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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

おそろいのアイシャドウ

2010年04月13日(Tue) 06:50:55

あら~、智香子ちゃん。ママにアイシャドウ塗ってもらったの~?
おばの一人がさも悦ばしそうに、得意になって照れている少女をほめそやす。
アイシャドウにはまだ早すぎるこの中学入学まえの少女を、
周囲に集まる親戚一同も、眩しげに注目するのだった。
そういうおばも、おなじ色のアイシャドウ。
智香子の母も、まったくおなじ色のアイシャドウ。
うちの母さえもが、蒼々としたアイシャドウ。
不自然すぎはしまいか?
だれもかれもが、瞼のうえにくっきりと。
蒼すぎるほど蒼い染料を、まるで申し合わせたようにして。
毒々しく滲ませているのだった。

そう。
この毒々しい染料は、女の手で塗られるのではない。
その女の血を吸って、心の奥までモノにした邪悪なものたちが、
己の所有に帰した獲物に、ひっそりとしるしてゆく刻印。
まるで服の下に隠されたタトゥーを見せびらかすように。
支配されたという証しを、女たちはこれ見よがしに見せつける。

目のまえで無邪気にはしゃぐ、カーディガン姿の少女。
彼女の身に夕べ、いったいなにが起きたのか。
公然の秘密を抱え込んだ彼女の父親と、ひっそりと苦笑を交えた目線を交わす。
ストッキングをたしなむ妻に。
ハイソックスがお気に入りの娘。
そのどちらもが、惜しげもなく。
良家の子女にふさわしい装いを、凌辱にゆだねていったなどと。
男親としては、口にすることはできないだろう。

ぼくの傍らにひかえている令子は、秋に挙式予定の未来の花嫁。
その彼女にしてまでが、おなじ色のアイシャドウ。
あなたも、経験済みなのですね。
智香子の父は、そう言いたげに。
ぼくたちふたりを、見比べている。
視線を感じた令子のやつ。
ばれちゃっているのね。そう言いたげに。
むしろ得意げに、ぼくの顔を、覗き込む。
わたしもあなたのご一家の仲間入りを、果たしたのね・・・

彼女の好む、濃いグレーのストッキングを。
緋色のスーツのすその下から、不埒な唇に剥ぎ堕とされていったのは。
智香子の母が、初めてものにされる、まえの晩。
わたしの母が、手本にと。
えび茶のスーツの下装った、肌色のストッキングの脚を、
ぼくや父のまえで、さらけ出して。
惜しげもなく噛み破らせてしまった、すぐあとのことだった。

いいお味だ。処女の生き血は好ましいの。
夢見心地になってしまった令子の髪を、あやすように撫でながら。
男はなん度めかの口づけを、血に染まったブラウスの肩先に沈めてゆく。
令子さんにも、経験させてあげたら・・・?
ブラウスを剥ぎ取られた母は、えび茶色のジャケットを抱えて、
おっぱいを息子の視線から遮りながら。
自分のスカートを、たくし上げて。
透明な液体をぬらぬらさせた裏地を、見せびらかした。

とても素敵だった。似合いのお二人だね。
父は母を、冷やかしながら、顔上向けて、閉じた瞼に。
たんねんに、刷り込むようにして。
蒼のアイシャドウを、愛する妻に、塗ってゆく。
そうして意味深な笑いを、浮かべながら。
自分の妻に塗ったばかりのアイシャドウを、ぼくに手渡してくれたのだった。
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