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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

初体験のハイソックス 初体験の黒ストッキング

2010年12月02日(Thu) 05:25:36

いまとなってはかなり昔、少女たちのあいだで初めてハイソックスが流行った頃。
女学生たちは、いまよりもずっと、大人びていて。
話しかたも、挙措動作も、ぐっとくるほど優雅だった。
そんなころの、お話です。



せんせ。
いつの間にかそそがれていた柔らかな視線が、男を穏やかに見あげている。
ハイソックスがそんなに、お珍しいかしら。
真新しい白のハイソックスの足許を、思わず見つめつづけてしまっていた。
はしたない行動を見咎められて、内心どきりとしたけれど。
悪意のない無邪気な笑みが、わだかまりかけた不快なものを、きれいに拭い取っていった。

仲間うちでは冷酷博士と呼ばれた、その男は。
すでに少女の近親を、なん人となく毒牙にかけていて。
そのたびに一夜限り、総白髪の髪が、艶を帯びた漆黒に変えてゆく。
黒髪に変わった夜が、十三夜をかぞえるころには。
狙われた一家は、屍になり果てるという。
すでに六夜を、かぞえていた。

セーラー服の上に惜しげもなく着込んだセーターの肩先のうえ、
三つ編みにした黒髪が、揺れている。
少しみじかく、切り過ぎちゃった。
照れ笑いをする少女の言うとおり、
無理に結わえた三つ編みは、くりんと反りかえるように、縮こまっている。
揺れる三つ編みをかきのけて、すんなり伸びた細いうなじに噛みつくのは。
造作のないことだろう。

冷酷博士がふとそんな衝動にかられたとき。
まるで先手を打つように。
少女は机から半身をずらし、
家庭教師の男のまえ、ハイソックスの脚を見せびらかした。
お行儀悪いかしら?
小首を傾げて相手の顔いろを窺う顔つきから、無邪気なほほ笑みは消えていない。
制服のスカートの下、白のハイソックスの外ももに、S字の織り目が浮き彫りになっていた。

身を守るために、先手を打つ。
そんな駆け引きを。
少女が自覚しているはずはなかった。
底抜けの善意や無邪気さは、どんな策謀にもまさるらしい。
鎌首をもたげかけたどす黒い衝動を、冷酷博士はふたたび肚のなかにしまい込んだ。

先生になら、噛まれてもよくってよ。
ふと口にしたことばに、少女は自分で顔赧(あか)らめて。
それでもいちど開いた口を、とざそうとはしなかった。
母から、伺っているんです。
先生本当は吸血鬼なんですってね。
まっすぐな視線が、どこまでも鋭利な透明さをもっていた。

ハイソックスって、男のひとでも履きますよね?
だから身近に、見えるのかしら。
そういうわけではない。うそぶく少女の言を否定しながらも。
初々しくも洗練されたハイソックス姿が、少女と己の距離を近めたことまでは、
冷酷博士は否定することができなかった。
いいんですよ。
少女が声を、ひそめたのは。
階下で台所仕事をしている母親を、はばかったからに違いなかった。

ちゅうっ。
行儀わるく、よだれをしたたらせてしまったのを。
少女は気づかないふりをしてくれている。
淫らに濁った唾液は、厚手のナイロンの生地ごしに、少女のふくらはぎを浸したに違いなかったのに。
抑えつけられた足首を、少女はなんの警戒心もなくゆだね切っていて。
少女の履いている真っ白なハイソックスに、よだれをしみ込ませる不埒な愉しみに、
熱中し、耽ってしまっている。
不覚にもしばしの間、刻を忘れて―――

母が来るわ。
少女の発した鋭い囁きに、冷酷博士はハッと身を起こし、素早くもとの位置に戻っている。
現われた少女の母親のワンピースは、黄色の地に黒の水玉もよう。
腰周りを引き締める真っ黒で異様に太いベルトは、きっと今ふうなのだろう。
洗練された装いは、いかにも良家の奥様ふうだったけれど、
主婦らしいせわしなさをちっとも感じさせなかった。
お盆のうえでかちゃかちゃ触れあうティーカップの音だけが、
彼女が家事の合い間にいることを告げていた。

お勉強、はかどっている?
娘に優しい視線を投げると、
うぅ~ん、どうかしら?
少女は微妙に照れながら、母親と調子を合わせている。
はい、お茶とケーキ。熱いうちに、召し上がれ。
母親はまず家庭教師に、それから娘に目をやると、
勉強部屋を出るとき、礼儀正しくお辞儀までしていった。

ついてるね。首すじに。
少女はおどけた手つきで、自分の耳のすぐ下の辺りを点々とつついている。
家庭教師に迫られた母親がさりげなく見せた、情事の痕跡に。
大人の秘密を、覗き込む気分だったのか。
あんまり母を、いじめないでくださいね。
深い部分までは、あえて口にしようとしなかった。
ティーカップを口許に近寄せて、ひと口すすると、
少女は発育のよい脚をお行儀よくそろえて、冷酷博士の目のまえに差し伸べた。
先生は、こちらのほうがいいんですよね?
ひざ丈のプリーツスカートの下、
にょっきりと伸びた、肉づきたっぷりのふくらはぎが。
きちんと引き伸ばされた白のハイソックスに覆われていた。
客人とまな娘のために、かいがいしくケーキに紅茶を運んできた母親は。
娘のハイソックスになすりつけられた客人の唾液に、目ざとく気づいていっただろうか?
お紅茶、熱いうちに召し上がれ―――

ふたたび吸いつけられて来る、飢えた唇に。
少女はすこしだけ、息を詰めて。
厚手のナイロン生地のうえから埋められる、尖った牙を。
予防接種の注射針を見つめるように、見守っていた。
ちゅう~っ・・・
聞えよがしな吸血の音に。
少女は、ひっ、とうめきをあげて。
あわてて口許に、手をやると。
怯えた声を、素早く喉の奥に呑み込んだ。

当たり前だけど・・・汚れるんですね。
少女は唇を噛んで、足許を見おろす。
お気に入りだったハイソックスに、赤黒いシミを毒々しく滲ませて。
ずり落ちかけたゴムに、手をやって、ひざ小僧のすぐ下まで引きあげて。
ちょっぴり浮いたたるみを、引き伸ばして消してゆく。
死人のように蒼かった、冷酷博士の頬に。
バラ色の生気がよぎるのをみとめると。
少女ははじめて、自分の功績を自分で認めた顔つきになって。
すこし元気に、おなりですね♪
さっきまでの無邪気な笑みを、口許に取り戻している。
もう片方も、よろしいですよ。
左右両方じゃないと、不公平だわ。
ここから噛んでね。そう言わんばかりに差し伸べられた、S字もようの浮いたふくらはぎ。
少女のしぐさには、子供っぽいほどの几帳面さが滲んでいた。


高校にあがって、初めて脚に通した黒のストッキングを。
家庭教師のまえ、誇らしげに見せびらかした少女は。
入学式帰りの、真新しい制服姿のまま、付き添いの母の目を盗んで。
畳のうえに、身を横たえた。
薄々のナイロンの、鮮やかに黒い生地が。
初々しい白い脛を、なまめかしく透きとおらせている。
冷酷博士は、ちょっとだけためらって。
けれども衝きあげてくる欲求には、勝てないで。
かさかさに干からびた唇を、生気に満ちた少女のふくらはぎに吸いつけた。

ヒルのように這った唇が、かすかに唾液をはぜながら。
初めて少女が身にまとった、大人びた装いを穢してゆく。
薄手のナイロンがたよりなく、ねじれていって。
くしゃくしゃにずり落ちながら、脂ぎった欲求の餌食にされるのを。
いやらしいですね。
母親譲りの気品漂う薄い唇から、白い歯を覗かせて。
冷やかすように。むしろ愉しげに、咎めると。
冷酷博士がはっとして、いちど唇を離しかけると、
どうぞ、ご遠慮なく。もっとなさって。
両脚をぴんと、爪先立てて。
悔しげに翳った面ざしを、もとの無邪気さに塗り替えていった。

スカートのなか。
両方の太ももを、お気に入りの水玉もようのパンティがひきおろされてゆく。
ストッキングを履いたまま、パンティだけをおろされて。
オトナっぽい格好のまま、されちゃうんだね。
お嫁入りまで、してはならないことに。
娘がけなげにも、挑戦しようとしていることに、
寝室のドアの向こうに消えた母さんは、きっと察しているのだろう。
胸もとまで伸びて、ゆったりと編まれた三つ編みを。
少女は片手で、もてあそびながら。
なにをされてしまうの?どんなふうになってしまうの?
初めて噛まれたときよりも、ずっと痛いのかな?
白のリボンで襟首を引き締めた、セーラー服の下。
稚ない胸を、ドキドキはずませているのだった。

たったの十三夜で、吸い尽くされてしまうはずだったはずなのに。
百夜たっても、家族のだれひとり、血の尽きるものが出なかったのは。
この娘(こ)の血が、熱いからなのか?
処女の証しを滴らせた太ももから、腰を引き抜くと。
髪を黒々と輝かせた冷酷博士は。
気絶した少女のおでこに、そっとキスを重ねていった。
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