FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

夏の合宿。秋のバスツアー。

2010年05月16日(Sun) 06:30:08

高校生活さいしょの夏。
娘は合宿先で、大人の女になって戻ってきた。
あとで聞いたところによると、
処女破り合宿。
そんなふうに呼ばれているらしい。
潔癖にいやいやをして羞ずかしがる、さいごのひとりが堕ちたとき。
合宿は初めて、その日程を終了する。
おくてな娘は、さいごのひとりだった。
太ももからしたたり落ちたバラ色の血を、白のハイソックスに付着した赤黒いシミに変えたまま。
仲良し同士連れだって、家に戻って来たという。
知らぬは父親ばかりなり。

その年の秋。
妻あてに届いた、バスツアーの招待状。
行き先は娘の合宿と、おなじ村。
生徒のお母さんたちが集められたツアー先で、
妻は娼婦になって、帰宅した。
あとで聞いたところによると、
貞操を捨てる旅。
そんなふうに呼ばれているそうだ。
かたくなに拒みとおすさいごのひとりまでもが、堕ちたとき。
ツアーはようやく、その行程を終える。
貞淑だった妻は、さいごのひとりという誇らしい座を獲得したそうだ。
さいごまで、着飾ったスーツを紅葉に塗れさせながら、
みんなの拍手のなか、堕ちていった。
知らぬは夫ばかりなり。

今年の春は、みんなでピクニックに出かけようか。
行き先は娘が女になり妻が娼婦にされた、あの村。
こんどはわたしが、助平な夫を演じに訪れる番。
あとで聞いてみたら、
愉しい家族ツアー
そういうものにわたしが参加しようなどとは、妻も娘も思っていなかったらしい。
覗き見する、納屋のなか。草むらの向こう側。
都会の服に装った女たちが、それは愉しげに堕ちてゆく。
帰り道につくときは。
村じゅうの男衆が、わたしに握手を求めてきた。
家族全員が、素知らぬ顔を決め込みながら。
パパにはナイショ。主人には言わないでね。
聞こえないふりをした背中越し、いけない囁きが鼓膜をくすぐった。
前の記事
三人めの訪問者
次の記事
墓前の母娘

コメント

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/2087-e25242b7