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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

夫婦の足許 4 ~順序。~

2010年07月29日(Thu) 07:25:08

定期的に我が家を訪れ、一家全員の血を吸っていくあの男。
襲う順序まで、一定のルールがあるらしい。
さいしょに襲われるのは、わたし。
無表情に首筋に唇を這わせて来、皮膚を破り、血を啜る。
じゅうたんのうえ、組み伏せられ、抑えつけられて。
なまの唇で、首筋を吸われるとき。
男どうしといえど、昂りを覚えるのはなぜ?
気絶寸前まで吸われたあと。
半開きのドア越しに洩れるのは、妻の悲鳴。そして、喘ぎ―――
血の気の失せた身体を引きずって覗き込む、夫婦の寝室で。
ワンピース姿の妻は、大股を広げたまま、気絶している。
ストッキングに走る、帯のように太い伝線が。
脚に吸いつけられた唇の愛撫の執拗さを、秘めていた。
白目を剥いてあお向けになった妻の横顔は。
いつも妖しい愉悦を滲ませていて。
ひざ下までずり降ろされたストッキングには。
ぬらぬらとした透明な粘液が、しずかな光をたたえている。
荒れ狂った情欲を、見せつけるようにして。

お邪魔しますよ。
いらっしゃい。
手短かに交わしたことばのあと。
”男”はすぐに、事務的に。
わたしの首筋に唇を吸いつける。
抜き取られる血のぬくもりが。
不思議な陶酔をもたらす刻―――
女もののストッキングが、好きなんだな?
ああ。
照れ笑いをする、その”男”に、
さりげなく、スラックスのすそをたくし上げてやる。
ストッキング地の靴下に目を輝かせて。
男は足許に、にじり寄る。
どれほど熱い口づけが、妻の足許を襲うのか。
その日わたしは、初めて知った。

ああぁ・・・
ドア越しの悲鳴は、きょうもあからさまな愉悦を含んでいる。
紳士用の薄手の長靴下に走る、帯のような伝線を。
うつろな気分で撫でさすりながら。
妻のストッキングがぱちぱちとはじける、かすかな音を。
薄っすらと笑いながら、聴き入っていた。
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