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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ラインの入ったハイソックス

2010年06月04日(Fri) 07:34:32

―――その昔、男の子もライン入りのハイソックスをふつうに履いていたころのお話です。

制服に着かえるのが、面倒くさくって。
練習帰り、短パン姿で下校して。
立ち止まったのは、公園まえの砂利道だった。
やっぱりお前か。
送った苦笑いに、照れ笑いがかえってくる。
相手は幼馴染みのユウゾウだった。

三男坊に生まれた彼は。
家でただひとり選ばれるしきたりの、吸血鬼になっていて。
齢のはなれた兄ふたりは、親がわりになって血を吸われ、
兄嫁や未来の兄嫁の血まで、口にするようになっていた。
そんなかれが、通っている学校で。
女子生徒が毒牙にかからないわけはなかったけれど。
しきたりに忠実な学校の先生たちは、だれもが見て見ぬふりを決め込んでいるのだった。

評判だぞ。お前。
ははは・・・・そお?(^^ゞ
図星を指されたユウゾウは、照れ笑いをいっそう濃くしていった。
真知子と悦美、襲っただろ?
あっ、ばれた?^^;
ラインの入ったハイソックス履いていると襲われるって、もっぱらの評判だって。
同い年なのに、弟を諭す口調になっているのは。
吸血鬼の彼よりも、人間のタクオのほうが、力関係で優位になっていたから。

評判になっている そういうわりに。
流行りのライン入りハイソックスを履く生徒がそんなに減ったようすがないということは。
噛まれる習慣を身に着けてしまったものが、それだけ増えた・・・ということなのだろう。
げんにタクオも、そういう一人だった。
しょうがないやつ!
投げやりに言い放ちながらも、道を外れて立ち寄った公園のベンチの上、腰かけて。
短パンの下脚に通したハイソックスを、ひざ小僧の下まで引き伸ばしてやっている。
すりつけられた唇が、かたほうのハイソックスをずるずると引きずりおろして、
もう片方のハイソックスを持ち主の血で彩るのを。
少年はくすぐったそうに、見おろしていた。
やがて、クスッと笑った少年は。
口許にじぶんの血をにじませた幼馴染に、囁いていた。
これ・・・妹のやつなんだぜ?
ばかみたいに狼狽する吸血鬼を、少年はさも愉快そうに笑っている。

見るか?
まるで宝物を、見せびらかすように。
制服のポケットからだいじそうに取り出したのは。
ライン入りのハイソックスが、二対。
どちらもふくらはぎのあたりに、持ち主のふくらはぎのなだらかさを残していて。
そしてどちらもが、赤黒いシミをべっとりと滲ませていた。
悦美・・・
きのうの被害者のひとりの名を、口にするのを。
同性の足許に夢中になって唇這わせるものは、聞き咎めただろうか?
知らずにしたこととはいえ、それは血を分けてくれる少年の恋人の名前だったということも。
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