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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

採血のお時間ですよ。

2010年05月31日(Mon) 07:44:13

患者さーん。採血の時間でーす!
薄い唇を目いっぱい大きく開いて。
看護婦の橘智香子は、トレイのうえに注射器をカチャカチャいわせながら、病室に現れる。
個室病棟の患者は、注射に怯えるようにして。
頭からすっぽりと、布団をかぶっていた。
はい!患者さん。採血ですよ~?
看護婦はつとめて明るい声をつくって、患者にもういちど、呼びかけた。
おずおずと布団から顔を出した男は、痩せこけた蒼白い頬を迷惑そうに歪めながら、
抛りだすようにして、パジャマの腕を出す。

ギュギュッと二の腕を、縛られて。
ツンとするアルコール液を、脱脂綿で塗りつけられて。
すーすーするのが、たまらないのだ・・・
患者は心のなかで、舌打ちをする。
あらー?血管がわからない・・・
いつまで経っても浮き上がってこない静脈に、
看護婦が目を細めながら、顔を近寄せたとき。
うおぉ・・・
患者はいきなり起き上がり、看護婦の首筋にかぶりつく。
きゃあ・・・っ。

ぴったり閉ざされたドアの向こうに洩れた悲鳴に、気づいたものはだれもいない。

う、ふ、ふ、ふ・・・
採血の時間だよ。
吸血鬼は本性もあらわに、黒のマント姿。
怯えきった看護婦は、ベッドに横たえられて。
さっきまで看護婦が立っていた枕元と、場所を入れ替わった吸血鬼は、
血の滴った首筋をもういちど、侵しにかかる。
ひいいぃぃ・・・っ。
ちゅーっと吸いあげられる血に、目をまわした看護婦に。
血が怖くって、病院勤めがつとまるのかね?
吸血鬼は嬉しげに、女の足許ににじり寄り、
サンダルを脱がされて心細げに足指を曲げた、白のストッキングのつま先を。
ぺろりと長い舌で、なぞっていった。

ギュギュッと身体を、縛りつけて。
いやな匂いのする唾液を、そこかしこに塗りたくられて。
ストッキングにまとわりついたよだれが、ひどく淫らに思えてきて。
看護婦は心のなかで、舌打ちをする。
いやらしい・・・いやらしいわ・・・
んー、いい舐め心地じゃの。今少し、愉しませてもらおうか。
なまの唇とべろに、いたぶられて。
女は足許を、いっそう堅くこわばらせていた。

ぶちっ。ぱりぱり・・・っ。
ふくらはぎに吸いつけられた唇に。
白の薄々のストッキングは、他愛なく裂け目を広げて。
脛の周りから、みるかげもなく、剥ぎ堕とされてゆく。
厭っ。厭っ。
ゆるくかぶりを振る看護婦は、頬を白く透きとおらせて。
ジューシィなピンク色に輝いていた白ストッキングのふくらはぎも。
今や蒼みがかった土気色に変色しようとしていた。

さぁ、血を吸い尽くされたくなかったら。
お前の仲間を、連れてこい。
二人か、そう・・・三人もいればよいな。
きょうじゅうに三人、べつべつの時間に、採血にこさせるのだ。
婦長には、とっくに話をつけてある。
あの女、今朝はてかてかのストッキング履いていただろう?
あれはわしに、忠節を誓った証しなのじゃ。
昼過ぎにはの、あのてかてか光る白ストッキングを、デザート代わりにしゃぶらせてくれるという約束なのだ。
嘘だと思うなら…覗いてみるがよい。^^

若い看護婦は吸血鬼の云うままに、婦長と患者の情事を見届けて。
ベッドから抜け出した婦長のストッキングの伝線を、同僚が気づくまえに。
その日勤務していた若い看護婦を三人とも、たったひとりの入院患者のもとに、採血に送り出していた。
―――採血する側とされる側が、入れ替わりになるあの病室へ。

あーれー。
病室のドア越しに響く悲鳴は、院長夫人のものだった。
たまには色違いのストッキングも、愉しいの。
部屋の隅に追い詰められて尻もちをついた、ピンクのスーツから覗くのは。
肉づきたっぷりの、ジューシィな太もも。
男は荒々しく、スカートをまさぐりあげると。
値の張りそうな薄々の肌色ストッキングの、なめらかな舌触りを、なぞるようにして愉しんでから。
がっちりとした肉のついた太ももの一角に、嬉しそうに牙を埋める。
きゃー。
う・ふ・ふ♪いい噛み応えだ。
牙を撫でる指先を、女はぐいとつかまえて。
自分の口許へと、持っていく。
あー、おいしいのね。わたしの血。どうぞいま少し、召しあがれ。
理性をなくした女は、がぶりとやられた首筋の下。
たらたら流れる熟れた血潮が、自慢のネックレスを浸すのを。
むしろ嬉しげに、かぶりを振って。―――笑いこけていた。

深夜のナース・ステーション。
今夜の当直は、理解のあるスタッフと交代しました。
表情を消した婦長と、院長夫人はそういって。
白くどろどろとした粘液の乾き切らない白衣とスーツのすそを、ひるがえしていった。
採血・・・ですね?
ナースステーションの入り口で、おずおずと尋ねるのは。
あの日はじめて餌食にした、若い看護婦。
そうじゃ、採血の時間じゃよ。
理解のあるスタッフは皆、キリリと結いあげていた黒髪をほどいていて、
そろってお嬢さんのみたいに肩に流している。
う、ふ、ふ、ふ。
お前たちの若い血は、白衣によく映えることじゃろう・・・
今夜も、長い夜になりそうだった。
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