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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

晴れの席。

2010年03月25日(Thu) 07:51:00

濃紺のブレザーの肩先に、頭の後ろできりりと結わえた長い髪をゆらゆらと揺らせながら。
髪をひっ詰めておでこの生え際をあらわにした娘の真奈美は、面ざしを輝かせて晴れの席に臨んでいた。
鮮やかなブルーのチェック柄のスカート下は、真新しい白のハイソックス。
いまどき流行らない太めのリブのやつを娘が愛用しているのは。
いっしょにお出かけするとき父親が上機嫌になるのを知っているからだろうか。
今朝も、学校までの短い道のりのあいだじゅう。
てかてか光る肌色のパンストを履いた妻の脚と等分に、
陽の光を照り返す太めのリブのツヤツヤとした輝きに視線を奪われてきたのだった。
父親らしからぬ・・・と、責めるなかれ。
妻を狙った吸血鬼が彼の血を吸い取ってしまったのは、二年前この土地に移り住んですぐのこと。
夫の仇敵であるはずのその男を、いまでは公然たる交際相手に選んだ妻は、
週末いつもいそいそと出かけていって、
好んで脚に噛みつく癖のある愛人相手に、
すっかりすその短くなったスカートから太ももをさらけ出して、
てかてか光るお気に入りのパンストを噛み破らせ愉しませるのが日常になっていたのだから。

真奈美ちゃん、すっかりオトナっぽくなりましたねぇ。
隣から囁いてくるのは、ご近所に住まうやはり卒業生のお父さん。
娘同士が仲の良いこともあって、顔を合わせる機会が多かった。
彼の娘は、真奈美と隣り合わせに座っている長い黒髪のブレザー姿。
優華という名の、娘の親友だった。
チェック柄のスカート、流行っているんですね。
そういう彼のまな娘も、赤いチェック柄のスカートをミニに履きこなしていて、
やはり白無地のハイソックスをひざまでかかるくらいに引き伸ばして履いていた。

式は長時間に感じられた。
その後のことを考えると、よけいにそんな気分がした。
式が終わり、謝恩会もひけてしまうと。
真奈美は優華の家にお招ばれすることになっている。
仲良しの女の子どうしだけの、楽しいパーティのはずが。
まがまがしい吸血の場になることを、すでに親たちも、本人たちも、知らされている。
処女の生き血を好む吸血鬼たちにとって、学校はひとつのパラダイス。
中学に上がると、娘たちは例外なくその毒牙にかかる。
ほとんどの子が親の同意つきで、ごく平和裡に。
順番が先の子は、早くも卒業式の当日に、襲われてしまうお約束だったのだ。

さかんに交わされるはしゃぎ声の下。
連れ立って歩く足許は、申し合わせたようにおそろいの白のハイソックス。
娘たちはいったん帰宅して、卒業証書や記念品を置くと、おのおの約束の家に出かけて行く。
ハイソックスだけは、履き替えて。
大好きな小父さまに、咬ませるために。
真奈美のお相手をつとめるのは、妻の愛人なのだと、妻から告げられていた。
わたくしの血がお口に合ったからなんですって。
まるで世間話のようにこともなげに語る妻に、
まるでごくとうぜんのことのように、こともなげに頷いてしまっていた。

夕方、暗くなってから。
娘はきっと、べそをかきながら戻って来るに違いない。
真新しいハイソックスに、ばら色のシミをそこかしこに撥ねかせたまま。
けれどもそうなるまで待ち切れなかった、愚かな父は。
ご近所の優華ちゃんの家へと、出かけてゆく。
きゃあっ。きゃあっ。
まるで鬼ごっこでもするように、声あげながら逃げまどう少女たち。
うちの真奈美も、そのなかにいる。
束ねた長い髪を、肩先に揺らしながら。
髪をひっ詰めてあらわにしたおでこに、淡い恐怖を滲ませながら。

部屋のなかの鬼ごっこは、すぐに終わる。
思い思いの女の子の、カーディガンを羽織った肩に。
狙い澄ました掌が置かれると、
ひとりが抱きすくめられて、首筋を吸われ。
べつの子が押し倒されて、スカートをひるがえして。
優華ちゃんも。
ほかの女の子たちも。
もちろん、真奈美も。
それぞれに、つかまえられて。
じゅうたんの上、抑えつけられて。
細いうなじを吸わせてしまっている。

ちゅうちゅう・・・
キュウキュウ・・・
ひそやかに熱っぽい、吸血の音が。
窓越しようすを窺う、わたしたちのところまで、洩れてきた。
そう。わたし「たち」。
隣には、優華ちゃんのお父さん。
もう片方には、別の子のお父さん。
あっ、つかまっちゃった。
おいっ、手加減してくれよな・・・
アッ、噛まれちゃった。
みじかい声を、自ら呑み込みながら。
まな娘の受難から、目を放せなくなっている。

色とりどりのスカートから、
すんなり伸びた、発育の良い脚に。
男どもは、てんでにとりついていって。
お揃いの白のハイソックスのふくらはぎに。
思い思いに、唇吸いつけ、舌を這わせて。
しっかりとしたナイロン生地の舌触りを愉しみながら、噛みついてゆく。
ハイソックスを、くしゃくしゃにずり落としていきながら。
脚をくまなく、撫でさすりながら。
わたしたちの娘を、堕としていった。

やられちゃいましたね。
美味しそうでしたね・・・
男どもは仕方なく、力ない声交わし合って。
てんでにわかれてゆく。
そう。なにも知らないことになっているから。
村はずれの納屋のなか。初めて妻を堕とされたとき。
やっぱりそんな声交わし合いながら。
素知らぬ顔で、ひと足さきに、帰宅したものだった。


あとがき
2月22日 8時17分04秒
ですって。
さいしょに描き始めたのが。
どういうわけか途中で止まってしまっておりました。(^^ゞ
おわりがやけにさらっとしているのは、そのせい?
いや、濃くなったか?^^;
もともとそんなにコアに描くつもりはなかったのですがね。
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納屋のなかの卒業式。
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おつかれのようですね・・・

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