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妖艶なる吸血

淫らな吸血鬼と倒錯した男女の織りなす、妖しいお伽噺・・・

優等生の血

2010年12月25日(Sat) 08:56:37

首すじから吸い取った血が、たらたらと。
弓恵の制服のえりを、汚しそうになった。
やだ・・・
とっさに取り出したハンカチで、あわてて傷口を拭うと、
おおいかぶさってきた男をはねのけて、弓恵は相手をきつくにらんだ。
ごめん・・・
制服姿の少女よりもずっとがたいのある猛郎は、身体をすぼめて謝っている。
優等生の弓恵には、いつも頭があがらなかった。

お前の血を吸ったら、勉強できるようになるかな、って思ったんだ。
ひと息落ち着いたあと、猛郎がぬけぬけとそういうと。
そんなことしたって、学校の成績あがらないよ。さっ、勉強しよ。
弓恵はその手には乗るまいと、きちんと座り直して、教科書を広げた。
それで、α=β+γだから・・・
小難しい数式の羅列に、できのわるい猛郎は頭を掻き掻き、従ってゆく。

母さん、でかけるわよ~。
ふたりのために紅茶を淹れてくれた猛郎の母が、のびやかな声を玄関に響かせた。
あー、わかった。気をつけてな。
気さくな声色には、母親に対する親しみが込められている。
家族に優しいんだね。古元くん。
なんだよ急に。
声でわかるもん。
同級生の少女の感心したまなざしに、猛郎はちょっぴり照れて。
けれどもすぐに、鉛筆を放り出していた。

どうしたの?
ゴメン・・・弓恵。お前の血がべつの意味で、効いてきた。
え・・・?
いぶかしそうな少女の顔が、狼狽にかわった。
ふたたび押し倒された彼女は、素早く奪われたファースト・キスにむせ返りながら。
スカートのすそをたくしあげようとする猛郎の手を抑えつけて。
わたしのこと、お嫁さんにしてくれる?
約束する。
相手の声色が、その場しのぎでないことを見定めて。
じゃ、あげる。
少女は制服のまま、背すじをピンと伸ばしていった。

どこまでも行儀がいいんだな、お前。
猛郎があきれるほど、きちんと身づくろいを済ませた少女は。
ちょうど戻ってきたお母さんにまで、お世話になりましたときちんとお辞儀をしていった。
うまくいったの?
振り向きもせずすたすたと歩み去ってゆく、セーラー服の後ろ姿を見守りながら、気遣う母親に。
照れているんだ、あいつ。
ぼそっと呟く息子が、母親の目にも大人びてみえた。
どちらが照れているんだか。
口に出しかけた冷やかしを呑み込んで、母親はいそいそと台所に向かう。
今夜はお赤飯ね。
よせやい。
初めて女の味を知った少年は、ほんとうに照れていた。


あとがき
吸血鬼小説だか中学生向け恋愛小説だか、わけのわからないものになっちゃいました。(^^ゞ
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