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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

個別の法事。

2010年12月06日(Mon) 08:00:32

この村での法事はしばしば、親族の家をひと家族ごと、家に招いて。個別に弔われることがある。

俺が死んだことになって、ちょうど一年が経っていた。
都会住まいの叔父の一家が弔いに来てくれると、お袋に告げられてから。
俺はちょっとの間、断食をすることにした。
いつも血を吸わせてくれる家族に、すこしでも迷惑をかけたくなかったから。
じつは半吸血鬼に過ぎない俺は。
ふつうの食事でも、生きて行くことはできるのだから。

四十をすこし過ぎたか過ぎないかという叔母は、歳よりもずっと若くみえた。
精力家の叔父に、鍛えられているらしい。
その叔父は、俺のまえに家族を置き去りにすると。
では、リョウイチくんに気を遣おうか。って。
心にもないことばで、取り繕って。
お袋の部屋へと、引っ込んでゆく。
ふたりきりの逢瀬とやらを、ひさしぶりにたんのうするつもりらしい。
奥さんを寝取られ、息子の嫁を冒され、まな娘までものにされちゃうのだから、おあいこなんだけれど。
その昔、叔父がお袋の部屋に忍び込むのを。
俺は子供のころから、見なれていた。
あのころは親父も健在だったのに。
なぜか、やかましいことを口に出そうとはしなかったっけ。
自分の妻が寝取られても平然としていられるなど、俺には想像もつかなかったけれど。
そういう俺自身、お袋の寝姿に独りどきどきと胸はずませていたものだった。

取り残された四人の男女は。
叔母、従弟、いとこの新妻、従妹の四人。
年かさの三人はそれぞれ、黒の礼服姿。
セーラー服の従妹も含め、女三人はそろって、脚に黒のストッキングを通している。
叔母は目配せで、ほかの三人を別室にさがらせると。
伏し目がちに、どうぞ・・・と、漆黒のブラウスのボタンをはずし、胸もとをくつろげる。
黒光りのする、レエスもようのスリップが。胸の白さをきわだたせた。
ご馳走をわざと美味しく見せるすべを、叔母はじゅうぶんすぎるほど、心得ている。
喰いついた首筋からこぼれる血潮は。
漆黒のブラウスを、点々と濡らした。
かまわないわ。お好きになさって。
悩ましい声が、好色な色を秘めている。
このひと、亭主以外の男を識っている。
都会のただれた日常で、この女はなん人の男をたぶらかしているのだろう。
主人の取引先なのですよ。
俺の心を読んだかのように、女はこたえる。あきらめたような声で。
人身御供にされているの?
そうね。香織も時間の問題だから。
あなた今回の里帰りで、奪ってやってもらえないかしら?
嫁があなたと愉しんでいること、承知のうえでお願いするのだけれど。
都会の令夫人と呼ばれる女の、年増の娼婦のような言い草に、
俺はドキドキしながら、頷いている。

お義父さまは、あんなこと仰って。
あなたのお母様と、愉しい時間を過ごしているのだけれど。
わたしのお婿さんときたら・・・しょうがないわね。ほんとうに。
若妻の美華が、うそぶくかたわら。
その義母はごろりとその身を横たえている。
着込んでいた黒の礼服は、持ち主の血潮に濡らされて。
スカートの奥だけは、白く濁った熱情のたぎりを、光らせている。
部屋に招き入れられるなり、この若妻は。
ビールの空瓶みたいに転がされている姑に、声をあげて笑った。
だいぶ、愉しんじゃったようね。
姑が淑徳を穢されるのは、きっと何度も目にしているのだろう。
好色な叔父が、妻に強いていることを。姑が嫁にまねさせないはずはないだろうから。
あんたも取引先と・・・?
いいかけた口を、封じるように。
あたしは、趣味よ。
良家の育ちと一見してわかる、上品な目鼻立ちとは不似合いに。
女は蓮っ葉な調子で、そうこたえた。
主人の趣味でもあるの。あたしがほかの男性に抱かれるのが、むしょうに嬉しいらしいの。
いまも覗いているわよ。落ち着かないだろうけど。
女はむしろ、俺にたいして、見当違いな同情のまなざしを注いで来る。
上品なフォーマルスーツに装った上品な肢体を、じぶんからたたみの上に仰のけていった。

遠慮がちに噛んだ首すじに。
バラ色のしずくを散らしながら。
俺はしだいしだいに、本能にめざめていって。
ごくごくと喉を鳴らして、女の生き血を嚥(の)んでゆく。
美華がはじめて、苦痛のうめきをもらすころ。
俺は足許にとりついて、ふらちに這わせた唇で、
黒のストッキングをくしゃくしゃにしてしまっている。
質素で上品が取り柄だった叔母の履いているやつとは、裏腹に。
その嫁が脚に通しているのは、ガーターストッキング。
喪服には不似合いなほどの、毒々しい光沢が。
すべすべとした舐め心地とともに、俺の唇を魅了する。
この女、ほんとうに助平なんだな。
従兄(にい)さんにあげるなら、納得できるよ。
純情な夫とは、ずいぶん性格が違うようだった。

従妹の珠美は、まだ十四歳。
吸血に耐えるには痛々し過ぎるほどの、か細い肢体の持ち主だった。
いいの・・・?
俺のひと言に、心細そうに頷いて。
でもお従兄(にい)ちゃん、喉渇いているんだよね?
だいじょうぶ。きみの母さんと義姉(ねえ)さんから、たっぷり頂戴したから。
隣室で夫に解放されている美華は、乱れた着衣のあちこちに、たっぷり俺に愛された痕跡をあらわにしていた。

そうっとしのばせた唇の下。
少女が頼りなげな息を、はずませている。
吸いつけた喉笛に、しずかに牙を沈ませていくと。
あ・・・っ
痛々しい声色に、かえって欲情を覚えて。
もう逃げられないぞというように、セーラー服の両肩を、力をこめて抑えつけていた。
ひっく。ひっく。
珠美はべそを、掻いている。
いささか後ろめたい想いを、打ち消しながら。
重苦しい制服のスカートを、めくりあげてゆく。
俺のために装われた黒のストッキングの足許を。ふらちな唇で愉しむために。
義姉の身に着けていた舶来もののストッキングは、敵意を感じさせるほどのしなやかな舌触り、
それに比べて、従妹のそれは、昔ながらのなよなよとしたたよりなさ。
か細いふくらはぎの周りを、しなしなとよじれる薄手のナイロンを、それはしつっこくいたぶりながら。
少女の初々しい戸惑いさえも、唇の裏にしみ込ませていった。

従兄(にい)さま、いいよ・・・
意外に大胆なことばを、珠美が口にした。
知っているんだ。母も義姉も、あたしが大人の女になるのを望んでいるって。
従兄さまなら、許せるわ。
珠美が気が変わらないうちに、やっちゃって。
キュッと閉ざした瞼から。長いまつ毛が小刻みに震えていた。
稚ない従妹にたいする、憐みよりも。
嗜虐的な本能のほうが先だった。
太ももまでの黒ストッキングを、脱がさずに。
折り目正しい女学生のなりのまま、珠美を辱めていった。
パンティを引き剥いで、あらわにしたそこに、剛くそそりたった一物を、無理やりのように押しつけたとき。
少女は唇を噛んで、必死で歯噛みをこらえていた。

また来年、おうかがいしますね。
叔母は淑やかに、母に三つ指をついている。
いいえ、こちらこそお世話になりました。
母の意味するお世話は、俺に振る舞われた血液に対するもの?それとも己の和服のすその裏にしみ込まされた、べつの粘液の記憶から?
従弟の嫁の作りつけた挨拶など、耳にする気にもならなかった。
女どものあいさつを、冷ややかに受け流すと、珠美と目が合った。
悲しげな光をたたえていたはずの瞳が、俺の目線を活き活きと受け止める。
お父さま。お母さま。
わたししばらく、こちらでお世話になるわけにはいきませんか?
当地は静かで、お勉強がすすみそうですの。
都会の令嬢の言葉づかいをつくろいながら。
このまま従兄(にい)さまに抱かれて、血を吸われつづけたい。
ほんとうは、そういいたかったのだろう。
いいのかね?
叱声に似た強圧的な叔父の声にも。
ええ、だいじょうぶです。珠美は耐えられますもの。
おうちにある、夏ものの制服と。黒のストッキングと。
それに・・・ハイソックスもお気に召すかしら?
いまはあからさまに、俺を見つめる少女。
まあ、はしたない・・・
兄嫁の美華の言い草に、俺はどっちがはしたない?そういいたかった。
いつでもお出で。ご主人といっしょに。
こんど濡らしてやるスカートは、もっと派手な色のやつがいいな。
俺の言い草に、だれもが失笑をするあいだ。
珠美はそっと、俺の傍らに寄り添って。
義姉(ねえ)さまも、ぜひいらしてね。あたしひとりでは、お相手し切れないから。
いつか口調までも、しっかりしているのだった。
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