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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

気性の剄(つよ)いひと。

2010年10月21日(Thu) 06:42:59

堕とされてもなお、気性の剄(つよ)い女(ひと)だった。
彼女にとって村で過ごす、初めての夏。
わたしにとっても、十年ぶりの夏だった―――

わたしの婚約者として初めて訪れた村を。
おぼこ娘のまま、再び出ることはかなわなかった。
こういう村なのね。
初めてわが身を通りすぎた嵐の余韻を、呪うように。
さすがに彼女はうつろな目をして、しばし呆然となっていて。
着崩れしたスーツのまま、乱れが観をつくろうことも忘れていた。
他所の土地の女を嫁に選ぶとき。
村の男は未来の花嫁の肉体を、近しい男どもと分かち合うことになっていた。
父や兄、従兄弟たちの精液が織り交ざって、
まだスカートを着けたままの太ももに、ヌラヌラと輝いていて。
ふしだらにずり落ちたストッキングを、彼女はしきりに引っ張り上げていた。

それでも、あなたが好き。
この村に棲むのも、承知です。
けれどもわたくし―――
いつも一番じゃないと、気が済まないの。

村で挙げる婚礼で。
若い女をいちばん多く呼び寄せて。
なおかついちばん多くの女たちを堕とさせた。
移り住んできた彼女は、けっこう鼻高々で、
母と義姉ならいつでも招(よ)べますからと、姑を感心させていた。

親孝行してきますから。
三つ指ついて出かける挨拶をするときは。
父好みのシックなスーツ。
町内会に行って参りますから。
軽く会釈を投げてくるときは。
顔なじみの爺さんたちが褒めてくれた、着物姿。
教えてほしいって、いわれているの。
ちょっとはにかんで、横を向いて呟くときは。
初体験をせがんできた少年の、ご希望どおりのセーラー服。

村はずれの廃屋に。
汚された女たちが帰りに立ち寄る蔵があって。
引き裂かれたスリップやショーツ、ストッキングを。
うずたかく、積み重ねていくという。
妻の築いた山はいつも、そのなかのだれのものよりも嵩がいとうわさになった。

一番じゃないと、気が済まないの。
どこの花嫁よりも、速いうちに。
村じゅうの男衆の、お相手をやり遂げて。
今夜も、あすの晩も、どうぞ―――
わたしの面前で、告げた女。(ひと)
親族で集まった法事の席で、色めき立った男衆に。
見せびらかした脚は、場所柄もわきまえないラメ入りの黒ストッキング。

あなただけよ。あなただけよ。心までゆるすのは。
念じるように、呟いて。
さいごはわたしの肩に、両腕をまわして。
自らを癒すように、しなだれかかってくる。
でも、エッチだけは、あなた二番目ね。
女は小悪魔みたいに、クスリと笑う。
さいしょにお相手した殿方だけは。
妙に相性が、合っちゃったのよ。
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