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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

吸血鬼のいる村

2010年03月21日(Sun) 23:58:22

~はじめに~

舞方雅人様といえば、こちらにお越しの皆さまはよくご存知かと思います。
そう。先日も2000作めの記事で御紹介した、2005年7月以来毎日記事をアップされている驚異のSS作家さんです。
その舞方さまが、当ブログのために、書きおろしのSSをお送りくださいました。
舞方様、まことにありがとうございます。m(__)m

柏木ワールドまんまなたいとるですが、柏木ワールドにも舞方ワールドにも通じる美学があふれています。
どうぞさいごまで、お愉しみくださいませ。
では、はじまり、はじまり。



「静かなところね。空気が美味しい」
駅から一歩外へ出たところで、結花(ゆか)は深呼吸してそう言った。
「何にもないところだけどね」
ボクはちょっと恥ずかしくなる。
そう。
ここはひなびた農村。
観光名所があるわけでも、温泉が近くにあるわけでもない。
本当に何もないところなのだ。
だから街に暮らしているボクが普段はこんなところへ来ることはない。
今日は特別。
父さんと母さんに結花を紹介する日。
将来を誓い合ったボクの妻になる人を両親に紹介するんだ。

「ちょっと遠いけど、散歩がてら歩こうか」
「いいわ」
ボクは自宅に向かって歩き始める。
すぐに結花がボクの腕に自分の腕を絡めてきた。
「結花・・・」
「恥ずかしい?」
上目遣いでいたずらっぽくボクを見る結花。
「ちょっとだけ」
「いいじゃない。私、こうして歩くの好きよ」
ボクだって嫌いじゃない。
だからそのまま歩いていく。
道の両側には畑が広がっている。
午後の早い時間だから、農作業の人もいる。
ちょっと照れくさいけど、まあいいか。

両側に畑が広がる細い道。
バスは一時間に一本あるかないか。
山間なので畑もそう広いものじゃない。
隔絶された小さな村。
そこがボクの生まれた村だった。

「やっぱりお年を召した方が多いね。若い人はみんな街へ行っちゃうのかな」
さすがにずっと腕を組んで歩くのはつらくなったのか、いつしか結花はボクの手を掴んでいた。
「そうだなぁ・・・いや・・・若い人が少なかったような気もする・・・」
言われてみると、若い男の人は少なかったような・・・
今畑で働いている人たちも、みんな中年以上の男性ばかりだ。
結花の言うとおり、若い男はボクみたいに街へ出ているのかもしれない。
「女性の方がいないね。こういう農作業は家族でやるものかと思ってた」
「ん? 言われてみればそうだな。女の人がいないな」
なんだろう・・・
この村に年取った女の人っていたっけか?

「ねえ、ター君。まさかこの村で暮らすなんて言わないよね? ご両親に私を紹介するだけだよね?」
農作業をさせられる自分を想像したのか、結花が心配そうに訊いてくる。
「大丈夫だよ。ボクは今の会社を辞めるつもりはないし、君だってそうだろう?」
「うん。今の仕事好きだから、できるだけ辞めたくない。子供ができたら別だけど・・・」
そのことは以前から話している。
仕事の好きな結花は、当面共稼ぎをすることにしているのだ。
「こんな田舎じゃ何もないしね。父と母に結花を紹介してそれで終わりだよ。明日は山向こうの温泉にでも行くとしよう」
「賛成。ところで私の格好、変じゃないかしら?」
紺のタイトスカートのスーツを心配そうに見下ろす結花。
おしゃれをするよりも清潔感を出したほうがいいと考え、ビジネススーツを着てきたらしい。
ナチュラルベージュのストッキングが結花の綺麗な脚を飾っていた。
「大丈夫だよ。ボクだってスーツなんだし。でも、なんだか会社の同僚が仕事でいっしょに来たみたいだな」
「うふふ・・・それもそうね」
結花がホッとしたように笑っていた。

「ただいま」
ガラガラと扉を開ける。
古い家なので無駄に広い。
玄関先には父さんの使う農機具が無造作に置かれていた。
「はーい」
奥のほうから若い女性の声がする。
母さんの声だ。
なんだかホッとする。
やっぱり家に帰ってきたという気がするものなんだなぁ。

「どなた?」
パタパタと足音を立ててやってくる母さん。
タバコのにおいがぷんとする。
やっぱりタバコを吸っているんだ。
昔から母さんはタバコが好きだったっけ。

「母さん、ただいま」
「まあ、貴志(たかし)。ごめんなさい、もっと遅い時間かと思っていたわ」
タバコを吹かしながら玄関に現れた母さんは、ボクの姿を見て驚いていた。
ちゃんと時間は言っておいたはずなのに。
まあ、いつも母さんはぼんやりとしたところがあるから、無理もないのかもしれない。
姿を現した母さんは以前とまったく変わりがないようだった。
胸元の開いたブラウスを着て、かなり短いスカートを穿き、ストッキングを穿いている。
爪にはマニキュアをして目元にはアイシャドウ、唇には真っ赤なルージュを塗っていた。
どこかへ出かけるというのではなく、これがいつもの母なのだ。

「は、はじめまして。浅生(あさい)結花といいます。よろしくお願いします」
「まあ、あなたが貴志の彼女なのね。いらっしゃい。どうぞ上がって」
やさしく笑みを浮かべる母さん。
ボクは結花を先導するように靴を脱いで家に入る。
結花はなんだか先ほどとはうって変わって、おどおどしたような感じで付いてきた。

ボクは以前自分が使っていた部屋に行く。
もちろん結花もいっしょだ。
母さんには父さんの事を聞いたが、やっぱり夜に来るものだと思い込んでいたらしく、農作業に出ているとのことだった。
本当はさっさと挨拶を済ませておきたかったが、いないのでは仕方がない。
母さんも父さんを呼びにいくつもりはないらしく、お茶を用意すると言って部屋を出て行った。

「はあ・・・驚いたぁ。ねえ、ター君、あの方本当にター君のお母様なの? どう見たってお姉様って感じじゃない?」
「ははは・・・母は昔から若く見られる人なんだよ。ボクを生んだ頃からほとんど変わってないんじゃないかな。もういい加減あんな派手な格好はやめればいいのにね」
「信じられない。どう見たって30代前半よ。失礼だけどおいくつなの?」
結花はよほど母の格好が若々しいのが気になったんだろう。
「もう50過ぎだよ。当たり前だろ。ボクだってもう27なんだから」
「信じられないわ。お化粧のせいかしら・・・」
首をかしげている結花。
まあ、母親が若く見られるってのは悪くないけどね。

「ゆっくりしていってちょうだいね。父さんも夕方には戻るはずだから」
母さんが茶を持って来てくれる。
「ちゃんと午後には着くって言っておいたのに・・・」
「ごめんね。母さんのミスだわ。あ、結花さんはタバコは吸う?」
「あ、私は吸いません。どうもタバコは苦手でして」
結花が申し訳なさそうに母さんに言う。
さっきから煙そうにしているのだ。
母さんも気がついてくれればいいのに。
「そう? 美味しいのにね。まあいいわ。何もないところだけどゆっくりしてて。あとでいいことがあると思うから」
「いいこと?」
「そう、いいことよ。おとなしくしてなさい。スーツ姿の結花さんにムラムラしたからって、襲ったりしたらだめよ」
「ばっ! か、母さん!」
俺がびっくりして何も言えない隙に、母さんは笑いながら出て行った。
なんなんだ、まったく・・・

結局ボクたちは手持ち無沙汰のまま時間を過ごすことになる。
結花と他愛もない話をしたりしていたけど、お互いに普段と違う環境にいるせいか、会話もあまり弾まない。
自然と無言で部屋にあった本などを読んで過ごすしかなかった。
「ねえ・・・ちょっと見て」
することがないせいか、窓の外を見ていた結花がボクを呼ぶ。
「どうしたの?」
なんとなく億劫で、立ち上がるのを躊躇する。
「いいから見て。ちょっと変じゃない?」
「変?」
なんだか不安そうな表情の結花に、ボクは腰を上げて窓のそばへ行った。
「どうしたの?」
「あの人・・・さっきからトラクターを動かさずにこっちのほうをじっと見ているような気がするの。変じゃない?」
「ん?」
結花の示すほうには、畑の中に一台のトラクターが停車していた。
その運転席には初老の人物が座っていたが、確かにこの家のほうを見ているような気がする。
「ね? 言ったとおりでしょ?」
「うん、まあ・・・でも、農作業の休憩中かもしれないし・・・」
「でもずっとよ。変じゃない?」
結花はとっくに休憩中という考えは排除しているのだろう。
でもなぁ・・・
農家の作業なんてよく知らないし・・・
あれはあれで大事なことかもしれないしなぁ・・・
「なんだかここを見張っているみたい。私たちが窓から逃げ出さないように・・・」
「ぷっ」
ボクは思わず吹き出した。
「なんだいそれ? ボクたちを見張ってどうするのさ。考えすぎだよ、結花」
ボクは窓から離れて座りなおす。
「でも・・・」
結花は納得しない様子だけど、だいたいボクたちを見張ってどうするというのさ。
ボクたちはただ実家に戻ってきただけなんだし、見張る理由なんて・・・
ああ、もしかしたらボクが女の人を連れてきたというので、気になって見ているのかもしれないな。
きっとそうだ。
うん。

ドアがいきなり開けられる。
ボクと結花は驚いてドアのほうを見た。
そこには父さんが立っていた。
結花から見れば、ちょっとくたびれた感じの中年男性に見えるかもしれない。
「父さん」
「貴志」
思わず懐かしくなったボクだったけど、父さんは険しい顔をしてボクをにらんでいる。
どうしたのかな?
あんまり早く来たから農作業が途中になっちゃったのかな?
「父さん、彼女が・・・」
「そんなことはいい」
ボクが結花を紹介しようとしたのを途中でさえぎる父さん。
いったいどうしたんだろう。

「貴志。なぜ帰ってきたんだ。すぐに彼女を連れて街へ戻れ!」
「えっ?」
「あれほど二度とここには来るな、街で一生暮らせと言っておいたのを忘れたのか? 早く出て行くんだ! 手遅れにならないうちに!」
「と、父さん・・・」
ものすごい剣幕で怒っている父さん。
二度と来るな・・・?
そんなこと言われていた・・・?
「この娘もあのお方に捧げるつもりか? この娘と一緒になりたいんなら早く出て行くんだ!」
あのお方?
あのお方?
あのお方・・・?
何かがぐるぐると頭の中を回る。
何か・・・
何かをボクは忘れている・・・
いったい何を・・・?

「あ、あの、はじめまして。私、浅生結花と申します。貴志さんとは・・・」
ボクと父さんが何か変な雰囲気なのを察したのか、結花が自己紹介する。
「挨拶などいいから、早く逃げるんだ!」
「あら、どこへ逃げるというのかしら?」
父さんの後ろから冷たい声が聞こえてきた。
「母さん・・・」
「聡子(さとこ)・・・」
部屋に入ってきた母さんはタバコを咥えて、なんだか冷たい笑みを浮かべていた。
「私があのお方の下に行っている間に何の悪巧み? そんなことをして私に触れられなくなってもいいのかしら?」
「ああ・・・聡子・・・聡子様・・・俺はそんなつもりは・・・」
急にがくがくと震えだしてへたり込む父さん。
いったいどういう・・・
母さんの目・・・
赤い・・・
「うふふふ・・・そうよねぇ。お前は私の脚が好きなんだものねぇ」
いやらしく笑って父さんにタバコの煙を吹きかける母さん。
ああ・・・
なんていやらしいんだろう・・・
「ああ・・・そうです。聡子様の脚が・・・このストッキングに包まれた脚が大好きなんです」
すがりつくように母さんの脚にしがみつく父さん。
父さんと母さんってこんな感じだったっけ・・・?
「うふふ・・・あっちでおとなしくしてなさい。いろいろと終わったら、私の脚を存分に舐めさせてあげる」
「ああ・・・聡子様・・・あそこも踏んでくれますか?」
上目遣いで母さんを見つめる父さん。
「うふふ・・・いいわ。今日は足コキもしてあげる」
「ああ・・・ありがとうございます。聡子様」
「じゃ、いい子だからあっちへ行ってなさい」
「はい。聡子様」
そそくさと出て行く父さん。
ボクには何がなんだかさっぱりわからなかった。

「うふふ・・・結花さん、この村へようこそ。さあ、いらっしゃい。今日からあなたのご主人様となるお方がお待ちかねよ」
「えっ? 私の?」
いきなりそう言われ、驚いている結花。
ご主人様ってどういうことなんだ?
「母さん、いったいどういうことなんだ? いったい結花をどうするつもりなんだ!」
ボクは思わず結花を背後にかばう。
変だ・・・
何かが変だ・・・

「うふふふふ・・・」
笑い出す母さん。
一口タバコを吸い、煙を吐いて言葉を続ける。
「よくやったわ、貴志。私の指示通りに街で素敵な女性を見つけてきたわね。あのお方も彼女ならきっとお喜びになられるわ」
「指示通りって何だ! あのお方っていったい誰なんだ!」
「あのお方はあのお方よ。この村の支配者様。そして私のご主人様」
「母さん・・・」
何を言っているんだ?
母さんは父さんの妻じゃないのか?
「うふふふ・・・忘れるように言ったからすべて忘れちゃったのね。でも、もういいの。お前の役目は終わり。お前は立派に役目を果たしたわ」
「役目って・・・役目ってなんだよ・・・」
ボクの頭の中で渦巻いていたものがだんだんはっきりしてくる。
ボクは・・・
ボクは・・・結花を・・・

「お前の役目は新たな女性を村に連れてくること。あのお方の新たなしもべとなる女性をね。お前はその役目を立派に果たしたわ。あとは父さんといっしょにこの村のために働きなさい。ちゃんと働けば、結花さんの脚ぐらいは触らせてもらえるかもよ。あははははは」
高らかに笑う母さん。
思い出した・・・
全部思い出した・・・
ボクは・・・
ボクは餌だったんだ・・・
この村に新たな女性を連れてくるための餌だったんだ・・・

いつのころかこの村にやってきた吸血鬼。
そいつは村の女性を虜にして、この村を支配した。
吸血鬼に襲われた女性はみな、男には抗いがたい魔の魅力を持たされる。
その魔の魅力で男たちを骨抜きにし、奴隷のように扱うのだ。
母さんもボクが子供の頃に吸血鬼に襲われて・・・
それ以来吸血鬼の言いなりになるようになってしまったんだ。
母さんは歳を取らないままに父さんを魔の魅力でもてあそび、ボクには暗示をかけてその生活が普通のことだと思わせた。
そして大学進学にあわせて何もかもを忘れさせて街へと放出し、餌として女性を連れてくるよう仕向けられたのだ。
ボクはそれと気付かないままに、結花を吸血鬼のいけにえに差し出そうとしていたんだ。

「だ・・・だめだ! 行かせない! 結花は行かせない!」
ボクは必死で結花をかばう。
「ふふふ・・・バカな子ねぇ。もう遅いのよ。さあ、結花さん、いらっしゃい」
「はい・・・」
「えっ?」
ボクは背後で結花が返事をしたのに驚いた。
思わず振り向いたボクは、結花がうつろな目でふらふらと歩き出すのを目の当たりにした。
「結花!」
手を伸ばして結花を掴もうとしたボクだったが、母さんの目が赤く輝くと、急速に視界が暗くなる。
そしてそのままボクは意識を失ったのだった。

                   ******

「ター君・・・ター君」
ボクの名を呼ぶ声がする。
深い闇の中から引き戻されるような感じで、ボクは目が覚めた。
「ああ、気が付いた? よかった・・・」
目を開けたボクの目の前には、かがみこんで覗きこんでいる結花の顔があった。
なんだろう・・・
どこかいつもと違う結花の顔だ・・・
「結花・・・あっ」
ボクはすぐに身を起こす。
こんなことをしていられない。
すぐにこの村から逃げなくちゃ・・・
「結花。よかった。無事だったんだね? 急いで支度するんだ! ここから逃げよう!」
ボクは結花の両肩をつかんでそう言った。

「ふふっ」
すると結花は小さく笑い、ボクの手をすり抜けるように離れていく。
そして向かい側にある椅子に座ると、すらりとした脚を組んだ。
あれ?
どうして素足なんだろう・・・
確かナチュラルベージュのストッキングを穿いていたはずなのに・・・
「どうして逃げなくちゃならないの?」
「えっ? どうしてって・・・」
この村には・・・
「私はいやよ。私はもうこの村の女なの。今日からはこの村に住むわ」
「結花・・・」
ボクは言葉を失った。
わかってしまったのだ。
結花は・・・結花はもう・・・
「結花・・・君はもう・・・」
「うふふふ・・・」
妖しく笑う結花。
よく見ると、ここへ来たときは付けていなかったアイシャドウや真っ赤な口紅なんかも付けている。
先ほど感じた違和感はそのせいだったんだ・・・
「ええ、そうよ。私はもうあのお方のもの。あのお方の洗礼を受けたのよ」
「結花・・・」
「うふふ・・・あのお方は私の脚を気に入ってくださったの。じっくりと舐めて愛撫してくれて、それからチュウチュウって太ももから血を吸ってくださったわ。とっても気持ちよかった。ストッキングがツツツッて伝線していったとき、ああ、愛されているんだって感じたの」
そのときのことを思い出したのか、結花はうっとりとした表情を浮かべている。
ボクは絶望感に打ちひしがれた。

「ねえ、ター君」
「なに?」
「あのお方のものになってしまった私は嫌い?」
ニヤニヤと笑っている結花。
ああ・・・
この笑み・・・
赤くなってしまった目・・・
とても逆らえるものじゃない。
これが吸血鬼によって与えられてしまった魔の魅力なんだ・・・
ボクは結花の問いかけに、首を振るしかできなかった。

「よかった。ター君ならわかってくれると思ったの。あの両親の血を引いているんですものね。ター君なら立派なマゾ奴隷になれるわ」
結花はポケットからタバコを取り出すと、口に咥えて火を点ける。
ボクは驚いた。
結花はタバコが大嫌いだったはずなのに・・・
これも吸血鬼のせいなのか?
「結花・・・タバコも吸うのかい?」
「ん? ああこれ? ええ、あなたのお義母様に教えていただいたの。あのお方はタバコを吸う女性が好きなんですって。吸ってみたけど美味しいのねぇ。好きになっちゃったわ」
細い指でタバコをはさみ、美味しそうに煙を吐き出す結花。
その姿はとても美しい。
「結花・・・」
「だめよ、ター君。今日からは私のことは結花様って呼ぶの。あなたはもう私の奴隷なんだから」
奴隷・・・
ああ・・・
なんてことだろう・・・
結花の赤い目で見つめられたらもう逆らえない。
なんて甘美な言葉だろう。
ボクはもう結花の奴隷にされてしまったんだ・・・

「結花・・・様」
「ふふふ・・・これであなたは私のもの。私の奴隷になったのよ。これからは私があなたを支配してあげる」
満足そうにボクを見る結花。
ああ・・・そうだ。
ボクはもう結花の奴隷。
結花様のものなんだ。
「ねえ、貴志。あなたはどこがいい? お口? 胸がいい? それともこの脚かしら?」
組んだ脚をぶらぶらさせる結花。
ああ・・・どうしよう・・・胸もいいけど・・・やっぱり・・・
「脚・・・脚でお願いします」
ボクは結花様の前で頭を下げる。
「うふふ・・・やっぱりね。いいわ。これからあなたが触れることができるのは私の脚だけ。それ以外はあのお方のものよ。いいわね」
見せ付けるようにつま先を前に出してくる結花。
ボクは思わず何度もうなずいていた。
「どう? 触りたい? それとも舐めたいのかしら?」
「ああ・・・舐めさせて・・・舐めさせてください、結花様」
「うふふ・・・いいわ。ちょっと待ちなさい」
ボクの舌先が触ろうかというあたりで、スッとつま先を引っ込めてしまう結花様。
バッグの中から新しいストッキングを出して穿いていく。
滑らかな結花様の脚がつややかなナイロンに覆われていく。
ボクはただそれを見ているだけで、股間が硬くなっていくのを止められなかった。

                    ******

この日からボクは結花様の奴隷となった。
そして父さんといっしょに村で農業をやっている。

結花様はあのお方のしもべの一人となった。
そしてときどき母さんとともにあのお方に血を吸われに行っている。
あのお方の趣味のせいか、結花様も母さん同様に派手な化粧をしてタバコを吸うようになっていた。

結花様の身も心もあのお方のもの。
ボクはときどき結花様のお許しのあるときだけ、結花様のおみ脚を舐めさせてもらっている。
多くはあのお方に血を吸われに行ったときで、太ももから伝線したストッキングのままつま先を舐めさせてもらうのだ。
そして、結花様の機嫌がよいときは、そのままボクの固くなったモノを脚でこすってもらうことができる。
ナイロンに包まれた結花様の脚でこすられると、ボクのものはあっという間に白濁液を出してしまうので、いつも結花様に笑われる。
それがとても気持ちよかった。

もうボクはこの村から離れることはできない。
次の餌はまた誰か別の男が選ばれるだろう。
ボクはこのまま一生をこの村で過ごすのだ。
父さんと同様に、いつまでも若いままの結花様のそばで一人だけ年老いていく。
そしてボクが死んだとき、結花様は晴れてあのお方のもとへ行くのだ。
でも、それまではボクのそばにいてくれる。
ボクはそれだけで満足だった。

END
前の記事
邪悪な女の子。
次の記事
謝罪広告。m(__)m

コメント

公開ありがとうございましたー。
ここを訪れます皆様に、楽しんでいただけますとうれしいです。
by 舞方雅人
URL
2010-03-22 月 01:43:38
編集
> 舞方雅人様
こちらこそ、ありがとうございます。
舞方さまのおかげで、枯れ木も山のなんとやらの当ブログにも華が咲きました。
これからもよろしくお願い致します。

~私信~
ご依頼の件、さきほど作業をいたしました。
重ね重ねのご配慮ありがとうございます。
by 柏木
URL
2010-03-22 月 11:31:20
編集

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