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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

堕ちた女教師 ~狙われた女学校~

2010年05月28日(Fri) 06:31:21

お話になりませんわ。
薄めの紅を刷いた唇の下、ブラウスのリボンがかすかに揺れた。
うちの生徒の血を、吸わせるわけにはまいりません。
垣之内教師は、嫌悪に目を引きつらせ、訪問客の申し出を拒否していた。
いったいどこの世界に、こんな理不尽な申し出があるというのだろう?
女学校を訪れた、目のまえの黒衣の男。
校長の紹介だと称して面会を求められ、ただひとつの要求は。
受け持ちのクラスの生徒の血を吸わせてほしい。
あまりにもこともなげな言い方に、生真面目な若い女教師はしばし絶句してしまったものだった。

ふふふ・・・
叱声まじりの却下に、男は動じたようすもない。
もとよりそんな反応は、とっくに計算済みだったといわんばかりだった。
でも貴女は、私の云う事を聞かざるを得ない羽目になりますよ・・・敦子さん。
名前を呼び捨てにした男は、やおら立ち上がって、
つぎの瞬間、女教師のブラウス姿に己の身を重ね合わせていったのだ。
うう・・・っ
女教師の整った目鼻立ちが、苦痛にゆがんだ。

貴女も処女だったのですね。
さっきまで己の体内を脈打っていた血潮が、目のまえの男の口許からしたたり落ちているというのに。
垣之内教師はうっとりと襲撃者を見あげ、細い指を相手の唇にあててゆく。
すう・・・っ、と撫でた指先に、バラ色のしずくが輝いていた。
男は女の手を取って、血のついた指先を女の唇に含ませてゆく。
ちゅっ。
お行儀のわるい音に、女教師はさすがに肩をすくめて・・・小悪魔な笑みを滲ませた。
ホームルームがおわったら、愉しい放課後。そいういうことだね?
男の言い草に、女は笑って応えている。
仰るとおりですわ。貴男様は髪の毛の長い女の子がお好き?
セットした髪をほどいた女は、肩先まで流した黒髪を、男の手ににぎらせてもてあそばせていた。

出席番号一番から五番まで、きょうは居残り学習です。
えー!?
そろって不平の声をあげた五人の女生徒は、そろって肩をすくめて視線を交わし合った。
制服汚すわけにはいきませんから、脚からにしてくださいね。
招かざる来訪者をキッと見据える目つきだけは、正気のときとおなじだったが。
女教師の足許も、肌色のストッキングをちりちりに伝線させてしまっている。
先生、これお手本ですか?
出席番号一番の女生徒は、垣之内教師の足許を指差すと。
あんまり視ないで頂戴。
先生はさすがに羞ずかしそうに、脚をすくめていた。

人けのなくなった教室の隅。
前後に並んだ椅子に横座りをして、黒のストッキングの脚を並べた女生徒たちは、
足許にひとりずつかがみ込んでくる黒衣の来訪者たちを見おろしながら、
黒のストッキングに走る蒼白い伝線を、面白そうに窺っていた。
―――なかには、人妻がいいというやつもいるからね。
男は垣之内教師の耳元に、囁いている。
―――あんたの教え娘を手なずけると、きっとお母さんを誘い出させるんだろうな。
男は舌の先を尖らせて、うなじにつけた傷口をツンツンとつついている。
女教師はたまりかねて、くすっ、と、笑いをこぼした。
はしたない笑いかただった。
ふふ・・・ふふふ・・・うふふふふっ・・・
ブラウスのリボンを揺らしながら、女はすりむけたパンストの脚を、すこしずつ崩していった。
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コメント

お久しぶりです
夫がでてこないので、柏木様的にはあまり好きじゃない話なのかもしれませんけど、夫が覗いていないこういう話が私的には好みです。
楽しませていただきました。
by 舞方雅人
URL
2010-05-29 土 08:57:41
編集
「夫」という名前のピース
>舞方雅人さま
いらっしゃいませ。^^
思い浮かんだお話を頭のなかで推敲しながらキーを叩いてそのまま仕上げちゃう柏木のなかでは、
キーを叩いているさいちゅうに、いろんなピースが入り込んだり除去されたりしていくんです。
今回のお話は堕ちる女教師が主役なので、生徒の家族はつけたりです。
どこまでエスカレートさせるかはお話を描くときのパワーとか、どこに力点を置くのかとかで変わってきますが、
今回は「夫」を登場させる意図はあんまりなかったのですよ。
描いている途中ちらちらと見え隠れしたのは事実ですが。 笑

柏木のなかで「夫」はひとつの重要なピースですが、必須のものというわけではありません。
「近親」「女装」「処女喪失」「田舎の因習」「怪人」
このあたりと同格かな?^^
もっとも必須なピースはたぶん、アレかアレなんでしょうね。きっと。
ええ・・・もちろん、ナイロン製の。^^
by 柏木
URL
2010-05-30 日 22:14:26
編集

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