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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

見に来ちゃ、ダメよ。

2006年04月26日(Wed) 06:52:23

法事を終えた帰りがけ。
母さんはふと足を止めてボクを見て。
家まで、ひとりで帰れるわね?
私はおじさまたちと、御用があるの。
あなたはまっすぐ、帰りなさい。
見に来ちゃ、ダメよ。
そういって。
ボクだけを分け隔てるようにして。
叔父や従兄弟たちと連れ立って、反対方向へと歩いていった。

息を弾ませながら、
根気よく、辛抱づよく、尾けていった小屋のまえ。
入っていったなん人もの大人たちの、押し殺したような呻き声が洩れてくる。
一時間ほどもして。
ふたたび姿をみせた母さんは、何ごともなかったような、喪服姿。
ちょっと恥らうように、うつむいて。
それでも、けんめいにわが身を支えるようにして。
いつもの落ち着いた物腰で、礼儀正しく深々とお辞儀をしていた。
後ろで束ねた髪の毛がちょっとほつれていたのと、
ストッキングの濃さが違っていたのと、
あのまま真っすぐ家に戻っていたら、そんな変化には気がつかなかっただろう。

学校を途中で抜け出したり。
夜中に黙って家をあけたり。
ボクはそれから、悪い子になった。
庭先にまわったガラス戸越しに、
くる日もくる日もくり返される、
母さんと男たちとのなれ合いに。
すっかり夢中になって、見入ってしまったから。
父さんがいなくなってから。
母さんは、悪い女になった。
だから、ボクも悪い子しちゃおう。
じめじめした思いよりも、
子供っぽい悪戯心のほうがまさっていた。

はだけたブラウス。破けてずり落ちたストッキング。
女とはこういうふうにあしらうものなのか。
股間に熱いものを感じながら。
くねり合いからみ合う様子に見入っていると。
覗いているところを後ろから肩に手を置かれた。
同い年の従兄弟の、キヨシだった。
いま母さんを犯している男は、その子の父さんだった。

中学にあがったら。
トシ坊に声、かけてやれ。
父さんがトシ坊の母さんに逢っているうちに。
母さんのとこに連れて行ってやるんだぞ。
そんなふうに言われた・・・。
せっぱ詰まったような顔をして。
うちの母さんじゃ、好きくないかな?
おずおずと切り出したキヨシには答えずに。
カギは持ってるの?
そんなふうに、訊いていた。

受け取ったカギは、汗ばんでいた。
鍵穴に突っ込んで。かちゃかちゃと回して。
ひんやりとした薄闇が、なかにたちこめていた。
母さんの部屋はこっちだよ・・・
手引きされるままに、あがりこんで。
黒一色の喪服を着たキヨシの母さんは、たたみの上に仰向けになって。
軽く目を瞑っている。
息を詰めて見つめるキヨシの視線が、くすぐったい。
ボクは照れたようにキヨシの視線を受け流して。
キヨシの母さんの唇に、唇を重ねてゆく・・・


あとがき
未亡人ができると、親族の男たちが代わる代わる、孤閨を慰めるしきたりがあるようです。
あとに息子が残されているときは、お母さんを頂戴した罪滅ぼしに。
自分の妻に「筆おろし」の相手を務めさせる・・・
そんな習慣を抱き合わせにして。
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コメント

未亡人は皆のもの?
亡くなった兄の妻を弟が娶ったり・・・
そんなお話は50年ほど前にはよくあったことのようですね。
未亡人が次のパートナーを見つけるまで
独身の男性が順番に相手をしてくださるならいいのにと
思ってしまいましたわ。

この風習・・・離婚した女には適用していただけないのかしら
by 祥子
URL
2006-04-26 水 23:54:29
編集
風習
傍らの男が嘯きました。
その問いに、まともに答えるつもりなのかね?
愚かなことを・・・
魅惑を帯びた女の乞いは、すべてにまさるものではないか。
それ、その証拠に。
夫と別れたというあの女の周りには、
お前など及びもつかぬほどの殿方がうろうろしておろうが。
と。^^
by 柏木
URL
2006-04-27 木 21:58:39
編集

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