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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

病室にて。

2010年11月25日(Thu) 07:05:01

あんたの病院。看護婦はなん人いるんだ?
ぞんざいな問いを投げてくる、年老いた患者をまえに。
わたしは五人、とかろうじて応える。
噛まれたばかりの首すじを抑えながら。

さいしょに、婦長をよこすことだな。
その方がお互い、やりやすかろう。
男はすでに、わたしを共犯者と決めつけていたけれど。
どうやら・・・逆らうことは不可能なようだった。

数日後。
二人部屋の病室の、あいたほうのベッドの手すりには。
幾対もの白のストッキングが、ぶら下げられている。
濃淡もサイズもとりどりな長さのストッキングの持ち主たちは。
きょうもなに食わぬ顔をして、勤務に励んでいる。

お前んとこの婦長は、いやらしいな。
いちばん右側につるされたストッキングは、毒々しいほどの光沢をテカテカと光らせている。
若い看護婦はさすがに、イキがええ。
しつように噛まれた痕を残したストッキングはひときわ長く、かつあちこちに伝線を走らせていた。
そよそよと揺らぐストッキングは、日々くり返されてきた男の食事の、生き証人なのか?

お前、看護婦は五人・・・といったが。
わしはもうふたりくらいおらんと、看護婦がいなくなるぞっていったが。
六人めが、いたのだな。
あれはあんたの、娘だろう?
そう。
きのうはじめて、看護婦に扮した娘を病室に行かせたわたし―――
娘は長い髪の毛で、妻からもわたしからも、首すじの痕を隠し通していた。

時おり娘さんにも、看護婦の役をやらせるといい。
あともうひとりは―――もったいなくも奥方・・・ということだね?
男はイタズラッぽく、ウィンクを投げてきた。
たまには気分を変えて、肌色のストッキングもいいだろう?
口辺に滲ませたわたしの笑みは、すっかり共犯者のものとなり果てている。

週明け。
男はきっと、口にするのだろう。
赤黒いシミをつけた、肌色のストッキングを指差しながら。
奥さんは、健康体だね。
週に二回は、イケるだろう。
ついでにあちらのほうも、おいしく頂戴したよ。
だいじょうぶ。
嫁入りまえのあんたのお嬢さんと、いちばん若い看護婦には、まだ手を出していないから。
処女の生き血は、貴重だからな・・・
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