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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

今夜は娘たちを、連れてきましたよ。 ~真夜中の公園~

2010年07月05日(Mon) 05:10:24

真夜中の公園は。
夜眠れないものたちが集まる場。
その夜も。
いくたりもの同種の獣たちが、言葉少なにより集まって来て。
己の牙を撫でながら。
互いの牙を撫でながら。
憐れみ合うようにして、首筋を見せ合い、ふくらはぎをさらけ出して。
乏しい血潮を、吸い合うのだった。

がさがさっ。
下草を踏みしめる足音に、俺たちはいっせいに振り向いた。
佇んでいるのは丸顔で色白の、初老の婦人。
だれかと思えば。
婚約者の光江の母親だった。
こんばんは、小母さん。
いくたりかのものたちが、親しげに会釈の声を洩らすのは。
このひとがしばしば、こぎれいに装って。
この真夜中の公園という、物騒な場にあらわれて。
ほほ笑みながら、血を恵んでくれるからだった。
今夜も。
花柄のワンピースに、白のパンプス。
こうこうと照り渡る街灯に、照らされて。
どうやら真新しいものらしい肌色のストッキングが、ツヤツヤとなまめかしい光沢をよぎらせている。
今夜は娘たちも、連れてきましたの。よろしくね。
もの柔らかな声色に、俺はどきりと胸のうちを波立たせる。

長女の光江は、十七歳。
次女のまどかは、十三歳。
それぞれ通っている学校の制服姿。
光江は黒のストッキングに脛をなまめかしく染めていて。
まどかの脛には、真っ白なハイソックスが眩しかった。
齢相応の、足許の装いも。
母親のチェックを経たものだろう。
いつも母親が、明け方帰宅してくるとき。
ストッキングを穿いた脚をむざんに噛み破られてしまっているのを。
娘たちもそれとなく、気づいているはず。
面ざしの良く似た姉妹は、白い頬を羞ずかしげな上気にはずませて。
互いの脚を、見比べ合って。目交ぜして。
―――どうぞ、お手柔らかに・・・
光江が姉妹を代表するかのように、お行儀よく頭を垂れる。

周囲のだれもが、光江の立場を知っている。
お母さんはとりなすように、俺を見て。
妬きもち妬いたら、いけませんよ。
貴方もだれかの妹さんや彼女から、血を分けてもらっているんですからね。
お母さんの声色は、あくまでおだやかで優しかった。
コウジロウくん、悪いね。
ごちそうになるね。
連中も、いつもとちがって神妙な顔つきをして。
それでも姉妹を逃がすまいと、取り囲むようにして迫っていく。

まえを遮られ、退路を断たれた、哀れな姉妹。
けれどもふたりとも、こういうもてなしには慣れているらしい。
あんまり痛く、しないでね。
やらしいのは、いやぁよ。
母親譲りの、柔らかい声をひそませて。
ひざ小僧の下にかがみ込んでくる唇たちを、吸いつけられるままに、吸いつけられていって。
ふらちないたぶりを受けるふくらはぎの周り。
薄黒のストッキングや真っ白なハイソックスを、皺くちゃにされてしまうのだった。

ちゅうっ。
ちゅうううっ・・・
姉娘の足許からあがる吸血の音が、妹へのそれよりもしつように響いたのは。
たぶん・・・気のせいなのだろう。
セーラー服の妹は、白のラインが三本走る襟首ごしに、うなじを侵されて。
ブレザータイプの姉は、ブラウスをみるみる紅いシミで汚していった。
さあ、どうぞ。
いくたりもの唇から、ふらちな洗礼を受けて、いたぶり抜かれた足許は。
薄黒のストッキングは、鮮やかなカーヴを描く伝線を、スカートの奥にまで走らせて。
真っ白なハイソックスは、まだらもようのバラ色に染められる。

あなたたちはもう、お帰りなさい。早くお父様を安心させてさしあげるのよ。
寝入ったふりを決め込んでいる、彼女の夫は。
たぶん眠れない煩悶に酔い痴れているのだろう。
名残惜しげに見送るものたちと。
小手をかざしてさよならを告げる娘たち。
妹娘にご執心のあいつは、家までエスコートするといって、
ひっそりと一団から離れていった。
送り狼にならないかな。
なりゃしねぇよ。
だれかの呟きを、だれかが言下に否定する。
たぶんきっと、ほんとうに帰り道を心配しての行ないなのだと、だれもが本音でわかっていた。

さ、ごゆっくり召しあがれ。
娘たちを、帰してしまうと。
あなたがいちばんさいしょね?
お母さんは、穏やかなほほ笑みを絶やさずに、俺を見た。
とうとうただひとり姉妹のどちらも襲わなかったのを、好もしく思ってくれたらしい。
ひざ丈のワンピースのすそを、たくし上げて。
肌色のストッキングの太ももを、だれよりも先に吸わせてくれた。
あぁ・・・
ほどよい失血に、さすがのお母さんも、陶酔の色をにじませると。
あとはだれもが、無言になって。
思い思いに、のしかかっていった。

女を犯すとき。
順番がすんなりと決まるのは。
お互いの家族を呼び寄せて、襲い合うという。
忌わしくも愉しい遊びに興じあうほどの間柄だからなのだろう。
案外俺たち、デリケートなんだぜ?
仲間に入れられたすぐのころ。
俺の血を始めて吸い取ったあいつがそう呟くのに、
しんそこ俺が頷いたのは。
ぴったり息の合うほどに、その晩犠牲に供された母娘を襲うものたちが。
整然としたルールのままに、つぎつぎと。
熱くたっぷりとした欲望を、成就させていったから。
そのときの母娘は。
ほかならぬ俺の、お袋と妹だった。

もぅ、気が済んだ?
ワンピースのあちこちに、草きれをつけたまま。
お母さんはひざを払って、起き上がる。
肌色のストッキングは片方だけ脱がされて、俺のポケットに入っていて。
もう片方も、みるかげもなく噛み破られて。ずり下ろされて。
ハイソックスみたいな丈になっていた。
ごちそうさまでした。
だれもが神妙に頭を垂れるころ。
朝陽がもう、目のまえだった。
公園の入口に佇む人影が、気遣わしげにこちらを窺っている。
どうやらお母さんのエスコートは、そのひとにまかせれば良いらしい。
もうじき父親になるひとに。
俺は遠目に、会釈をする。
母親になるひとに投げかけるべきではない種類の好意を投げている俺のことを。
そのひとは決して、咎めようとしない。

呟くような送る声に、時折り振り返り丁寧に会釈をかえしながら。
お母さんは夫の佇むほうへと、立ち去ってゆく。
さあ、もう夜が明ける。
お互い、仮の姿に戻らなければ。


あとがき
吸血鬼の男の子たちに、自分たちの血をあてがうために。
真夜中の公園に現れた母娘。
母親は、肌色のストッキング。
姉娘は、薄い黒のストッキング。
妹娘は、真っ白なハイソックス。
それぞれに装った足許を、吸われていく・・・という風景。
貴方なら、どのご婦人を狙いますか?^^
姉娘が、襲う側にたつ主人公の婚約者という設定、好い・・・わけはないですね?^^;
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