FC2ブログ

妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

狡い大人の言い訳?

2010年07月07日(Wed) 07:43:54

寝取られではないのだよ。寝取らせているんだよ。
寝取らせは、崇高な奉仕の精神なんだよ。
父のそんな言い草を、狡い大人のいいわけだと思っていた。
ずっとそう、思い込んでいた。
けれども父に伴われて出かけていく母は。
よそ行きのスーツに、ひきつれひとつないストッキング姿。
好んで装っているようで。
愉しげな含み笑いは、大人の色香を秘めていて。
明けがた、やはり父に付き添われて家に戻ってくるときは。
素足になったふくらはぎに、白く濁った粘液をぬらぬらしたたらせているのが、なまなましかった。
視てはならないものを視てしまったような、罪悪感のなかに。
なぜか心奪われるときめきを、覚えたわたしは。
さらなる罪悪感に駆り立てられていた。

それからなん年、経ったのだろう?
そんなわたしも、いつか同じ行為に目ざめていった。
しげ子さんを紹介するなら、早いほうがいいよ。なるべくなら処女のうちが―――
云いさした父は、途中で言葉を飲み込んだけれど。
いまではわたしの一家にまといつく黒影の主の正体を、察してしまっているわたし。

彼はまず、父を襲って、首筋に痕を残して。
そんな父はためらいもなく、十なん年連れ添った最愛の妻を、彼に引き合わせていた。
血に飢えた唇を、若い女の生き血で濡らすために。
寝取らせは、奉仕なのだよ―――
母を愛していればいるほど、その行為はきっと値打ちのあるものなのだろう。
しげ子さんを伴って、初めてお邸にあがるとき。
父は愛用しているハイソックスを、そっとわたしに手渡した。
ぬらりとした光沢は、紳士用のそれとは思えなかったけれど。
わたしはためらいもなく、ぴっちりひざ下まで、引き伸ばしていく。

これから献血に行くの。しげ子さんもどう?
母はさりげなく立ち上がり、父も無言のすすめをまなざしで送る。
しげ子さんは戸惑いながら、これから姑と呼ぶべきひとの、あとに従う。

いかがでした?
エエ、お母様。
言葉を濁す未来の嫁に。母は意地悪く問いを深める。
この子にも、きかせてやってちょうだい。
しばらくためらったあと。
・・・宜しい感じです。
照れ隠しにあてがった掌が、うなじにつけられた痕を隠していた。

寝取らせなんだよ。奉仕の気持ちだよ。
父の諭す声が、いまでは救いに聞こえる日々。
すぐ隣に肩を並べるしげ子さんは、こざっぱりとしたワンピース姿。
肌色ストッキングのふくらはぎに唇近寄せてくる男への戸惑いを、まだ捨てきれなくて。
わたしに寄り添って、ギュッと痛いほど、掌を握りしめてくる。
ヌルヌルと吸いつけられた、不埒な唇が。
きょうもチリチリと、未来の花嫁の装いに、辱めをくわえていった。


あとがき
ストッキングを破かれる=肌を許す
この方程式は、短絡的?
前の記事
やらしいよ。やらしいよ。・・・ ~二人の純潔を堕とした男~
次の記事
ボクは女の子。

コメント

>>寝取られではないのだよ。寝取らせているんだよ。

「寝取られ」という言葉は、文字通り、愛する人を奪い取られるという、マイナスのイメージを持つ言葉なのですが、「寝取らせている」となれば……これも妖艶なる紳士の嗜みなのでしょうか(笑)そして、あらたなる紳士がまた一人誕生する。心に深く根差した罪悪感すら凌駕する世界が、そこには拡がっているのでしょうか……

by 白桃の句
URL
2010-07-07 水 22:30:48
編集
>白桃の句さま
ううううううっ。
じつに妖艶なコメント、ありがとうございます。
よくわかっていらっしゃるじゃないですかー。 笑
by 柏木
URL
2010-07-08 木 06:50:24
編集

コメントの投稿

(N)
(B)
(M)
(U)
(T)
(P)
(C)
管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
http://aoi18.blog37.fc2.com/tb.php/2131-593eba7d