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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

ぬかるみ

2010年12月21日(Tue) 07:50:06

大写しにされた、スクリーンのなか。
ワンピースを着た妻が、ぬかるみのなかで組み伏せられて。
じたばたと暴れながら、犯されてゆく。
泣き叫び、必死になって抵抗しながら。
暴漢の膂力には勝てず、無理強いにねじ伏せられてゆく。
か細い腕を、折られるようにして。
みるみる泥まみれになってゆく、ワンピースの花柄が。
汚辱とともに、塗りつぶされていった。

「凌辱初体験 優理子の場合」
なぐり書きにされたタイトルどおりのシーン。
くり返し目の当たりにさせられる、人生最大の屈辱を。
ある種の性的昂奮を伴なって目にするようになるまでに、どれほどの時間が必要だっただろう?
侵されかかった理性の、奥深く。
怒りと悔しさ以外の感情が、わたしのなかに妖しく入り込んでいた。

いちどめの凌辱は、「傷つけられた」感じだった。
性交というよりも、傷害というべき衝撃だった。妻はいまでもそう告げる。
二度めのそれは、わずかながらも疼きを伴なったという。
感じる疼きが、悔しくて。貴方にも、申し訳なくって。
妻はいまでも、そうこぼす。
三度めの交尾は、もっと露骨で。けれども妻の身体と心にいっそう深く食い込んだ。
わき腹と太もも。
妻がいちばん感じる、性感帯を。
たった三回の交接で、男は巧みに探り当ててしまっている。

ぬかるみの中。
きちんとセットした髪を、くしゃくしゃにしながら。
泣き叫ぶ声の悲痛さが、淫らな媚を含みはじめる。
ああ、洗脳されてゆく。妻が、塗り替えられてゆく。
取り返しのつかないことになったのを。
わたしはあのとき、火のはぜるほどの焦りをおぼえていたはず。
ワンピースのうえから、妻のわき腹をまさぐるあのシーンを目にするたびに。
こんなに堕ちてしまった今でさえ、あのときの焦燥が滲みでてくる。

愉しめたかね?
闇の向こうから、男の声。
わたしは黙って、頷いている。
じゃ、本番行くよ。
男の傍らには、あのときのワンピースを身に着けた妻。
わたしの投げた、許容の目配せに。
おずおずとした他人行儀の会釈を、かえしてきた。
いちど伏せた目を、ふたたびあげたとき。
どこか、イタズラっぽい色が滲んだのは。
たぶん、気のせいではないのだろう。
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