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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

すれ違った女学生

2010年07月22日(Thu) 07:16:04

道端で行き逢った、制服姿の少女。
いつものように礼儀正しくお辞儀をして、すれ違って行った。
口許についた血が、彼女の母親のものだなんて。
あの娘は夢にも、おもうまい。
彼女の母親を、いま襲って来たばかり。
娘の血も、きっと旨いに違いない。
見なれた濃紺のセーラー服姿の、スカートのすそから覗いたふくらはぎが。
なまめかしい黒のストッキングに染まっていたのを。
男は脳裏に刻みつけた。

お話があるのよ。
母親に呼ばれた少女はひとり、床の間のある部屋に入って行った。
仲良くしていただかなければならない殿方が、いらっしゃるの。
いえ、ミチオさん以外に ですよ。
どういうこと?ですって。
あなたにはまだ、我が家のしきたりをきちんと訓えていなかったわね。
お嫁入りまえに、身持ちの正しさを証明するために。
うちの女たちは代々、生娘の生き血を味わっていただいているの。
さっき、すれ違ったでしょ?あのかたに・・・
こんどの週末、連れていって下さるわ。ミチオさんが、貴女のエスコート役になって。

処女の生き血を吸わせる?
そのひとのところへは、夫となるひとが同伴してくれる?
あまりにも突飛な話に、少女は恐怖するよりも。
むしろ、不思議な心地を覚えていた。

週末まで、お待ちになれないんですって。
母親は、制服姿の娘をまえに。
口ごもりながら、そう告げた。
母さんが番をしてあげるから。あなたお相手なさい。
そそくさと言い捨てるようにして。
着物の裾を翻していく母は。
襟足に赤黒いシミを、滲ませていた。
娘の負担を少しでも軽くしようとして。
お笑いぐさにしか、なりませんね・・・?
着物の裾を、乱すとき。
お父さん、ごめんなさい。
母はきっと、そう呟いたはず。

うふふふふっ、えへへへへえっ・・・
男はさっきまでと打って変った、下卑た態度で。
制服姿の娘の、足許ににじり寄る。
ミチオさんに気取られてはなりません。だから、首すじだけは咬まないでね。
母親の言いつけを、彼なりに、守ろうとしているというのだろうか。
薄墨色のナイロンに、薄っすらと染められた脛は。
男に節度を求めるには、あまりにもなまめかし過ぎたようだった。

涙も凍るほど、縮みあがって。
少女は恐る恐る、男の相手をはじめている。
ただ唯々諾々と、されるままにされていく。
そんなぎこちない相手の仕方に過ぎなかったけれど。
抵抗しない。ただそれだけで。
男を発情させるには、じゅうぶんだったらしい。
黒ストッキングのうえから押しあてられた唇は。
ぬらぬらとした唾液を、少女の足許に光らせていって。
むたいになすりつけられるべろが、
少女の礼装をふしだらに、ねじれさせていった。

あぁ~っ・・・
血を吸い取られてゆく少女の悲鳴をよそに、
母親は無表情に、夕餉の食器を並べている。

度胸がついたようだな。
伴なった少女に、男は無遠慮な声を投げてきた。
こくりと頷く横顔は。
いままで見たことがないほど、大人びていた。
少年は同い年のはずの少女の手を取って、
ぶきっちょな手つきで、許婚の掌を男に握らせていった。
手加減してやっておくれ。頼むからね。
気弱そうな色白の頬に、こわばった微笑を浮かべながら。
少年はそれでも、覗き見してよい、という特別の権利を。
ためらいながらも行使するつもりでいるようだった。

ふすま越し。
あお向けになった少女は、表情を消して。
白くてほっそりとしたうなじに、唇をつけられていった。
ちゅうっ・・・
静かな吸血の音に。少年はひそやかな昂りを覚えはじめて。
そんな自分に、驚きを禁じえないでいる。
ちゅっ・・・
制服のスカートの足許に。
男の唇がふたたび、這ったとき。
少年はぞくり・・・と、股間がこわばるのを感じていた。
ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ・・・
冷酷なまでにしずかな、吸血の音が。
あたりの静寂を、猥褻なものに塗りかえてゆく。

こんにちは。
母にお逢いにいらしたのですか?
少女はおさげ髪を、振りながら。
すれ違った来訪者に、声をかけた。
少女のつれの少年も。
あとで彼女のことも、行かせますね。
男に親しげに、声をなげていて。
侵すものと侵されるものとは、照れたような笑みを交わし合う。

礼儀正しい会釈を投げて、立ち去る少女の足許を。
男はじいっと、見つめている。
帰宅してきた少女を襲うとき。
あの黒のストッキングをどんなふうに噛み破ってしまおうかと、舌なめずりをしながら。
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