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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

イヤラシイの、厳禁よっ!

2010年09月18日(Sat) 08:07:20

イヤラシイの、厳禁だからねっ!
清く正しい献血なんだから。
久美はいつも、男っぽい口調でそう言い放つと。
それでもうなじを、くつろげてくれる。
首すじに這う唇の感触だけは、かろうじてガマンできるらしい、。
ちゅうっ・・・
血を吸いあげられるときにはさすがに、ちょっと肩をすくめるのが。
抱きついた掌ごしに、伝わってくるけれど。
怯えている なんてとられることは。
あたしの沽券にかかわるといわんばかりに。
いっさいの同情や言い訳を、いつもかたくななまでに、拒みつづけている。

中学にあがったとき。
初めて目にした久美の、セーラー服姿。
黒のストッキングの脚に欲情して、帰り道に思わず道端の草むらに連れ込んで。
ふくらはぎを噛んで、破っちゃったとき。
ばしいッ!
激しい平手打ちが、まるで熱湯のように。頬を走った。
イヤラシイの、だめだって!
むうっと口をとがらせた久美は、目じりにかすかに涙を滲ませていた。
スカートについた泥を払って立ちあがった後ろ姿。
縦に走った伝線から露出した脛の白さが、ひどく色っぽく映った。
たしかにやらしいの、厳禁だよな・・・
ひりひりする頬に手をやりながら、俺はつくづくそう思った。

あげる。
数日後。
連れだっての学校帰り。
二人きりになると久美は、鞄のなかからだいじそうに、
ビニール袋に包んだ黒っぽい塊を取り出して。
さらにビニール袋の封を切って、
俺の鼻先に、ぶら下げた。
数秒間、沈黙が流れた。
なよなよとふやけたようなその塊が、
あのとき久美が脚に通していた、破けたストッキングだと気づくのに。
それだけの時間が、かかったのだ。
あんたがやったんだよ。
久美は不満そうに、鼻を鳴らした。
イヤラシイの、厳禁なんだからねっ。
言い捨てて立ち去る久美の後ろ姿を見送りながら。
どういうつもりなんだろう―――?
取り残された俺は、くそまじめに反芻していた。

ぶん殴るの、前払いでどう―――?
夏休みの、登校日のことだった。
思い切って、それも唐突に切りだした俺に、
久美は不意打ちをくらったように、黙り込んで。
さきに叩いていいのね?
周りにだれもいないのを、見計らうと。
それこそ目も眩むほどのつよいパンチを、
俺の顔面に炸裂させた。

ゴメン、やり過ぎた―――?
当たり前だ。どうして吸血鬼が鼻血を出すんだよ・・・
俺はそれでも、鼻血を手の甲で拭い取ると。
ベンチに腰かけた久美の足許に、にじり寄って。
真新しい白のハイソックスのうえから、べろを這わせてやった。
ぅ・・・そこまでするの?
こんどは久美が、あわてる番だった。
よだれをたっぷりしみ込まされたハイソックスを。
久美が鞄から取り出したのは、その数日後のことだった。
ちゃんと洗濯したからね。
いったい、どういうつもりだろう―――?
お袋にあいさつをすませると、そそくさと辞去するジーンズのスカート姿を見送りながら。
俺はまたしても、反芻していた。

イヤラシイの、ほんとうにダメなんだからねっ。
秋風を思い切り、頬にあてながら。
久美はツンとそっぽを向いて、風になびく髪を抑えていた。
すっかり長くなった黒髪は。
もうじき仕舞いの夏服に、ひどく鮮やかに映えていた。
濃紺のプリーツスカートの下に履いているのは、白のストッキング地のハイソックス。
ひざ小僧のすぐ下まで引っ張り上げて。
いつものようにきちっと、履きこなしていた。
太めのゴムが鮮やかに、ひざ下を締めつけている。
俺は久美の足許を、見てみないふりをして。
そうっと彼女の、後ろにまわった。

口に含んだうなじは、いつになく暖かだった。
男の子みたいな、生硬な素肌に。
よだれを含んだ唇を、ぬるっと這わせる。
いつものことなのに。
久美はビクッとしたようだった。
尖った歯を、あてがって。
あまり痛くないように、かりりと思い切りよく、噛んでやる。
じわっ・・・と滲んだ血が、ほのかな香りで俺を夢中にさせていた。

ちゅうちゅう・・・ちゅうちゅう・・・
音をあげてむさぼる俺に。
ちょ、ちょっと・・・
さすがに久美は、たまりかねて。
俺の猿臂を、払いのけた。
吸い過ぎだよぅ。
いつも赤らんでいる久美の頬っぺたが、貧血ですこし蒼ざめていた。

わりぃ、わりぃ。
俺はちょっと悪さをしたときそうするように、しきりに頭を掻いて照れ笑いをする。
久美はしばらく、ためらっていたけれど。
意を決したように、近づいてきて。
イヤラシイの、厳禁だけど・・・
ちょっとだけなら、いいよ。
ストッキング地のハイソックスを履いたふくらはぎを、半歩前に差し伸べてきた。

悪りぃな・・・
胸の奥でとぐろを巻いている、せつじつに渇いたものを、なだめたくって。
俺は久美の好意に、すがることにした。
なぞるように撫でたふくらはぎを包む、薄手のハイソックスは。
さらりとした手触りを、伝えてくる。
舌触りのよさを、予感して。ゾクゾクとしてくると。
ほんとに、ヤラシイよね・・・
久美はこっちの気持ちを読み取るようなことを、呟いた。
つかんだ足首の周り、薄いナイロンがしくッと波打った。

ダメじゃない。すぐに噛み破っちゃ。
もっと愉しんでからになさいよ。
みるかげもなく破けたハイソックスを、見おろしながら。
久美はいつものように、口をとがらせる。
気丈なところを、見せようとするようだった。
俺は言われるまま、もう片方の足首を掴まえて。
薄手のナイロンに、しわを走らせていく。
こんどは唇を、念入りに這わせていった・・・
たんねんに、愉しみながら。

ちゅうっ・・・ちゅうっ・・・ちゅうっ・・・
蒼ざめた顔いろを、気丈にとりつくろいながら。
やらしいの、厳禁だっていったよね?
はずませ合った息遣いの合い間、久美はまだ説教じみたことを言っている。
俺の女房になれ。そうしたらなにをしたって、OKだろ?
知らない。
久美はそっぽを向きながら、それでも慣れ慣れしく髪をなでる俺の手を、拒もうとしなかった。
そういえば久美の黒髪を撫でるのは、いまが初めてのことだった。



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