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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

悔しがる理由(わけ)

2010年07月11日(Sun) 07:49:49

く、悔しー!
勤め帰りの妻が、スーツを泥だらけにして。
玄関先で、地団駄を踏んだ。
首筋にはくっきりと、噛んだ痕。
あいつだ。
俺は自分の首のつけ根のあたりを、そっと撫でまわす。
妻のとまったくおなじ間隔につけられた痕が、まだかすかな疼痛を伴なっていた。

妻が悔しがっているのは、意外にも。
吸血鬼に襲われたということ自体ではないらしい。
タイトスカートのすそからはみ出した太ももを吸われたときに。
ストッキングの舌触りがいまいちだって呟かれたのが、むしょうに気分を害したらしい。
あいつ~。言い当てやがって。
だってこれ、バーゲン品だったんだもん。

つぎの日。
勤めに出かけていく妻は。
思いっきり気合いを入れていて。
得意先で契約を取るときいつも着ていく、白無地に金ボタンのスーツで装っていて。
ひざ上がなん㎝もまる見えなタイトスカートの下は、
てかてか光る、高そうなパンストを穿いていた。

うふふふふん。
妻は満足げに、鼻を鳴らす。
貴方、悔しいでしょう・・・?
白ヘビのように妖しく浮き上がる、妻の脚には。
欲情のあまりむしり取られたパンストが、ふやけたように浮き上がっていた。
明日さ・・・
え・・・?
黒いの、穿いて行ってもいいかな?
えっ。
俺が絶句したのは。
黒のストッキングを穿いて深夜、あの公園を出歩くものは。
犯されてもかまわない。
そういうことになっているのを、知っていたから。
妻も明らかに、ルールを聞かされている。
近くまで戻ってきたら携帯するから。迎えにくるんだよ。

深夜。
夜の芝生を真昼のように明るく照らす街灯の下を。
さすがに妻は、嫌がって。
抱きすくめられた腕のなか。
ひどく満足そうに、熱い吐息を洩らしていた。
さすがにきみの奥さんだ。好い味してるね。
夫たるもの。こういうときに頷いてはいけないものだ。そう自分に言い聞かせながら。
しきりに、頷き返してしまっていた。

週一は、黒のストッキング穿かせますから。
でも・・・黒じゃない夜でも、気が向いたら襲っていただいてよろしいですよ。
それよりも。
一杯、飲み直しませんか。
灯りのついた、わたしの家で―――
吸血鬼も、妻も。くすぐったそうに頷いている。
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帰宅をしたら、メールをおくれ。
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つぶやき。

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