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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

おねだり

2006年04月26日(Wed) 07:08:52

あの・・・長い靴下、履いてきて欲しいんだ。いま履いているようなやつ。
当日の服装にご要望は?
そんな質問におずおずと口ごもりながら。
ああ、これね?
お姉さんはくすっ、と笑い、足許を見た。
スカートの下のふくらはぎは、透きとおるほどの薄さのストッキングにおおわれている。
いいわよ。お出かけのときにはいつも履いているから。お安い御用だわ。
履き替えのご用意、いるんでしょう?
さいごのひと言に、おもわずぞくぞくしてしまったけれど。
オトナなお姉さんはそんなボクの態度を見透かすように、もういちどくすっ、と笑っていた。

約束どおり、つぎの日曜日にやってきたお姉さんは、大人っぽくおめかししていた。
玄関を上がって廊下をすべるつま先が、グレーのストッキングに包まれているのを見て、
ボクはぞくり、と胸ふるわせる。
そんなボクの様子を愉しそうに窺って。
ふたりきりになりましょ。
いっしょに来た伯父さんや伯母さんに、そういい置いて。
散らかっている勉強部屋、もっと片付けておけばよかった。
そんなふうに思っていると。
あんな汚い部屋じゃダメよ。
傍らからするのは、母の声。
床の間の部屋、特別にあけてあるから。しっかりね。

替えたばかりのたたみのうえに延べられた、
すんなりとしたふくらはぎ。
おずおずと唇をくっつけようとして。
思いなおしてもういちど。こんどは大胆に・・・・・・
ぬるっ。
ヒルみたいに、這わせてみた。
ぴくり、と身じろぎするのを。しくっ、と筋肉が締まるのを。
ストッキングを通して、唇でありありと感じ取っている。
紙のように薄いストッキングは、思ったよりもずっとなよなよと頼りなくて。
お姉さんの足許を、ずるずるとだらしなく、よじれてゆく。
面白い・・・
子供っぽい悪戯な気分で、いっぱいになったボクは、きゅきゅっ、くちゅうっ、と、
わざといやらしい音をたてて、
姉さんが恥ずかしがる様子に興じている。

来週も来るからね。
大人びた物腰は、かわらない。
ご両親も、ホッとしているようだった。
あなた、そのままで帰るの?
ピンク色のスーツのすそまで忍び込んだストッキングの伝線を見咎めた母親に。
ウン、約束だから。
無邪気なえくぼは口やかましい母親も黙らせてしまった。
落ち着いた態度がちょっと小憎らしくて。
澄ました顔にわざとぶつけた。
また、ねぶらせてもらうね。こんどはもっとイヤラシク。
ばか。
軽くぶたれてしまったけれど。
口許のえくぼは、消えていない。


あとがき
親戚のお姉さんが穿いてくるストッキングは、オトナの証しのようで。
いままで遊び戯れていた自分とのあいだに、ひとつ垣根ができてしまったのを感じるものです。

まだ少年な彼。
いまはまだ、大人っぽいストッキングに悪戯するだけで満足していますが。
いよいよイケナイ世界に踏み込むのは、もうちょっと先のようですね。
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