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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

本当は誰を

2006年04月25日(Tue) 07:54:09

もう、いいわよ。あなた
半開きになった扉の向こうから、妻の佐知子が顔を出す
いつもと変わらないきびきびとした身のこなしをうつして、
ぎゅっと縛った長い髪の毛がゆらり、と揺れた。
おそるおそる覗き込んだ、夫婦の寝室。
彼はもうあらかた、身づくろいを済ませて・・・とみえたのだが。
よくみるとまだ、下半身をむき出しにさらしたままだった。
佐知子にいたっては、ほとんど全裸。
わずかに足許に、破れてひざ下までずり落ちたねずみ色のストッキングをひらひらさせているばかり。
淑女の装いの切れ端をふしだらにたるませている情景は、
全裸よりも却ってイヤラシク映る。
ボックスティッシュから二、三枚ティッシュを引き抜いて。
太ももについたぬらぬらとした粘液を、慣れた手つきで拭い取った。
たくさん、吸い取られちゃった。逆さに振っても、鼻血もでないわよ。
くすっ、と笑んだ白い顔には、かけらほどの邪気もない。
そんな佐知子に、彼は音もなく忍び寄って。
後ろから抱きすくめ、うなじに唇をあててゆく。
あ・・・。
ちょっと痛そうに顔をゆがめながら、妻は軽く仰け反った。
結び合わせたようにキュッと閉じた瞼に、淫らな翳を過ぎらせながら。
ちゅうっ・・・
かすかに洩れる、吸血の音。
妻の真情をさえ吸い出すように、血潮を引き抜いてゆく。
まるで己の血をも吸い取られてゆくような錯覚に、くらくらと理性が揺らいできた。
むき出しの肩に、赤黒いしずくがひとすじ。
乳房のあいだの深い谷間を伝い落ちてゆく。
己の所行に、ふたたび昂ぶりを覚えたものか。
腕の中の裸体をぐるりと向きを変えて。
へし折るほどの強い力で抱いたまま。
展べられた褥のうえにもういちど、その身を沈めてゆく。
踏みしだくような荒々しさで。
それでもありのままの熱情をあらわにした愛撫には、
可愛がっている。
そんな形容のほうがぴったりとくる。
すべすべとした皮膚におおわれた牝の獣は、頬に笑みを含んだまま。
へらへらと笑いこけながら。
逃れようもない猿臂のなかで、ひたすら愉悦しつづけていた。

妻の身体から引き抜かれたものは、
うわぐすりのような濡れを光らせている。
怒張を含んだままの逸物を、ほっそりとした指が押しつつんで、
そそり立つ先端を、朱を刷いた薄い唇が軽く含み、
そしてためらいもなく、根元まで呑み込んでいた。
しごくように強く吸い、うわぐすりを拭い取るように引き抜くと。
妻は力尽きたようにぐったりと褥に身を沈めて、
かすかな寝息をたて始める。
彼はわたしのほうをちらと窺って、ため息交じりの苦笑を送ってきた。
げんきんなものだな。
そう言いたげに。

いつ用意したのだろうか。
ぬるま湯に浸したタオルが、一糸まとわぬ裸体にあてがわれる。
淫らなものの残滓を、片鱗さえもとどめぬように、
きゅっ、きゅ・・・と、拭ってゆく。
すみずみまで、いとおしむように。
いとおしみを、すりこむように。
磨きあげられた裸体が白い輝きを放つのを、眩しげに見つめると。
部屋の隅に脱ぎ捨てられていたネグリジェを、それは丁寧に纏わせて。
きれいだよ・・・
ひくい声で、囁きかけて。
眠りこけている額に、かすかな口づけをすると、素早く身を離してゆく。

造作をかけます。
家を訪れたときあれほど欝蒼と立ち込めていた翳が、わずかながら晴れている。
すこしは、お役に立ったようですね・・・
そういいながら、スラックスを軽く、たくし上げてゆく。
ストッキング地の紳士用の長靴下のうえから這わされた唇は、
まだ濃厚な熱を含んでいた。
妻のストッキングがそうされたように。
脚周りに加えられてゆく、放恣な凌辱。
男の身にも、おなじようにくり返される。
刺し込まれた牙はいとおしげに肌の奥深く食い入って。
ほとび出る深紅の液体を、悦びにむせぶ唇の奥へと抜き去ってゆく。

不思議なものですね。
あなたのなかで、妻と私が織り交ざっているなんて。
まじまじと見つめる目に、照れたような笑みが返ってきた。
御婦人に優しく接する貴方ゆえにか、
ちっとも、腹が立たないのですよ。
母も、妹も、妻までも犯されているというのに。
なによりだ。
彼はわたしの肩をつかまえると、ふたたび身を寄せてきて。
かりり・・・
うなじのつけ根に、鈍い痛みを滲ませてくる。
ほんとうは、奥さんよりも、誰よりも。
じつはあなたのことが好きなのかもしれないな・・・
あなたに近づきたいために。
あなたの身近な女たちをともにしたくなるのかも。
そういう彼は、来訪のたびごとに。
いつもわたしをさいごの獲物にして。
彼のために装った、女のようにつややかに肌を染める薄い靴下を。
いとも嬉しそうに咬み剥いでゆくのだった。


あとがき
ちょっとアブない関係の男どうし・・・ですな。^^
柏木、そのケはまるでないのですが。
妄想のなかではつい、大胆になってしまいます。^^;
たんなる血液供給源ではなく。まして性欲処理の具でもなく。
ぬくもりを求め、いとおしむために女たちを訪れる吸血鬼。
母を、妻を、妹を。
つぎつぎと毒牙にかけながら。愛し抜いてゆくのですが。
案外彼女たちの夫であり息子であるひとに惹かれての行為・・・なのかもしれませんね。
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