこのひと。すっかりわたしの血にご執心で。
おなじ血を吸いたい・・・って、おねだりされちゃったの。
幾晩めか、戻ってきた妻にねだられるまま。
夫は仕方なさそうに、肯いて。
つぎの晩、娘とふたりきりの食卓で。
母さん、戻って来るぞと告げていた。
なにもかもを察した娘は、こくりと肯いて。
じゃ、真夜中まで制服でいるから。
口ごもるようにして、応えていた。

あなたは、見ちゃダメ。
喪服姿を、からみつけるように。
しつように迫って来た妻は。
夫であった男の生き血で、己の唇を血塗りながら。
初めて凌辱を受ける娘から目を放せなくなった父親の顔を、
じぶんのほうへと、振り向けていた。
あいつに犯されるまで・・・あなた以外の男識らなかったのよ。
女は夫婦の床ではみせたことのない腰つきで、巧みに男を昂らせてゆく。

今夜は見ていなさい。運が良ければ、おすそわけに与かれるから。
ポンと肩をたたかれたのは、その邸のあるじだった男。
つい先週まで妻や娘と暮らしていた我が家は、吸血鬼の餌場になってゆく。
出迎えた妻も娘も、戸惑いながら。
それでも言い含められていた村のしきたりにしたがって。
真夜中の訪問客のもてなし方を、心得ていた。

おまえの家族の血が欲しい。
訪問客という名の侵入者は。
仲間に引き入れた男の妻を、まず誘惑にかかっていて。
目のまえに揺らされた指に目線を惑わせた女の首筋に。
長くて太くて鋭い牙を。
夫のときよりも深々と、埋め込んでいった。
花柄のワンピースに撥ねた血に。
きゃっ!
姉娘が、怯えた声をたてると。
動くな。つぎはお前の番だ。
男のひと睨みが、ショッキングピンクのワンピース姿に、くたくたと尻もちをつかせていた。

きゅうっ。
押し殺すような、吸血の音。
畳のうえに組み伏せられた、女子大生の姉娘は。
むっちりとした肉づきの身体をおさめたショッキングピンクのワンピース姿で。
生き血を吸われながら、もじもじと身じろぎをしていた。
灯りに照らし出された発育のよいふくらはぎは。
肌色のストッキングの表面に、なまめかしい光沢をよぎらせていて。
二人めの吸血鬼が、姉娘のふくらはぎに、ストッキングのうえからかぶりつくと。
パチパチとかすかな音をたてて、はじけていった。
三人めの吸血鬼は、その母親を傍らに組み敷いて。
花柄のワンピースの胸もとを力ずくで、押し広げていって。
命じられたままに佇む夫の目のまえで。
落花狼藉の振る舞いに、及んでいった。

ひいっ。
さいごに襲われた妹娘は。
セーラー服の襟首の白いラインに、ばら色の飛沫を散らせながら。
母と姉をさいしょに襲ったやつに、白くて細いうなじを噛まれていた。
父さん・・・助けてぇ。
涙も凍るような声色に、父親は一歩、足を踏み出していたけれど。
べつのやつに、動きを封じられていて。
悪く思うな。その代わり、娘ふたりは、赦してやる・・・と。
輪姦の愉悦に目ざめてしまった男の妻に、のしかかっていって。
なん人めかの花婿になっていった。

妹娘までが、たぶらかされて。
黒のタイツのふくらはぎを、へらへら笑いながら、のべていって。
姉の履いていた肌色のストッキングを噛み破ったのとおなじ歯で。
通学用のタイツを、噛み破らせてしまっている。
ほどかれた胸元のリボンをせしめていったのは、同級生の父親だった男。
娘を餌食にする手引きをさせられた男は、今宵そのときの報酬を受け取ることになっていた。
太ももまでのタイツは、便利なものだな。
うそぶいた男は、少女の片脚からタイツを引き剥いでいった相棒を、盗み見ながら。
少女の血を愉しんだ記念にと。女ものの着衣に執着し、持ち帰ろうとして。
もう片方の脚まで、むき出しの白さに変えていった。

朝―――。
真夜中の喧騒の痕跡は、どこにもない。
慌ただしい朝餉の支度。
無表情に新聞に目を通す、家のあるじ。
寝巻のまま目をこすりこすりして現れた少年は、髪を梳っていない頭のまま、食卓に現れて。
夕べの記憶をひそかに反芻しながら、ご飯にぱくついている。
行って参りまぁす。
娘たちは、セーラー服の襟をなびかせながら。
襟首にちょっぴり残ったシミを、ほんの少しだけ気にかけている。

夜まで・・・出ちゃダメ。
幼馴染の悪友を家に引き入れた男の妻だけが。
残り惜しくなって夜明けを逸した情夫のことを。
真っ暗な夫婦の寝室に、かくまいつづけていた。
夕べから身に着けたままの、ストライプ柄のワンピースに、めいっぱい血を撥ねかして。
なん足めかのストッキングを、チリチリに咬み剥がれた脚を、くねらせながら。
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