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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

妻の嫁入り。

2010年07月20日(Tue) 06:22:10

週にいちどと約束された、献血が。
三日にあげず、行なわれるようになって。
いままた、日課になりかけている。
献血当番ですの。
妻は蒼白い頬に、微笑を滲ませて。
含羞をよぎらせて、出かけていく。
きょうも黒のストッキングで、足許を染めながら。
清楚なはずの薄墨色のナイロンが。
いつか。。。淫らな彩りを交えるようになったのは、いつのころからだったろう?

そんなにしていると、死んでしまうよ。
いくら先方が気を使って、手加減してくだすっているにしても。
そう。男の言い草では、妻の身体から摂取する血液量は、ごく微量なものになっているという。
貴方や奥さんに、同情しているわけではありません。
血の濃さがなくなると、味が落ちるからですよ。
男はわざと、そっけない声をつくっていたが。
じつは妻を気遣っている…痛いほどこちらに伝わって来るのは。
わたしの最愛の女(ひと)を、同時にかれも愛しはじめたということが。
男ふたりのあいだに、共感として流れるようになったからなのか―――
忌むべきはずの関係を、わたしは肯定的に抱きとめる気になっていた。

はじめて、妻の身代わりとして訪れたとき。
妻が彼のために、黒のストッキングを装うのを知っていたわたしは。
せめてすこしでも、彼の好みに合わせてやろうと。
紳士用の、薄々の靴下を履いて行った。
敵意のないという意思表示には、なったようだ。
くまなく唇を押しあてられた薄手のナイロンは、ばちばちとかすかな音をたてながら。
まるでオブラアトのように他愛なく、裂け目を広げていった。

あなた・・・
妻のいないときに、帰宅して。
咬み破られた長靴下を、素知らぬ顔をして洗濯機に放り込んで。
半日経った翌朝のこと。
妻はわたしの来訪を、洗濯機の中身で知ったらしい。
かれは約束通り、わたしの行動を黙っていたはずだから。
きのうの靴下、記念に取っておきます。嬉しかったわ。
おなじ牙を体験したもの同士のほほ笑みが、そこにあった―――

お嫁に行かないか?
え・・・?
わたしの呟きに、ビクッとふり返る妻。
苗字はわたしの苗字のままでいい・・・って、彼言ってくれているんだ。
そういう複雑な関係は、面倒だろうか?
でも・・・きみを喪いたくない。そういう想いでいっぱいなんだ。

さいごのひと言は、さすがに口にする勇気がなくて、じっと見据えた目線に込める。
妻はさいしょはいぶかしげに、そしてしんけんにわたしを見返してきて。
さいごに、こくりと頷いていた。
感情を消そうという必死の努力を、ありありと滲んでくる安堵の情が、裏切っていた。

伏せられて置かれた妻の掌のうえに。
かさかさに干からびた彼の掌を、重ねていって。
おめでとう。
いい餌を、獲られたね。
おめでとう。
いい情婦に、おなりなさい。
ふたりに等分に、声をかける。
引き出物は、情婦となる女の、夫の血。
わたしはスラックスのまま、その場にうつ伏せになっていく。

夫の血を吸い、その妻の血を吸う。
もうろうとなったわたしのまえ、うろたえたその妻は、
初めて操を喪うというおぞましい体験に打ち震え、
戸惑いながら、部屋の隅っこに追い詰められて。
軽くいやいやをしながら、うなじを咬まれてゆく―――
献血、だね。
そうね・・・
そっと差し伸べられた掌を、つよく握り返してやると。
彼女は決心がついたように、自分から掌をほどいていった。

はぁ、はぁ、はぁ・・・
いままで目にしたどんなラヴ・シーンよりも。
より鮮明に網膜に刻みつけられた、妻の媚態。
貞操を弔うと称してまとわれた、漆黒の礼服は。
みるみる着崩れしていって。
四つん這いにされた今は、スカート一枚を残すだけになっていて。
あらわに露出したおっぱいを、たぷんたぷんと揺らしながら。
そのスカートをさえ、腰までまくりあげられて。
ずり落ちたストッキングの太もものあいだ、
逞しく逆立てられたものを、ずぶずぶと突っ込まれてしまっていて。
主人のよりも、大きいわぁ・・・って。
イヤだ。恥ずかしいっ。感じちゃう!・・・って。
もう少し、あとちょっとだけ・・・貴方の前で見せつけさせてくださいね・・・って。
情婦への服従を誓う、はしたない声まで、洩らしつづけているのだった。
記憶はなによりの、贈りもののようだね?
別れ際わたしが口にした言葉に、男はくすぐったそうに照れ笑いを浮かべる。
その夜一夜、妻のことは花嫁として、男の住居に残していった。
吸い尽くされてしまっても、おかしくない状況をつくってやることで。
全幅の信頼を、かれに捧げたのだ。

翌朝。
戻ってきた妻は。
村のみんなに、視られていた。
寝乱れた髪に、胸のはだけたブラウス。
ひざ下までずり落ちた、黒のストッキングに、
太ももを伝い落ちる、どろどろとした粘液を。

出勤途中。
毎朝すれ違うその男は、いつもの卑屈さと打って変って、明るい笑いを眩しくたたえていた。
ごちそうさま。奥さんいい身体、しているねぇ。
あっけらかんとした、感謝の声に。
わたしもかるがると、応じている。
喉渇いたり、やりたくなったりしたら。いつでも声かけてくださいね・・・と。


あとがき
寝取らせる男って、突飛な想像かもですが。
いやらしいですよね。やっぱり・・・
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選択肢。
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妻の代役。

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